ADHDの子どもに「集中力を伸ばすおもちゃ」が必要なワケ
ADHDの子どもの“集中できない”は脳の特性が関係している
「うちの子、集中力がなくて…」「遊んでてもすぐ他のことに気がいっちゃう」
――そう感じるママ、多いですよね。でもそれは性格の問題ではなく、脳の働き方に理由があります。
ADHDの子どもは、脳の中でも「前頭前野」と呼ばれる部分の働きが少し独特です。
この前頭前野は、「集中する」「計画する」「衝動をおさえる」といった“考える力”をつかさどる場所。
その働きがやや弱かったり、神経伝達物質のバランスがとりにくかったりすることで、
「やるべきこと」よりも「気になること」に注意が向きやすくなります。
でも実は、ADHDの子どもには“興味があることへの集中力がすごく高い”という一面もあるんです。
例えば、好きなブロックを組み立てているときや、夢中で絵を描いているとき。
その姿は、むしろ“圧倒的な集中”そのものですよね。
つまり、ADHDの子の集中力を育てるポイントは、
「無理に集中させる」ではなく、“自然に集中できる環境を作る”ことなんです。
そしてその入口になるのが――そう、「おもちゃ」なんです。
遊びが“発達支援”になる!おもちゃがもたらす3つの効果
ADHDの子にとって、おもちゃはただの遊び道具ではありません。
実は、発達支援のツールとしてとても優秀なんです。
ここでは、おもちゃがもたらす3つの大きな効果を紹介します。
① 注意の持続時間がアップ
おもちゃで遊ぶと、「やってみたい」→「できた!」の流れが自然に生まれるため、
集中時間を少しずつ伸ばす練習になります。
たとえばパズルやブロックのように、完成までに手順があるものは、
「途中で投げ出さず最後までやりきる」力を育ててくれます。
② 手先・視覚・聴覚の協調をサポート
ADHDの子は感覚のアンバランスを持っていることもあります。
おもちゃを通して、目で見て・手で触って・耳で音を聞くという体験を繰り返すことで、
感覚の連携(=感覚統合)がスムーズになります。
これが、集中しやすい体づくりにもつながるんです。
③ 成功体験が自己肯定感を育てる
おもちゃは「できた!」をくり返し体験できる場。
この小さな達成感が積み重なることで、「ぼくにもできる」「わたしも上手にできた」という
自信が芽生えます。
自己肯定感が高まると、自然と「もう少し頑張ってみよう」という意欲にもつながります。
「訓練より遊び」で伸ばす!ADHDキッズの集中力アップの秘訣
ADHDの子どもにとって、「やらなきゃいけない」ことよりも
「やりたい!」と思えることのほうが圧倒的に力を発揮します。
たとえば、机に向かってプリントに取り組むよりも、
好きなおもちゃを使って楽しむ時間のほうが、集中力アップにつながるんです。
遊びの中では、子ども自身が目的を見つけて行動します。
「どうしたらうまくできるかな?」と自分で考える経験が、
注意を持続させる力を自然に育ててくれます。
そして、おもちゃ遊びの一番の魅力は「失敗してもOK」なこと。
何度でもやり直せるから、“挑戦する気持ち”が続きやすいんです。
これは、失敗を恐れやすいADHDの子にとって、とても大切なこと。
だからこそママやパパは、「集中させよう」と力む必要はありません。
大事なのは、「楽しいね」「できたね!」と気持ちを共有すること。
その安心感が、次の集中へとつながっていくのです。
ADHDの子に合うおもちゃの選び方【3つのポイント】
ADHDの子どもにとって、おもちゃは「遊びながら発達を支える道具」でもあります。
でも、すべてのおもちゃが向いているわけではありません。
刺激が強すぎるものや、難しすぎるものは、かえって集中を妨げることも。
ここでは、ADHDの子が楽しく・安心して・夢中になれるおもちゃを選ぶための3つのポイントを紹介します。
① 刺激が強すぎない「落ち着けるおもちゃ」を選ぼう
ADHDの子どもは、音や光、色といった感覚刺激にとても敏感なことがあります。
