ADHDとは?発達障害のひとつとして知っておきたい基本情報
ADHDの正式名称と子どもに見られる特徴
「ADHD」という言葉はよく耳にするけれど、詳しくはよく分からない…というママも多いですよね。
正式には 「注意欠如・多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)」 といいます。
この名前のとおり、ADHDの子どもには大きく分けて3つの特徴があります。
1つ目は、注意が続きにくい(不注意)。たとえば「宿題をやろうとしてもすぐに気が散ってしまう」「忘れ物が多い」といった形で現れます。
2つ目は、じっとしているのが苦手(多動)。席に座っていても体を動かしてしまったり、静かに待つことが難しかったりします。
そして3つ目が、思ったことをすぐに行動にうつしてしまう(衝動性)です。順番を待てなかったり、友達の話をさえぎってしまったりすることがあります。
もちろん、これらの特徴は子どもによって出方が違います。
「ちょっと落ち着きがない子」もいれば「忘れ物がとても多い子」もいて、一人ひとり症状のあらわれ方が異なるんです。
発達障害のひとつとしての位置づけ
ADHDは、いわゆる「発達障害」のひとつに分類されます。発達障害というとなんだか重たいイメージがあるかもしれませんが、実際には 「脳の働き方がちょっと違う」 というだけのこと。
社会のなかでは「普通の子」と比べて行動が目立ってしまい、困りごととして見られることがあります。けれどもこれは 子どもの性格や育て方の問題ではなく、脳の特性によるもの です。
さらに大切なのは、ADHDの子どもにもたくさんの強みや魅力があるということです。発想力が豊かだったり、エネルギッシュで人を楽しませることが得意だったり。
つまり「困難さ」と「得意さ」がどちらもあるのがADHDの特徴なんです。
脳の働きと行動の関係をわかりやすく解説
少し専門的なお話をすると、ADHDの症状は 脳の神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリン)の働き方の違い が関係していると考えられています。
これらは「注意をコントロールする」「行動を抑える」などに関わっているのですが、ADHDの子どもはその働きがうまく調整されにくいのです。
その結果、
- 注意が散りやすい
- 待つことが難しい
- 気持ちの切り替えが苦手
といった行動につながります。
ただし、これは 「病気」ではなく「脳の特性」 です。
たとえば「右利き」と「左利き」のように、脳の使い方に違いがあるだけとも言えます。
ここで大事なのは、子どもの行動を「困った子」ではなく「困っている子」と捉えること。
その視点を持つだけで、ママの見方や対応も大きく変わって、子どもとの関係がぐっとラクになります。
子どもの「adhdの症状」3つのタイプを解説
ADHDの症状は、実は一つの形だけではなく、大きく3つのタイプに分けられるんです。
お子さんによって「あ、これ当てはまる!」という部分が違うので、理解しておくとママが安心して対応できるようになります。
不注意タイプ(集中できない・忘れ物が多い)
一番よく見られるのが、この「不注意タイプ」です。
例えば…
- 宿題を始めたけど、5分もたたないうちに気が散ってしまう
- おもちゃを片付けようとしたのに、途中で別の遊びに夢中になってしまう
- 忘れ物や落とし物がとても多い
こうした姿は、ママからすると「ちゃんと聞いてないのかな?」と不安になりますよね。でも実際は、「集中力が続きにくい脳の特性」によるものなんです。
学校生活では「授業中にぼーっとしている」「指示を聞き逃す」などが目立ちやすく、先生から注意されることも多いタイプです。
ただし裏を返せば、自分が好きなことにはすごい集中力を発揮するのも特徴。ゲームや工作に没頭して時間を忘れる…なんて経験、心当たりがあるママも多いのではないでしょうか?
