【基礎知識】発達障害の子に「最後まで話を聞く力」が必要な理由
聞くことが苦手な子がつまずきやすい場面とは?
発達障害のある子は、どうしても「聞くこと」が苦手になりやすいんです。たとえば、ママや先生が話している途中で気になるものが目に入ると、そっちに意識がパッと飛んでしまうこともあります。これは「集中が長く続きにくい」という特性によるもの。
また、相手の言葉を最後まで聞かずに途中で答えてしまったり、急いで自分の意見を言いたくなってしまう子もいます。こうした姿は一見「わがまま」に見えるかもしれませんが、実は脳の特性による自然な反応なんですね。
さらに、聞いたことを頭の中で整理するのに時間がかかるタイプの子もいます。そのため、最後まで話を聞く前に「もう分かった!」と勘違いしてしまうことも少なくありません。
話を最後まで聞けないと起きやすい友達・学校でのトラブル
話を途中で遮ったり、聞き逃したりすると、子ども同士の関係でトラブルになりやすいんです。たとえば…
- 友達の話を最後まで聞かずに別のことを言ってしまい、「ちゃんと聞いてよ!」とケンカになる
- 先生の説明を聞き逃して、授業や園での活動が分からなくなる
- 指示を途中までしか理解していないので、行動がちぐはぐになってしまう
こうした場面は、決して本人が「悪い子だから」ではありません。聞く力がまだ育っていないために起きることなんです。でも、繰り返されると子ども自身も「どうして自分だけできないんだろう」と落ち込んでしまったり、自己肯定感が下がってしまうこともあります。
だからこそ、家庭で楽しく「聞く練習」をしてあげることがとても大切なんですね。
「聞く力」が育つと伸びる!会話力・集中力・社会性
一方で、「最後まで話を聞く力」が少しずつ育ってくると、子どもの生活全体にプラスの変化が出てきます。
- 会話力:相手の話をちゃんと聞けることで、返事や質問がスムーズにできるようになる。会話のキャッチボールが続きやすくなる。
- 集中力:話を最後まで聞く習慣がつくと、自然と集中力も伸びる。勉強や遊びに取り組む姿勢にもつながる。
- 社会性:友達や先生との関わりがスムーズになり、「一緒に遊ぶのが楽しい!」という経験が増える。
特に発達障害の子にとっては、この「できた!」という小さな成功体験が大きな成長のステップになります。聞く力をゲームや遊びの中で育てると、本人も楽しみながらスキルを身につけられるので、日常生活にぐっと取り入れやすくなりますよ。
【家庭療育のコツ】遊び感覚でできる「最後まで話を聞く」練習法
楽しみながら会話力を伸ばす!ゲーム化のメリット
「話を最後まで聞く」って、大人でも難しいことがありますよね。子どもにとってはなおさらで、特に発達障害のある子は集中が続きにくいので、「ちゃんと聞いて!」と注意しても逆効果になることも…。
そこで役立つのが「ゲーム化」です。遊びの中で練習することで、子どもは自然と「聞くこと=楽しいこと」と結びつけられます。たとえば、なぞなぞやしりとりなら「最後まで聞かないと答えられない」ルールがあるので、楽しみながら集中する習慣が身につきやすいんです。
さらに、ゲーム感覚で取り入れると「やらされてる感」がなくなるのもポイント。子ども自身が「もう一回やりたい!」と感じることで、繰り返し練習ができ、結果的に会話力や聞く力がぐんと伸びやすいんです。
親が意識したい3つの工夫(肯定的声かけ・成功体験・興味活用)
家庭療育をするときに、ママやパパが意識しておきたい大切なコツが3つあります。
- 肯定的な声かけをする
「なんで最後まで聞けないの!」と叱るよりも、「最後まで聞けたね!」「すごいじゃん!」と褒めてあげる方が効果的です。子どもは褒められると「またやってみよう」という気持ちになります。 - 小さな成功体験を積ませる
いきなり長い話を聞くのは難しいので、最初は短いお話や簡単なルールでOK。「できた!」という達成感が次へのステップになります。 - 子どもの興味を活かす