一見すると、ピカピカ光ったり音が鳴ったりするおもちゃは楽しそうですが、
実はその強い刺激が集中を妨げてしまうこともあるんです。
たとえば、ボタンを押すたびに派手な音やメロディが鳴るおもちゃだと、
最初は興味津々でも、途中で気が散ってしまったり、イライラしたりすることもあります。
一方で、「触り心地がいい」「音がやさしい」「色味が落ち着いている」といったおもちゃは、
安心感を与えてくれます。
ADHDの子は、落ち着いた環境の中でこそ集中しやすくなるため、
「静かに遊べる」「自分のペースで触れられる」おもちゃを選ぶのがポイントです。
たとえば、
- 柔らかい感触のスクイーズやストレスボール
- 木製の積み木やパズル
- ゆっくり動く液体タイマー
などは、刺激が少なく“落ち着きスイッチ”を入れやすいおもちゃです。
② 「できた!」を感じられるレベルのおもちゃが集中を生む
ADHDの子どもにとって、「成功体験」こそが集中のカギです。
「できた!」「できたかも!」という小さな喜びが、自信につながり、
次も挑戦してみようという意欲を生みます。
反対に、難しすぎるおもちゃを与えると、途中で「できない」と感じてしまい、
集中が切れてしまったり、癇癪(かんしゃく)につながることもあります。
そのため、おもちゃ選びのときは、“少し頑張ればできる”くらいのレベルが理想です。
たとえば、ブロックを組み立てるおもちゃなら、
最初は「2〜3個を積むだけ」でもOK。
少しずつ形を作れるようになっていけば、
「自分でできた!」という達成感が増えて、集中時間も自然に伸びていきます。
ママやパパがそばで褒めることも大切。
「最後までできたね!」「ここ上手にできたね!」という一言で、
子どものやる気スイッチがぐっと入ります。
ポイントは、「うまくできたかどうか」よりも、
“最後までやりきれたこと”を認めてあげること。
それが次の集中につながる、一番の近道です。
③ 感覚統合をサポートできる“感覚遊びトイ”が効果的
ADHDの子どもの多くは、感覚の感じ方や反応のしかたが少し独特です。
たとえば「触られるのが苦手」「音に敏感」「じっとしていると落ち着かない」など、
感覚のアンバランスさが行動に影響していることもあります。
そんな子には、“感覚統合あそび”ができるおもちゃがぴったり。
これは、触る・押す・回す・転がす・握るなど、
いろんな感覚を自然に刺激できる遊びのことです。
たとえば:
- フィジェットトイ(押す・回す・カチカチ動かすなどの玩具)
- スライムや粘土(触覚を刺激してリラックス)
- ボールプールやバランスボード(全身を使って感覚を整える)
こうしたおもちゃを使うことで、
感覚のバランスが整い、体と心の「落ち着く力」が育ちます。
落ち着く力がつくと、結果的に集中力の土台も安定していくんです。
また、感覚遊びは「子どもの発達段階に合わせて調整できる」のも魅力。
たとえば、力加減を覚えるために粘土をこねたり、
順番を守る練習としてボールを転がしたり。
小さな遊びの中にも、“発達支援のエッセンス”がたくさん詰まっています。
【厳選】ADHDの子が夢中になる!集中力を高めるおすすめおもちゃ10選
ADHDの子どもは、「動くのが好き」「感覚に敏感」「刺激を求める」など、それぞれ違った個性を持っています。
だからこそ、おもちゃも“その子の特性に合ったもの”を選ぶことが大切。
ここでは、家庭で無理なく使えるおもちゃの中から、集中力・落ち着き・達成感を育てられる10アイテムを紹介します。
どれも「遊びながら発達をサポートできる」優秀なおもちゃばかりです。
① ストレスボール・スクイーズ|触覚刺激で落ち着く人気No.1グッズ
ADHDの子は、手を動かしていると落ち着くことが多いです。
そんなときにおすすめなのが、ストレスボールやスクイーズなどの“触る系おもちゃ”。
握る・潰す・押すという単純な動作には、心を落ち着かせるリラックス効果があります。
手のひらから伝わるやわらかい刺激が、脳の興奮をやさしく落ち着かせてくれるんです。