多動・衝動タイプ(落ち着きがない・待てない)
次に紹介するのが、「多動・衝動タイプ」。
これは、じっとしていられなかったり、思ったことをすぐ行動に移してしまうタイプです。
具体的には…
- 授業中でも立ち歩いてしまう
- 並んで順番を待つことが苦手
- お友達の話を途中で遮ってしまう
- 気持ちが高ぶると感情が爆発しやすい
ママの立場からすると「どうして静かにしてくれないの?」「何度言っても待てないのはなぜ?」と悩むポイントですよね。
でも実際には、脳の「ブレーキ機能」がうまく働きにくいために、こうした行動が出てしまうのです。
ただし、行動力やエネルギーがとてもあるのも大きな特徴。
スポーツやダンスなど「体を動かす活動」では、むしろそのパワーが強みになります。
混合タイプ(両方の特徴が見られる場合)
最後は、「混合タイプ」。
不注意と多動・衝動、両方の特徴が同時に見られるタイプです。
たとえば、
- 授業に集中できず、さらに立ち歩いてしまう
- 忘れ物が多いのに、感情のコントロールも苦手
- やるべきことを忘れちゃう+お友達とケンカになりやすい
というように、生活の中で「困りごと」が重なりやすいのが特徴です。
そのぶんママは「どう対応したらいいの?」と悩むことが多いかもしれません。
でも逆に言えば、得意なことも幅広く持っている子が多いんです。
集中力が爆発するときの力強さや、好奇心の旺盛さは大きな魅力。サポートの仕方を工夫することで、個性として伸ばすことができます。
年齢別にわかる「adhdの症状」子どものサイン
ADHDの症状は、年齢によって少しずつあらわれ方が変わります。
「小さい頃は元気すぎる子に見えたけど、小学生になると忘れ物が増えた」など、成長に合わせて特徴が変化するんです。
ここでは、年齢ごとにどんなサインが出やすいのかを見ていきましょう。
幼児期(3〜6歳)に見られる特徴
この時期は、まだ脳の発達が未熟なので、そもそも「落ち着きがない」子は多いです。
ただ、その中でもADHDの子どもには次のような特徴が見られることがあります。
- じっと座っていられず、体を動かし続ける
- 遊びを最後までやりきれず、次々に遊びを変える
- 集団生活での切り替え(お片付け・整列)がとても苦手
- 感情が爆発しやすく、かんしゃくが長引く
ママの視点からすると「うちの子、ただ元気なだけかな?」「他の子と比べて激しい気がする」と迷うこともありますよね。
大事なのは、「元気すぎる」と「ADHDの特性」の境目はとてもあいまいだということ。
幼児期では診断が難しいことも多く、専門家も「経過を見ながら支援する」というスタンスを取ることが多いです。
小学校低学年で出やすい症状と行動
学校生活が始まると、ADHDのサインがより目立ちやすくなります。
集団生活や学習場面では「周りの子と比べて行動が浮いて見える」ことが増えてくるのです。
- 授業中に席を立ってしまう、集中できない
- 忘れ物や提出物の出し忘れがとても多い
- 順番を待つことが苦手で、友達とのトラブルになりやすい
- 注意を受けることが多く、自己肯定感が下がりやすい
この時期は「やる気がないのでは?」「だらしないのでは?」と誤解されやすいのが大きなポイントです。
でも本当は、脳の働き方の違いから「気をつけているのにできない」という状態なんです。
逆にいうと、自分が興味のあることには驚くほど集中する力を見せるのもこのタイプの子の特徴。
「好きなものには夢中になれる」という強みをどう活かすかが、ママにできる工夫のカギになります。
高学年・思春期にあらわれる困りごと
学年が上がり思春期に近づくと、ADHDの症状は少し変わっていきます。
低学年のように「走り回る」ことは減るかもしれませんが、別の困りごとが出てきやすいんです。
- 宿題や課題を計画的に進められない(期限ギリギリになる)
- 思ったことをすぐ口に出してしまい、友達と衝突する
- 忘れ物や準備不足で、先生に注意され続ける
- 周囲と比べて劣等感を持ち、自己肯定感が下がる
- 思春期特有の感情の揺れと重なり、イライラが強く出る
この時期になると、本人自身が「自分は他の子と違う」と気づき始め、自信をなくしやすいのが特徴です。
ただしその一方で、自分の興味分野では驚くほどの集中力や才能を発揮することがあるのもこの年齢ならでは。
周囲の大人が「できない部分」だけでなく「できる部分・得意な部分」をしっかり見つけてあげることがとても大切になります。
ADHDの子どもが日常生活でつまずきやすい場面
ADHDの子どもは、家庭でも学校でも「ちょっと困ったな」と思われやすい行動が出てきます。