電車好きな子なら「電車クイズ」、動物好きな子なら「動物しりとり」など、その子が好きなテーマを取り入れると集中しやすくなります。興味関心を利用するのが、一番の近道です。
この3つを意識するだけで、家庭での取り組みがぐっとスムーズになりますよ。
短時間でも効果あり!1日5分でできる家庭療育の習慣化
「療育」と聞くと、時間をたっぷり確保しなきゃいけないイメージがありますが、実は1日5分だけでも効果は十分あります。大事なのは長さよりも「続けること」。
短い時間なら子どもも飽きにくいし、ママやパパの負担にもなりません。たとえば、
- 朝ごはんの前に「今日の合言葉ゲーム」
- お風呂の中で「なぞなぞクイズ」
- 寝る前に「お話し聞き取りゲーム」
といった感じで、生活の中のちょっとした時間に取り入れるのがコツです。習慣化できれば、子どもは「聞くこと」が日常の一部になり、自然とスキルが積み上がっていきます。
また、短時間でも毎日積み重ねると「昨日よりちょっとできた!」という感覚が子どもに残りやすく、自信や自己肯定感のアップにもつながります。
【実践アイデア10選】最後まで話を聞く力を伸ばすゲーム集
① 言葉のキャッチボール!しりとり聞き取りチャレンジ
子どもが大好きなしりとりを「聞く力アップ」に活用する方法です。ルールは簡単、相手の言葉を最後まで聞いてから次の言葉を言うこと。途中で飛び出してしまうと成立しないので、自然と「相手の言葉を待つ」練習になります。
さらに、「動物しりとり」「色しりとり」などテーマを絞ると、語彙力や集中力も同時に伸ばせます。遊びの延長でできるので、親子で楽しみながら続けやすいのが魅力です。
② 想像力と会話力を伸ばす!お話リレーごっこ
物語を一文ずつリレーしていく遊びです。たとえばママが「ある日、うさぎさんが…」と始めたら、子どもが続きを考えて話します。ポイントは、前の人の話を最後まで聞かないと次の展開を考えられないこと。
この遊びは、聞く力+想像力+会話力をまとめて育てられるのが大きな特徴です。物語をつなげる面白さから、子どもも「次は何を言おうかな?」とワクワクして取り組めます。
③ 集中力UPに最適!間違い探しストーリーゲーム
ママやパパがわざと間違いを入れてお話をするゲームです。たとえば「今日は空から魚が降ってきました!」と話すと、子どもは「え?魚じゃないよ!」と突っ込むことができます。
最後まで聞かないと間違いに気づけないので、自然と集中して聞く練習になります。さらに、ツッコミを入れるのが楽しいので「聞くこと=面白い」というポジティブな経験につながります。
④ 絵カードで楽しむ!順番あてっこお話ゲーム
絵カードを数枚用意し、それを使ってお話を作ります。「リンゴ、犬、車」のカードを並べて「リンゴを犬が持って車に乗ったよ」とお話すると、子どもは順番を正しく聞いて記憶することが求められます。
この遊びは、聞く力と記憶力を同時に育てられるのがメリット。発達障害の子が苦手としやすい「順序立てて覚える」練習にもつながります。
⑤ 買い物リスト記憶ゲームで実生活に応用
「リンゴ・牛乳・パンを買ってきてね」とリストを伝え、子どもが覚えて答えるゲームです。慣れてきたら品数を増やしたり、「順番通りに言ってみよう」と難易度を上げていきます。
実生活に直結している遊びなので、日常の中でも応用しやすいのがポイント。スーパーで実際に「これとこれを取ってきて」とお願いすれば、遊びながら生活スキルも身につきます。
⑥ 聞かないと答えられない!なぞなぞクイズ遊び
「最後まで聞かないと答えが分からない」仕組みを活用したのがなぞなぞです。たとえば「赤くて丸くてリンゴじゃなくて…」とゆっくり出題すれば、子どもは自然と最後まで耳を傾けるようになります。
なぞなぞは楽しさと達成感を得やすいので、「できた!」の経験を積ませるのにピッタリ。家族みんなで参加すると、さらに盛り上がります。