とくに、「学校帰り」「気持ちが高ぶっているとき」に触ると、集中モードへの切り替えがスムーズになります。
100円ショップやバラエティショップにもたくさん種類があるので、まずは子どもの“お気に入りの感触”を見つけてみましょう。
② マグネットブロック|空間認知と集中力を育てる王道知育トイ
マグネットブロックは、遊びながら「考える力」と「集中力」を育てる定番おもちゃ。
磁石の「くっつく・はなれる」という感覚刺激が心地よく、ADHDの子もハマりやすい傾向があります。
ブロックをつなげる工程には、空間認知・手先の操作・計画性など、多くのスキルが詰まっています。
また、作りながら「どうやったら崩れない?」「形を変えたらどうなる?」と自然に考える力も育ちます。
静かに集中できる遊びなので、“落ち着いて遊んでほしい時間”にもぴったり。
「大きな作品ができた!」という達成感も味わえる万能知育トイです。
③ バランスボード・平均台|体幹を整えて「座れる力」を育てる
ADHDの子は、じっと座っていられない・姿勢が崩れやすいという特徴を持つことがあります。
その背景には、体幹の弱さやバランス感覚の未発達が関係していることも。
そこでおすすめなのが、バランスボードや平均台。
楽しく体を動かしながら、自然に体幹を鍛えることができます。
実は、「体のバランスが整う=姿勢を保ちやすくなる」ため、
結果的に“座って集中できる力”が育つんです。
リビングの隅でもできるコンパクトタイプも多く、
「ゲーム感覚」で遊べるのも魅力です。
転倒防止のために、最初はママがそばで見守ってあげましょう。
④ 音の出る楽器トイ|リズム遊びで情動コントロール&集中UP
ADHDの子どもは、リズム感が良かったり、音への反応が豊かだったりすることが多いです。
そんな子には、太鼓・ハンドベル・木琴などの楽器おもちゃがおすすめ。
リズムに合わせて叩く・鳴らすという動作には、感情をコントロールするトレーニング効果があります。
「楽しい」「心地いい」という感覚が自然に集中を生み出し、
心と体を整える“リズム療法”のような効果も期待できます。
さらに、親子で「一緒に鳴らす」「リズムを真似っこする」遊びをすると、やりとり力や模倣力もアップ!
音楽が好きな子には特におすすめです。
⑤ 組み立てブロック(レゴ系)|順序立てて考える練習に最適
レゴのような組み立てブロックは、ADHDの子が“集中して遊べる”代表格のおもちゃ。
ひとつひとつ積み上げていく過程の中で、順序立てて考える力が自然に身につきます。
「どのブロックを使おう?」「次はどこに置く?」と考えることで、
思考力と計画力が育ちます。
また、完成したときの「できた!」という達成感が大きく、自己肯定感アップにも◎。
最初はシンプルな形からスタートして、
徐々に「家」「車」など、少しずつ難しいものに挑戦していくのがおすすめです。
⑥ スライム・粘土遊び|感覚統合と集中力をダブルで刺激!
スライムや粘土は、ADHDの子にとってまさに“癒し系おもちゃ”。
手でこねたり、のばしたり、ちぎったりすることで、触覚をじっくり刺激できます。
この“手の感覚”の刺激が、脳をリラックス状態に導いてくれるんです。
さらに、形を自由に変えられるため、創造力や想像力もぐんぐん伸びます。
感覚が敏感な子には、香りつきやラメ入りなど、
「自分の好きな触り心地」を選ばせてあげると、より集中しやすくなります。
⑦ パズル・迷路トイ|問題解決力と集中を鍛える定番アイテム
パズルや迷路系のおもちゃは、“考える集中力”を育てるのにぴったり。
形や位置を見比べながら合わせていくことで、視覚認知力と注意力を鍛えられます。
難易度の選び方がポイントで、
最初は「できた!」を感じやすい5〜10ピース程度の簡単なものからスタート。
慣れてきたら少しずつレベルを上げていくと、飽きずに続けられます。
「集中→達成→自信アップ」の好循環をつくれる定番おもちゃです。
⑧ フィジェットトイ(スピナー・キューブ系)|手持ち無沙汰を集中に変える!