でもその多くは「やる気がない」とか「わざとやっている」わけではなく、脳の特性が原因でどうしても難しいことがあるからなんです。
ここでは、学校・家庭・そして本人の気持ちの3つの視点から見ていきましょう。
学校・園生活での困りごと(授業・友達関係)
学校や園は、集団で同じ行動を求められる場所。だからこそADHDの特性が目立ちやすいんです。
- 授業中にじっと座っていられず立ち歩いてしまう
- 周囲の音や動きにすぐ気を取られてしまい、授業内容が頭に入らない
- 宿題や提出物を忘れてしまうことが多い
- 順番を待てなかったり、思ったことをすぐ口にしてしまい、友達とのトラブルが増える
先生からすると「落ち着きがない」「集中できない」と見えますし、友達からすると「わがまま」「ルールを守らない子」と思われてしまうこともあります。
でも実際には、「できない」のではなく「うまくコントロールできない」だけなんです。
一方で、興味がある分野では驚くほどの集中力を発揮する子も多いのがADHDの特徴。だからこそ、「苦手な場面」ばかり注目されずに、得意や強みをどう生かすかが大事な視点になります。
家庭での困りごと(片付け・朝の支度)
家庭でも「なかなかスムーズに進まない…」と感じることが多いのがADHDの子育てあるあるです。
- 片付けができない → おもちゃを片付け始めても、途中で別のことに気を取られてしまう
- 朝の支度に時間がかかる → 着替えの途中で遊び始めたり、歯磨きを忘れたりする
- 時間を守るのが苦手 → 出発時間になっても準備が終わらない
- 感情のコントロールが難しい → 思いどおりにならないと泣き叫ぶ・怒る
ママからすると「何度言っても直らない」「同じことばかり繰り返す」とイライラしてしまいますよね。
でも実際には、「頭では分かっているけど、行動にうつすのが難しい」という状態なんです。
そのため、ただ「片付けなさい!」と叱るよりも、やることを見える形にする(チェックリスト・タイマー)など、環境を工夫することでスムーズに進みやすくなります。
本人が感じる生きづらさ(叱られやすい、理解されにくい)
忘れてはいけないのは、ADHDの子ども自身も「生きづらさ」を感じているということです。
- 「また忘れ物?」と叱られる回数が多い
- 周囲から「わがまま」「乱暴」と思われやすい
- 「どうして自分はできないんだろう」と落ち込みやすい
- 努力しても上手くいかず、自己肯定感が下がりやすい
ADHDの子どもは、外から見える行動で誤解されることが多いんです。
でも本人の中では「やりたいのにできない」「頑張っているのに怒られる」という気持ちがいっぱい。
このギャップこそが、本人にとっての大きなストレスになります。
だからこそ大切なのは、ママが 「できないこと」より「できたこと」に目を向けて声をかけること。
「今日ちゃんと準備できたね」「最後までやりきれたね」と伝えるだけで、子どもは安心して次のチャレンジに向かえます。
ADHDの誤解を解く!症状を正しく理解するポイント
ADHDの子どもは、周りから誤解されやすいのが現実です。
「落ち着きがないのはしつけ不足」「サボってるだけじゃない?」といった声を耳にしたママも少なくないはず。
でも本当は、しつけや性格の問題ではなく、脳の特性によるものなんです。
ここではよくある3つの誤解を取り上げて、正しく理解していきましょう。
しつけの問題ではない
ADHDの子どもが落ち着かなかったり、言われたことを忘れてしまったりすると、「親のしつけが足りないのでは?」と周囲から見られることがあります。
ママ自身も「私の育て方が悪いのかな…」と悩んでしまうこともありますよね。
でもこれは大きな誤解です。
ADHDはしつけで直るものではありません。
なぜなら原因は「性格」や「育て方」ではなく、脳の働きの特性にあるからです。
もちろん、生活習慣や環境の工夫で子どもがラクになることはあります。
ただしそれは「しつけで矯正する」ということではなく、環境を整えて子どもが過ごしやすくする工夫なんです。
怠けているわけではない
もうひとつよくある誤解は「やればできるのに、やらない=怠けている」という見方です。
例えば…
- 宿題をなかなか始めない
- 片付けをしない
- 同じ失敗を繰り返す
こういう場面を見ると、大人は「やる気がない」と思ってしまいがち。
でも実際は、頭では分かっていても行動に移すのが難しいのがADHDの特徴です。
つまり「やらない」ではなく、「やりたいのにできない」状態なんです。
ここを理解してあげるだけで、ママの声かけも変わってきます。
「なんでやらないの!」ではなく、「どうしたらやりやすくなるかな?」と考える視点に切り替えられるんです。
個性と症状の違いとは?