⑦ 衝動性をコントロール!ジェスチャー付きお話ゲーム
「最後まで話を聞いてから動く」というルールを加える遊びです。たとえば「ウサギのポーズをしてね…でもまだ動かないで!最後まで聞いてからね」と指示を出します。
衝動的に動いてしまいがちな子にとって、「待つ練習」になるのが大きなメリット。遊びながら自己コントロール力を育てることができます。
⑧ 好きなテーマで盛り上がる!実況アナウンサーごっこ
電車やアニメなど、子どもの好きなテーマを実況する遊びです。交代でアナウンサー役をし、相手の実況をよく聞いて次につなげます。
好きなことを題材にすると集中しやすいので、会話のやり取りもスムーズに進みます。さらに、言葉で説明する力も育つため、発達支援的にも効果が高い遊びです。
⑨ ワクワク感を引き出す!秘密の合言葉ゲーム
お話の最後に「今日の合言葉」を設定し、それを覚えてもらうゲームです。たとえば「りんご・バナナ・ぶどう…今日の合言葉はぶどう!」と話します。
最後まで聞かないと合言葉が分からない仕組みなので、子どもは自然に集中できます。さらに「秘密」という要素が入ることで、子どものワクワク感が高まりやすいのも魅力です。
⑩ 絵本習慣とつなげる!おやすみ前のクイズタイム
寝る前の絵本タイムに「今のお話の主人公は誰だった?」などのクイズを出す方法です。絵本を最後まで聞かないと答えられないので、自然と聞き取り力が鍛えられます。
また、寝る前は気持ちが落ち着いている時間なので、穏やかな雰囲気で練習できるのがメリット。習慣化すれば、毎日の積み重ねが大きな成長につながります。
【効果を高める工夫】最後まで話を聞く ゲームを楽しく続けるコツ
ご褒美シールやポイント制でモチベーションUP
子どもって、「できた!」という達成感だけでもうれしいですが、そこにちょっとしたご褒美が加わるとさらにやる気が出ます。たとえば、ご褒美シールやポイント制を取り入れると効果的です。
「話を最後まで聞けたらシール1枚」「10枚集めたら好きなおやつ」など、小さな目標を設定することで、子どもは達成感と見えるご褒美の両方を手に入れられます。これは発達障害のある子が苦手としやすい「先の見通し」をサポートする効果もあり、次の行動につなげやすいんです。
兄弟や家族も一緒に参加すると効果倍増
1対1だけで取り組むよりも、兄弟や家族が一緒に参加すると盛り上がりが格段にアップします。子どもは「自分だけがやらされている」感覚から解放されて、ゲームそのものを純粋に楽しめるようになります。
さらに、家族みんなでルールを守る姿を見せることは、良いお手本の提示にもつながります。子どもは真似をしながら学ぶので、自然と「順番を待つ」「話を最後まで聞く」ことが身についていきます。
子どもの興味やキャラクターを取り入れる工夫
子どもがハマっているキャラクターや趣味を取り入れると、集中力やモチベーションがぐっと上がるんです。
たとえば電車が好きな子なら「電車しりとり」、プリンセスが好きな子なら「プリンセスクイズ」にしてみるなど、興味のあるテーマにアレンジするだけで、ゲームへの入りやすさが変わるんです。
また、キャラクターのシールやスタンプを「ご褒美アイテム」にするのもおすすめ。子どもの「好き!」を活かすと、取り組みが自然と長続きします。
発達段階に合わせて難易度を調整する方法
どんな遊びも、子どもの発達段階に合っていないと「難しすぎる」「簡単すぎる」になってしまい、効果が半減します。
最初はとにかくシンプルに。「しりとりは2回続けばOK」など小さな目標で始めて、慣れてきたら「もっと長く」「もっと複雑に」と少しずつレベルを上げていくのがコツです。
逆に難しすぎてイライラしているときは、無理に続けず、簡単なバージョンに戻して成功体験を重ねることが大切です。小さな成功の積み重ねが、子どもの自信と「もっとやってみたい!」という気持ちにつながります。