ADHDの子どもは、手を動かしていると安心したり、考えやすくなったりします。
そんな子におすすめなのが、フィジェットトイ(集中補助トイ)。
ボタンを押したり、回したり、カチカチ動かしたり――
シンプルな動作で手を動かすことで、落ち着きと集中のバランスを取ることができます。
特におすすめは、音が静かなタイプ。
学校や外出先でも使いやすく、周囲に迷惑をかけずに「集中スイッチ」を入れられます。
⑨ 積み木・ドミノ倒し|集中+計画力+達成感を同時に育てる
積み木やドミノ遊びは、“手先を使う集中トレーニング”の代表格。
どちらも、静かにコツコツ取り組むことが求められるため、集中力と忍耐力を育てるのにぴったりです。
ドミノを並べているときの緊張感や、倒れたときの爽快感も魅力。
失敗してもまた挑戦したくなる――
そんな繰り返しが、「あきらめない力」や「計画性」を伸ばしてくれます。
⑩ おしごとボード・知育ボード|手先の動きで集中&自立心を育てる
最近注目されているのが、知育ボード(おしごとボード)です。
ボタンを留める・ひもを結ぶ・チャックを開け閉めするなど、
生活動作を遊びながら練習できるおもちゃです。
この遊びには、「手先の器用さ」だけでなく、「順番を理解する力」も養う効果があります。
「1→2→3」と順番に動作を進める体験は、ADHDの子の“手順の理解”を助けます。
また、「自分でできた!」という経験が自立心を育てるきっかけにもなります。
旅行先や病院の待ち時間などでも活躍する“万能トイ”です。
まとめ:おもちゃは「集中力」と「安心感」をつなぐ架け橋
ここで紹介したおもちゃは、どれもADHDの子の“得意”を伸ばしながら集中をサポートできるものばかり。
大事なのは、どんなおもちゃを選ぶかよりも、「どんな気持ちで遊べるか」です。
「楽しい!」「もっとやってみたい!」
その気持ちが、集中力を育てる最強のエネルギーになります。
お子さんの“好き”を見つけながら、少しずつ夢中になれる時間を増やしていきましょう。
ADHDの子どもの集中力を引き出す“遊び方のコツ”
せっかく良いおもちゃを選んでも、「すぐ飽きちゃう」「最後まで遊べない」と悩むママも多いですよね。
でも実は、おもちゃそのものよりも「遊び方」や「環境づくり」が、集中力を育てるうえでとても大事なんです。
ここでは、発達特性のある子どもが自然と集中できるようになる3つのコツを紹介します。
どれもおうちで今日から実践できる、すぐに使える方法ばかりですよ。
① タイマーで区切ると集中が続く!「時間の見える化」活用法
ADHDの子どもは、「時間の感覚をつかむこと」が少し苦手です。
「あと5分ね」と言っても、頭の中ではその“5分”がイメージしにくいんです。
そこでおすすめなのが、「時間の見える化」。
タイマーや砂時計などを使って、目で“残り時間”を感じられるようにすることで、
集中力を長く保ちやすくなります。
たとえば、
- 「このタイマーが鳴るまでブロックしようね」
- 「砂が全部落ちるまでパズルに挑戦しよう」
など、遊ぶ時間を区切って見せると、切り替えがとてもスムーズになります。
ポイントは、「短めの時間設定からスタートする」こと。
最初は3分や5分でもOK。
「最後までできた!」という達成体験が積み重なることで、
徐々に集中時間が伸びていきます。
そして、終わったあとはしっかり褒めてあげましょう。
「タイマーが鳴るまでできたね!」「集中できてたね!」と声をかけることで、
「頑張れた!」という成功体験が自信につながります。
② 一緒に遊ぶと模倣力とコミュニケーション力がUP
ADHDの子どもにとって、“誰かと一緒に遊ぶ”ことは集中スイッチを入れる大きなきっかけになります。
一人で黙々と取り組むよりも、ママやパパが隣で一緒に遊ぶことで、
「見てほしい」「やってみよう」という気持ちが生まれ、結果的に集中しやすくなるんです。
特に、「大人が見本を見せる→子どもが真似をする」流れはとても効果的。
模倣力(まねっこ力)が育ち、社会的なやりとりにも良い影響を与えます。
たとえば、
- 一緒に積み木を積んで、「次は○○ちゃんの番!」と交代する。
- 親がリズムを叩いて、子どもが真似する。
- 「一緒にできたね!」とハイタッチする。