ここで少し混乱しやすいのが、「個性」と「症状」の違いです。
「ただの性格の特徴なの?」「それともADHDの症状?」と迷うこと、ありますよね。
個性は、その子の「好きなこと」「得意なこと」「性格の傾向」など。
たとえば「おしゃべりが好き」「元気いっぱいで活発」といった部分です。
一方で 症状は、生活の中で「困りごと」として現れる部分。
「集中が続かなくて授業についていけない」「忘れ物が多すぎてトラブルになる」など、本人や周囲が困ってしまう行動を指します。
つまり、ADHDの子には「症状」と「個性」が両方あるということ。
「困りごと」をサポートしつつ、「個性」をしっかり伸ばしていくことが大切です。
家庭で気づきやすい「adhdの症状」チェックリスト
ADHDの症状は、学校や園だけでなく、家庭でのちょっとした日常生活の中にも表れます。
「なんでこんなに忘れ物が多いの?」「どうして最後までやってくれないの?」と感じた経験、ありませんか?
ここでは、家庭でママが気づきやすい3つのサインをチェックしてみましょう。
忘れ物・物をなくすが多い
ADHDの子どもによくあるのが、忘れ物や物をなくすことの多さです。
- 学校に必要なノートやプリントをよく忘れる
- おもちゃを使ったあと、そのまま置きっぱなし
- 上着や水筒などを公園や友達の家に置いて帰ってきてしまう
ママからすると「何度言ったら覚えるの?」とイライラしてしまいますよね。
でも実際は、注意や記憶をまとめる力が弱いために、頭では「持っていかなきゃ」と分かっていても抜け落ちてしまうのです。
逆に言えば、これは性格の問題ではなく脳の特性によるもの。
工夫としては、玄関にチェックリストを貼ったり、ランドセルに目印をつけたりと、「忘れない仕組み」をつくることが効果的です。
指示が通りにくい、最後まで続かない
次に多いのが、指示が通りにくく、行動を最後まで続けられないというサインです。
- 「片付けなさい」と言ったのに、気づいたら別の遊びを始めている
- 宿題をやろうとしても、途中でテレビや音に気を取られてしまう
- 「歯を磨いてから寝てね」と伝えても、途中で忘れてしまう
ママからすると「わざと聞いてないの?」と思うこともあるかもしれません。
でも実は、耳から入った情報を頭にとどめて行動に移すのが難しいのです。
さらに、ADHDの子どもは気が散りやすく、他の刺激に引っ張られやすい特徴があります。
だからこそ、声かけの工夫がポイント。
「一度にたくさん言わない」「短い言葉で区切って伝える」「やることを見える化する」など、子どもが理解しやすい環境を整えることが大切です。
感情の爆発(かんしゃく)が多い
ADHDの子どもは、感情のコントロールが苦手なことも多いです。
そのため、ちょっとしたきっかけでかんしゃくを起こしやすくなります。
- おもちゃが思いどおりに動かないと泣き叫ぶ
- ゲームで負けると大声で怒る
- 注意されるとすぐに反発してしまう
ママの立場からすると「なんでこんなことで怒るの?」と驚いてしまうこともありますよね。
でも、これは「わがまま」ではなく、気持ちの切り替えがうまくできない脳の特性によるものです。
ただし感情表現が豊か、という見方もできます。
気持ちを表に出すのが得意であることは強みでもあるんです。
支援としては「気持ちを言葉にできるように促す」「クールダウンできる場所を用意する」など、安心して感情を出せる環境を整えることが役立ちます。
ADHDの子どもへの接し方|家庭でできる対応の工夫
ADHDの子どもは、日常のなかで「困った行動」が出やすいのは事実です。
でもそれは「性格」や「育て方のせい」ではなく、脳の特性が背景にあることを忘れないでくださいね。
家庭では「叱って直そう」とするよりも、環境を工夫する・声かけを工夫することでグンとラクになります。
ここでは、すぐに実践できる4つの工夫をご紹介します。
叱らずに環境を整える工夫
ADHDの子は「わざとやっている」ように見えても、実際は自分でもどうしていいか分からないことが多いんです。
だから「何度言ってもできない!」と叱るより、できるようになる環境づくりを意識しましょう。
例えば:
- ランドセル置き場を決めて、帰宅後はそこに入れるだけにする
- 洋服や持ち物は見える収納にして「探す手間」を減らす