【注意点】最後まで話を聞く練習で失敗しないために
無理にやらせず「楽しい雰囲気」を最優先
「せっかく練習なんだから最後までやらせたい!」と思う気持ち、ママとしては自然ですよね。でも、無理にやらせると逆効果になることが多いんです。
発達障害のある子は集中が続きにくかったり、気分の切り替えが苦手なことがあります。その状態で「最後までやって!」と押してしまうと、子どもは嫌な気持ちになり、「もうやりたくない」と感じてしまうことも。
大切なのは、「楽しい雰囲気」を最優先すること。途中でやめても「今日はここまでできたね!」と声をかければ十分なんです。無理をさせないことで、次につながりやすくなります。
「全部できた」より「ちょっとできた」を評価
親としては「最後まで全部できた!」をゴールにしたくなりますよね。でも、最初から完璧を目指すと子どもも親も疲れてしまいます。
ポイントは、小さな「できた」を見つけて褒めることです。たとえば…
- 最初の1分だけでも聞けた
- 1回だけでも相手の話を最後まで待てた
- 前回よりちょっと長く集中できた
こうした小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは自信を持てるようになります。「ちょっとできた!」を評価する姿勢が、子どものやる気を育てる一番の近道なんです。
親がイライラしない工夫でポジティブな療育時間に
正直に言うと、毎日続けているとママの方が疲れてしまうこともありますよね。「なんで最後まで聞けないの?」「また途中でやめちゃった…」とイライラするのも自然なことです。
でも、その気持ちがそのまま表に出てしまうと、子どもは敏感に感じ取ってしまいます。「ママが怒ってる」と思っただけで、療育の時間=イヤな時間になってしまうことも。
そんなときは、
- 練習時間を短く区切る(5分だけなど)
- ゲームの内容を子どもが選べるようにする
- 「今日は無理!」と思ったらスパッとお休みする
といった工夫で、ママの気持ちに余裕を持たせましょう。親がリラックスしていると、子どもも安心して楽しく取り組めるようになります。
まとめ:家庭でできる簡単療育で「聞く力」と「会話力」を伸ばそう
子どもに「最後まで話を聞く」力を育てることは、決して難しい特別なことではありません。ゲームや遊びを通して楽しく取り組めば、会話力・集中力・社会性が自然に伸びていくんです。
たとえば、しりとりやお話リレーのようなシンプルな遊びでも、子どもは「相手の言葉を聞く」「順番を待つ」練習ができます。これが積み重なると、学校生活やお友達との関係でも、少しずつ自信を持てるようになります。
また、家でできる療育ゲームは、ただのトレーニングではなく、親子のコミュニケーションを深める絶好の機会でもあります。忙しい毎日の中でも、ほんの5分でも一緒に遊ぶことで、子どもは「ママと一緒に楽しい時間を過ごした」という安心感を持てます。その安心感が、さらに「聞く力」を伸ばす原動力になるんです。
そして大切なのは、無理せず楽しく続けること。完璧にやる必要はなくて、子どもが「ちょっとできた!」と感じられる瞬間をたくさん積み重ねていくことが一番の近道です。そうすることで、子どもの「できた!」がどんどん日常に増えていきます。
ママ自身も「今日は楽しく遊べたな」と思えることが、明日への励みにもなります。だからこそ、家庭でできる簡単な療育を、気軽に、でも継続的に取り入れることがとても大事なんです。
✨ まずは、今日の夜にでも「1日5分のゲーム時間」を始めてみませんか?
小さな一歩が、子どもの未来を大きく変える力になりますよ。
以上【家でできる簡単療育!発達障害の子に効果的な「最後まで話を聞くゲーム」で会話力UP】でした
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