このように「共感+まねっこ+達成感」がそろう遊びは、
ADHDの子どもの集中力をぐんと伸ばします。
また、「大人が見守ってくれている」という安心感があると、
子どもの脳内で“落ち着きを司るホルモン(セロトニン)”が出やすくなるという研究結果もあります。
つまり、一緒に遊ぶ時間そのものが、心を安定させ、集中を助けてくれるんです。
③ 環境づくりが最重要!集中できるおうち空間の作り方
ADHDの子どもにとって、「どんな場所で遊ぶか」も集中力を大きく左右します。
遊びに夢中になりたいのに、まわりの音や光、視覚的な刺激が強いと、
どうしても気が散ってしまうんです。
集中しやすい環境をつくるには、次の3つがポイント。
1. 音を減らす
テレビやスマホの音、家族の話し声など、ADHDの子には「同時に聞こえる音」が多すぎることがあります。
静かな環境にすると、注意を一つに向けやすくなります。
どうしても難しい場合は、ノイズキャンセリングイヤーマフを活用するのもおすすめです。
2. 光をやわらかく
明るすぎる照明やチカチカした光は、脳を興奮させやすい刺激になります。
遊ぶ場所は、自然光やあたたかい照明(電球色)を選ぶと◎。
「やさしい明るさ」が落ち着きを引き出します。
3. モノを減らしてシンプルに
おもちゃや物が多すぎると、ADHDの子は「どれで遊ぶか」迷ってしまい、集中できません。
遊ぶときは、1~2種類だけ出して遊ぶのがベストです。
終わったら一緒に片づけることで、順序の感覚や切り替え力も身につきます。
まとめ:集中できる“空間+関わり+時間”の3セットがカギ
ADHDの子どもの集中力を伸ばすためには、
おもちゃそのものよりも、「どう遊ぶか」「どんな環境で遊ぶか」がとても大切です。
- タイマーで「時間の見える化」
- 親子で「一緒に遊ぶ安心感」
- 刺激を減らした「集中できる環境」
この3つがそろうことで、ADHDの子は安心して「やってみよう」と思えるようになります。
おもちゃは“訓練の道具”ではなく、心を通わせるコミュニケーションツール。
ママやパパが楽しそうに関わることで、子どもも自然と笑顔で集中できるようになりますよ。
年齢別|ADHDの子におすすめのおもちゃ&選び方のコツ
ADHDの子どもと一口に言っても、年齢によって「集中できる時間」や「興味の方向性」は大きく変わります。
発達段階に合ったおもちゃを選ぶことで、遊びながら自然と「集中する力」や「考える力」が育っていくんです。
ここでは、年齢別におすすめのおもちゃと、選ぶときのちょっとしたコツを紹介します。
「うちの子にはどんなおもちゃが合うかな?」と迷っているママは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
未就学児(3〜6歳)|感覚遊び&体を使うおもちゃが効果的
3〜6歳のADHD傾向のある子は、感覚刺激(さわる・動く・見える)が大好き!
この時期の子どもにとって大切なのは、
「机の上でじっと集中すること」よりも、“全身を使って遊ぶこと”です。
たとえば、
- ふわふわ・ぷにぷにの感触を楽しめるスクイーズやスライム
- 転がしたり乗ったりできるバランスボール・トンネル遊具
- たたいたり音を鳴らしたりできる太鼓・カスタネットなどの楽器トイ
こうした遊びは、感覚統合(体のバランスや触覚・聴覚の協調)をサポートしてくれるんです。
また、この時期の集中時間はわずか5〜10分程度でも十分。
「短い時間でも夢中になれる」おもちゃを選ぶのがポイントです。
遊び終わったあとに「できたね!」と褒めてあげると、次への意欲もぐっと高まります。
コツ:
「大きな音」「光るおもちゃ」よりも、静かでやさしい刺激のおもちゃを選ぶと落ち着いて遊びやすいですよ。
小学生(7〜10歳)|集中と達成感を育てる知育系トイが◎
小学生になると、「自分で考えてやってみたい!」という意欲が出てきます。
この時期は、「考える」「やりきる」「達成する」という体験を積むことが、集中力の土台になります。
おすすめなのは、
- レゴやマグネットブロックなどの組み立て系トイ
- パズル・迷路・ボードゲームなどの考える遊び
- プログラミングトイや論理パズルなどの思考系おもちゃ