- 朝の準備はリビングに一式そろえて、動線をシンプルにする
叱らなくても環境が整えば、自然と行動がスムーズになり、ママのストレスも減ります。
得意を伸ばす声かけの仕方
ADHDの子は「できないこと」に注目されがちですが、実は得意や強みをたくさん持っています。
発想力が豊かだったり、好奇心旺盛だったり、エネルギッシュで周りを笑顔にできたり。
だから声かけは、
- 「片付けできなかったね」よりも「ブロック遊びすごい集中してたね!」
- 「忘れ物したね」よりも「絵を描くのがとても上手だね!」
と、できたこと・得意なことを拾って伝えることが大切です。
こうした声かけは、子どもの自己肯定感をグッと育てる栄養になります。
行動を見える化する方法(タイマー・チェック表)
ADHDの子は「頭の中で順番を整理して行動する」ことがとても苦手です。
だからこそ、やることを見える化する工夫が効果的です。
- タイマー → 「あと5分で歯みがきだよ」と時間を見える形で知らせる
- チェック表 → 「着替える→ご飯→歯みがき→ランドセル」のように手順を書き出す
- イラストや写真 → 小さい子には絵で見せるとさらに分かりやすい
「やりなさい!」と何度も言うより、子ども自身が目で確認できる仕組みをつくるほうがずっとスムーズです。
肯定的な言葉がけで自信を育てる
ADHDの子は、日常で叱られる経験が人一倍多いものです。
そのため「どうせ自分はできない」と自己肯定感が下がりやすいのも特徴。
だからこそ、肯定的な言葉がけを意識しましょう。
- 「まだできてないよ!」より「ここまでできたね!」
- 「どうして忘れるの?」より「今日はノートをちゃんと持って行けたね!」
たとえ小さなことでも、できたことを見つけて褒めるだけで、子どもの自信は大きく育ちます。
「できるんだ」という気持ちが芽生えると、次のチャレンジにもつながります。
学校・園との連携と専門機関の支援活用法
ADHDの子育ては、家庭だけでがんばるのはとても大変です。
でも実は、学校や園、そして専門機関と上手につながることで、ぐっとラクになることが多いんです。
ここでは「先生との連携」「支援サービスの活用」「同じ悩みを持つママとのつながり」の3つの視点からお話しします。
先生にどう伝える?効果的な連携方法
まず大切なのは、学校や園の先生とのコミュニケーションです。
「うちの子、ADHDかもしれないけどどう言えばいいの?」と不安に思うママも多いと思います。
ポイントは、
- 具体的なエピソードで伝える
→「すぐ立ち歩く」より「授業中に5分で席を立つことが多いです」 - 困りごとと同時に、得意なことも伝える
→「忘れ物が多いけど、絵を描くときは集中できます」 - 家での工夫を共有する
→「タイマーで声かけすると進みやすいです」
先生は毎日たくさんの子どもを見ているので、家庭での様子を具体的に伝えることが子どもを理解してもらう第一歩になります。
また、「協力して見守りたい」という姿勢を見せることで、先生も安心してサポートしやすくなります。
発達支援センターや療育サービスの使い方
次に、専門機関の支援サービスについて。
ADHDの子育てでは、発達支援センターや療育サービスを利用することもできます。
- 発達支援センター
→ 発達に関する相談ができる公的な窓口。心理士や相談員がアドバイスをくれる。 - 児童発達支援・放課後等デイサービス
→ 専門スタッフが、遊びや学習を通して子どもの発達をサポートしてくれる。 - 医療機関(小児科・児童精神科)
→ 専門的な診断やアセスメントが受けられる。
「専門機関に行くなんて大げさじゃない?」と思うママもいますが、利用は早いほうが子どももママもラクになることが多いんです。
相談だけでも大丈夫。「困っていることを一緒に考えてもらえる場所」と思って活用してみてください。
同じ悩みを持つママとのつながりの大切さ
最後に意外と大事なのが、同じ立場のママ同士のつながりです。
「自分だけが悩んでいるのかも…」と思うと孤独感が強くなりますが、同じようにADHDの子を育てているママと話すと「うちも一緒!」と安心できるものです。
- SNSやブログで発信しているママの体験談を読む
- 発達支援センターの親の会に参加してみる
- ママ同士で情報交換をする