こうした遊びは、「順番を考える」「失敗してもやり直す」など、ADHDの子が苦手としやすい部分を、楽しみながらトレーニングできます。
ただし、難しすぎるおもちゃは挫折しやすいので注意。
最初は簡単なものからスタートし、
「できた!」という成功体験を少しずつ積み上げていくことが大切です。
コツ:
集中力を育てるには、「時間を区切って遊ぶ」のも効果的。
「タイマーを5分セット→終わったら褒める」だけでも、集中スイッチが入りやすくなります。
高学年(11歳〜)|思考力を鍛えるボードゲーム・パズル系が人気
高学年になると、思考力がぐんと発達してきます。
「自分で考える」「戦略を立てる」といった遊びが楽しく感じられるようになる時期です。
この頃のADHDの子には、「考える系」「手順を踏む系」のおもちゃがピッタリです。
おすすめは、
- ボードゲーム(オセロ・UNO・ナンジャモンジャ・カタンなど)
- 立体パズル・ロジック系パズル(ラッシュアワーなど)
- 手作り工作キット・プラモデル
こうした遊びは、「考える→行動する→結果を見る」という流れを自然に学べるので、
計画力や見通しを立てる力を育てるのに最適なんです。
また、ルールを守ったり順番を待ったりする経験は、社会的スキルの練習にもなります。
大人や友達と遊ぶと、コミュニケーション力・忍耐力・感情コントロールまで伸ばせるのが魅力です。
コツ:
「勝ち負け」にこだわりすぎず、「考える過程を楽しむ」ことを重視してあげましょう。
「今の手、すごく良かったね!」などの声かけで、前向きに挑戦できる雰囲気をつくってあげるのがおすすめです。
まとめ:年齢に合った「遊びのステップ」で集中力は育つ
ADHDの子どもは、成長に合わせて「集中できる形」が少しずつ変化します。
未就学児期は「感覚と体を使う遊び」、
小学生期は「考える力と達成感を味わう遊び」、
高学年では「計画してやりきる力を育てる遊び」。
どの時期も共通して大切なのは、
「楽しい」「できた」「またやりたい」というポジティブな体験を積み重ねることです。
おもちゃは、その体験を生み出す“きっかけ”。
年齢に合ったおもちゃを選びながら、子どもの「好き」を応援してあげましょう。
その小さな一歩が、やがて大きな集中力の成長につながります。
家庭でできる“おうち療育”としてのおもちゃ活用法
おもちゃって、「遊びの道具」と思われがちですが、実は“発達を支える立派な療育ツール”なんです。
とくにADHDの子どもにとって、おもちゃは「集中」「感情コントロール」「人との関わり方」を学ぶ最高の教材。
難しく考える必要はありません。
家での遊び時間を少し工夫するだけで、自然にお子さんの力を伸ばすことができるんです。
「遊び=支援」になる!おもちゃを通じた発達のサイクル
ADHDの子は、机に向かって“勉強のように訓練”するよりも、遊びながら学ぶほうが吸収が早い傾向があります。
その理由は、遊びが子どもにとって「楽しい=脳が活発に働く時間」だから。
たとえば、ブロックやパズルをしているとき、
- 手を使う(運動能力)
- 考える(認知力)
- 工夫する(創造力)
- できた!(達成感)
といった要素がすべてつながりながら働いています。
これがまさに“発達のサイクル”。
楽しく遊ぶ → できたを感じる → 自信がつく → もっとやってみる → 発達が進む
という良い循環が生まれるんです。
おもちゃを通じた支援は、「無理なく・自然に」発達を促せるのが最大の魅力。
「訓練しなきゃ」と構えるよりも、「一緒に遊んでみよう!」という気持ちの方が、ずっと効果的なんです。
たとえば:
- バランスボード → 体幹と集中力アップ
- パズル → 問題解決力を育てる
- ごっこ遊び → 社会性と想像力を伸ばす
どんなおもちゃでも、「何を育てたいか」を意識して遊ぶだけで、“おうち療育”に変わります。
「叱る」より「できたね」を重ねる声かけで自信を育てる
ADHDの子どもは、周囲から「落ち着きがない」「集中できない」と言われることが多く、
知らず知らずのうちに自信を失ってしまうことがあります。
でも、ママやパパの一言でその気持ちは大きく変わるんです。
特に効果的なのが、「叱る」よりも「できたね」を重ねる声かけ。
たとえば、
- 「最後までできたね!」
- 「今日はいつもより集中できたね!」
- 「ここ上手にできたじゃん!」
こんな風に“できたところ”を言葉にしてあげることで、
子どもの脳には「できた=うれしい=またやりたい」というポジティブなサイクルが生まれます。
この流れこそが、ADHDの子の集中力を引き出す最大のコツ。
叱るよりも、「できた!」を積み重ねることで、子どものやる気と自己肯定感がどんどん育っていきます。
ちょっとした声かけの工夫例
| 状況 | NGな声かけ | OKな声かけ(おすすめ) |
|---|---|---|
| 集中が途切れた時 | 「また集中できてない!」 | 「もうちょっとでできそうだったね!」 |
| 間違えた時 | 「違うでしょ!」 | 「ここまでできたね!あと少しだよ」 |
| 途中でやめた時 | 「最後までやりなさい」 | 「ここまで頑張れたね、次はどこからやる?」 |
このように、「行動を責める言葉」ではなく、
“努力を認める言葉”を使うだけで、子どもの反応がガラッと変わります。
親の言葉が安心感になり、安心感が「集中してみよう」という意欲を支える。
この積み重ねが、“おうち療育”の本質なんです。
まとめ:「遊びながら支援」するのが一番の近道
ADHDの子どもにとって、遊びは“支援”そのもの。
おもちゃを通じて、集中力・自己肯定感・社会性をまるごと育てることができます。
そして大事なのは、完璧を求めないこと。
今日はうまくいかなくても、「ちょっとできた!」を見つけて褒めてあげるだけで十分です。
ママやパパのやさしい声かけと、楽しいおもちゃの時間。
それこそが、子どもの成長をいちばん自然な形で支える“おうち療育”です。
失敗しない!ADHDの子のおもちゃ選びで注意すべきポイント
ADHDの子どもに合うおもちゃを選ぶとき、つい「人気があるから」「口コミが良いから」という理由で選びがちですよね。
でも、実はそこに落とし穴があるんです。
おもちゃ選びの本当のポイントは、“その子の特性と遊び方に合っているかどうか”。
ここを意識するだけで、「買ったけど全然遊ばない…」「すぐ飽きちゃう…」という失敗をぐっと減らせます。
「口コミ人気」だけで選ばない!子どもの特性を見極めよう
AmazonやSNSを見ていると、「これで集中力が伸びた!」「発達にいい!」というおもちゃがたくさん紹介されていますよね。
でも実際のところ、ADHDの子どもは一人ひとり特性がちがうため、同じおもちゃでも反応はまったく違うことがあります。
たとえば、同じADHDでも次のようなタイプがあります:
| タイプ | 特徴 | 向いているおもちゃの例 |
|---|---|---|
| 多動タイプ | 体を動かさないと落ち着かない | バランスボード、トランポリン、リズム系おもちゃ |
| 不注意タイプ | 集中が続かない・すぐ気が散る | パズル、ブロック、手先を使う細かい遊び |
| 衝動タイプ | 思いつきで行動しやすい | 順番・ルールを学べるボードゲーム、カードゲーム |
つまり、「人気がある」ではなく、
“うちの子の特性に合うか”を見極めることが大事なんです。
たとえば、体を動かすのが好きな子に細かい作業系の知育トイを与えても、すぐに飽きてしまう可能性があります。
逆に、手を使うのが好きな子に大きな動きを必要とするおもちゃを渡しても、落ち着かずイライラしてしまうことも。
選ぶときのコツ:
- 「集中していられる時間」や「好きな感覚(触覚・音・動き)」を観察してみる
- 「本人が自然と手に取るおもちゃ」を中心に選ぶ
- すぐに飽きても「合わなかった理由」を振り返って、次の参考にする
おもちゃ選びは、試行錯誤の積み重ねで“うちの子に合う”を見つけていくプロセスなんです。
おもちゃより“遊び方”が大事!効果を左右する親の関わり方
どんなに良いおもちゃを買っても、「ただ渡すだけ」では意味がありません。
ADHDの子どもにとって大切なのは、おもちゃそのものよりも「どう遊ぶか」なんです。
たとえば同じブロックでも、
- 「1人で黙々と遊ぶ」より
- 「ママと一緒に“どんな形ができるかな?”と話しながら作る」方が、
集中力・想像力・コミュニケーション力がいっぺんに育ちます。
親が少し関わるだけで、遊びの中に“目的”が生まれ、発達支援につながるんです。