同じ悩みを共有できるだけでなく、具体的な工夫や前向きな考え方を知るきっかけにもなります。
「一人じゃない」と思えるだけで、子育てのしんどさはずいぶん和らぎますよ。
ママ自身の心を守るために大切なこと
ADHDの子育ては、日々のちょっとした困りごとが積み重なって、気づかないうちにママの心を疲れさせてしまいます。
「私がもっと頑張らなきゃ」と思い込んでしまうこともあるかもしれません。
でも実は、ママ自身の心を守ることが、子どもを支える大きな力になるんです。
ここでは、心を守るための3つのヒントをお話しします。
「うちの子だけじゃない」と知る安心感
ADHDの子育てをしていると、「どうしてうちの子だけ…?」と孤独を感じてしまうことがあります。
でも実際には、同じ悩みを持つママはたくさんいるんです。
- SNSや本で他のママの体験談を読むと「うちと同じ!」と共感できる
- 発達支援センターや療育の場で、同じように悩む親御さんと出会える
- 先生や専門家に相談して「よくあることですよ」と言われるだけで安心する
「うちの子だけじゃない」と思えると、心の重荷がふっと軽くなります。
孤独感をなくすことは、ママの心を守る大きな一歩です。
頑張りすぎない子育てのヒント
真面目なママほど「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込みがちです。
でも、子育てに「完璧」はありません。
- ご飯は毎回手作りじゃなくてもいい
- 宿題を全部見てあげられなくても大丈夫
- 時には「今日はもう無理!」と諦めてOK
頑張りすぎないことも立派な子育てです。
むしろママが疲れすぎて笑顔を失う方が、子どもにとってはつらいこと。
だからこそ「手を抜いてもいいんだ」「今日はこれで十分」と思える柔らかさが大切なんです。
支援サービスや家族に頼る勇気を持つ
「人に頼るのは申し訳ない」「私がやらなきゃ」と思うママも多いですが、一人で抱え込む必要はありません。
- 家事を家族に手伝ってもらう
- 支援サービス(放課後デイ・一時預かりなど)を利用して自分の時間を作る
- 専門機関に相談して、子どもに合った支援を一緒に考えてもらう
これは「甘え」ではなく、子どもの成長を支えるための大事な準備なんです。
頼る勇気を持つことで、ママの心に余裕ができ、その余裕が子どもへの安心感につながります。
まとめ:「adhdの症状」を知れば子育てはもっとラクになる
ADHDは「病気だから治さなきゃ」と思われがちですが、実際には子どもの特性のひとつです。
「落ち着きがない」「忘れ物が多い」といった行動も、性格や育て方の問題ではなく、脳の働き方の違いから出てくるものなんです。
つまり、ADHDの症状を知ることは、子どもを正しく理解する第一歩になるんです。
ADHDは子どもの特性のひとつであること
ADHDは「ダメなこと」でも「悪いこと」でもなく、その子の個性の一部です。
苦手なことがある反面、集中力や発想力などの強みを持っている子もたくさんいます。
大切なのは、「困っている行動=その子のすべて」ではないと知ること。
子どもの特性を理解することで、見える世界はガラッと変わります。
正しい理解と接し方で親子の毎日が変わる
ADHDの子どもには、「叱る」よりも環境を工夫することや声かけの仕方を工夫することが有効です。
チェックリストやタイマー、肯定的な言葉がけなど、ちょっとした工夫で毎日の困りごとがラクになります。
そして何より、ママが「この子はこういう特性を持っているんだ」と理解できると、余計なイライラが減り、親子の関係があたたかいものに変わっていきます。
ママが安心することが子どもにとって最大の支援
最後に一番大事なのは、ママが安心して子育てできることです。
ママが「うちの子はこれでいいんだ」と思えるようになると、子どもも自然と安心して自分らしく過ごせます。
- ママが自分を責めないこと
- 無理をせず支援サービスや周囲に頼ること
- 子どもの「できた!」を一緒に喜ぶこと
これらはすべて、子どもにとって最高の支援になります。
以上【「adhdの症状」って何?子どもの特徴と接し方をやさしく解説】でした
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