💬 たとえばこんな声かけが効果的:
- 「これ、どうやって作るの?教えて!」(説明力アップ)
- 「ここまでできたね!すごい!」(達成感アップ)
- 「次はどんなふうにしようか?」(見通し力アップ)
こうした声かけは、「遊びの中で自然にスキルを育てる」魔法のひとこと。
ADHDの子は“褒められると次も頑張れるタイプ”が多いので、
「できた」「考えた」「続けられた」をたくさん言葉にしてあげましょう。
さらに、環境づくりも大切。
テレビやスマホの音が流れている中では注意が分散しやすいため、
「静かで集中できるスペース」をつくってあげるだけでも、遊びの質がぐっと変わります。
「合うおもちゃ」より「関わり方」がいちばんの鍵
ADHDの子にとって、おもちゃは“成長のスイッチ”。
でもそのスイッチを押すのは、ママやパパの関わり方です。
「口コミで人気だから」ではなく、「うちの子が楽しめるか」を基準に。
そして、ただ遊ばせるのではなく、一緒に遊びながら褒める・共感する時間を大切にしてみてください。
おもちゃを通して生まれる親子のやり取りこそが、
子どもの集中力・自信・安心感を育てる“本当の発達支援”になります。
まとめ|ADHDの子の集中力は「遊び」で育つ!
ADHDの子どもは、「集中できない」わけではありません。
実は、「集中の方向がちょっと違うだけ」なんです。
興味を持てるものに出会ったときの集中力は、とてもパワフル。
好きな遊びに夢中になっているときの子どもの姿って、驚くほど真剣ですよね。
その「夢中になる時間」こそが、集中力を伸ばすいちばんのチャンスなんです。
おもちゃは“興味の入口”を見つけるツール
おもちゃは、ただの「遊び道具」ではなく、
子どもの“興味の入口”を探すための大切なヒントです。
ADHDの子は、「興味のスイッチ」が入ると一気に集中モードになります。
でも、そのスイッチの場所は子どもによって本当にさまざま。
- 動くものが好きな子
- 音やリズムが心地よい子
- 手を使う作業に没頭する子
- ごっこ遊びの世界に入り込む子
どれもその子らしい集中の形です。
だからこそ、ママやパパがいろんなおもちゃを通して、
「うちの子はどんなときに夢中になるのかな?」と観察してみることが大切です。
その“好き”が見つかれば、そこから「できた」「もっとやりたい」という意欲が自然に育っていきます。
まずは「楽しい」から始めよう
発達支援や集中力アップと聞くと、つい「練習」や「訓練」をイメージしがちですが、
ADHDの子には、“楽しい”が一番の学びの入口です。
「楽しい」と感じると脳の中でドーパミンが出て、意欲や集中が続きやすくなるんです。
これは科学的にも証明されていること。
だからこそ、最初の一歩はとってもシンプル。
「できないことを直す」よりも、「できることを一緒に楽しむ」が正解です。
「おもちゃ=支援ツール」ではなく、
「おもちゃ=親子の笑顔を増やすきっかけ」として使ってみてください。
ママも一緒に遊びながら、子どもの集中スイッチを見つけよう!
子どもの集中力は、ひとりで育つものではありません。
ママやパパがそばにいて、「見てくれてる」「認めてくれる」という安心感があると、
子どもはぐっと落ち着き、集中モードに入りやすくなります。
- 「ここまでできたね!」
- 「すごい!もう一回見せて!」
- 「ママもやってみようかな〜」
こんな一言だけでも、子どものやる気はぐんとアップ。
親子で一緒に遊ぶ時間そのものが“おうち療育”になるんです。
焦らず、比べず、
「うちの子はこういう遊びが好きなんだな」とゆるやかに見守る気持ちが、
いちばんの“集中力サポート”になります。
ADHDの子の集中力は、「遊びながら育つ」もの。
おもちゃを通して、「できた」「たのしい」「またやりたい」という小さな積み重ねを続けていくことで、
いつの間にか、子どもの中に“自分で集中できる力”が芽生えていきます。
ママもお子さんも、がんばりすぎなくて大丈夫。
笑顔のある遊びの時間こそ、最高の療育時間です。
以上【最新版】ADHDの子が夢中に!集中力を高めるおすすめ知育おもちゃ10選|発達支援にも◎】でした


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