【まず知りたい】学習障害(LD)とは?小学生に多い読み書き・計算の困難をわかりやすく解説
「学習障害(LD)」と聞くと、なんだか特別な問題のように感じるかもしれません。でも実は、LDは脳の“クセ”や“特性”のようなもので、決して珍しいものではありません。小学生になると「読み」「書き」「計算」など、急に学習ステップが増えるため、特性が見えやすくなる子も多いんです。
そして、ここで大事なのは…
LDは“怠け”や“努力不足”とは一切関係がない、ということ。
お子さん自身がどれだけがんばっていても、脳の仕組みの関係でつまずくことがあります。でも、正しい支援や工夫が入ると、子どもはびっくりするくらい力を伸ばしていきます。
ここでは、まず「学習障害とは?」をできるだけわかりやすく整理していきますね。
学習障害(LD)3タイプ|読み書き・計算でつまずく理由とは
学習障害は大きく分けて3つのタイプがあります。専門用語は長いので、ここではできるだけシンプルに紹介します。
① 読むのが苦手なタイプ(ディスレクシア)
・文字が読みにくい
・読むのにとても時間がかかる
・行を飛ばす、読み間違える
こういう特徴があります。
これは、文字を「音に結びつける力」が弱かったり、行を追う「目の動き」が苦手だったりすることが原因です。
② 書くのが苦手なタイプ(ディスグラフィア)
・文字がうまくマスに収まらない
・鏡文字が多い
・書くことに強いストレスがある
書くときって、本当は「字の形をイメージする」「手を動かす」「文字を思い出す」という複数の作業を同時にします。これが難しくなるのがこのタイプです。
③ 計算・数の理解が苦手なタイプ(ディスカリキュリア)
・数をイメージするのが苦手
・繰り上がり・繰り下がりを理解しにくい
・時計やお金の理解に時間がかかる
頭の中で“数を形としてイメージする力”が弱いため、計算ミスが続くこともあります。
どのタイプも、お子さんが悪いわけでも、ママの教え方が悪いわけでもありません。
ただ脳の仕組みがちょっと違うだけ。
だからこそ、特性に合わせた支援をすると効果が出やすいんです。
小学生に多い“読み飛ばし・鏡文字・計算ミス”のサイン一覧
小学生になると、宿題や授業のレベルが上がることで、つまずきが目立つようになる子もいます。
ここでは、学習障害に気づきやすいサインをわかりやすくまとめますね。
読みのサイン
- 行を何度も読み飛ばす
- ひらがなは読めるけど文章になると読みにくい
- 読むスピードが極端にゆっくり
- 読むこと自体をすごく嫌がる
「読む=ただ文字を追う」ではありません。脳の中で音に変換したり、次の行に視線を動かしたり、実は高度な作業をしています。
その“脳の作業”がうまくいかないだけなんです。
書きのサイン
- 文字の形が安定しない
- マスに収まらない
- 鏡文字が長く続く
- 書くと疲れやすく、宿題に時間がかかる
鏡文字は低学年ではよくあることですが、長く続く場合は書字の困難が背景にある可能性もあります。
計算のサイン
- 足し算・引き算の手順が覚えられない
- 繰り上がりで毎回つまずく
- 同じタイプの計算ミスが何度も起きる
- お金・時計の理解が苦手
繰り返し間違える場合は、手順を理解していないのではなく、頭の中で数をイメージできていないケースが多いです。
「怠けではない」学習障害の本質|ママが知るだけで安心すること
ここが今日一番大事なポイントかもしれません。
学習障害は“努力していないから起きる”わけではありません。
子ども自身も「できない自分」に一番ショックを受けています。
だからこそ、周りの大人が“できない理由”を理解してあげることが、最大の支援になります。
LDは「脳の使い方のクセ」であって、子どものせいじゃない
・「甘えているだけでは?」
・「もっと練習すればできるのでは?」
こんな不安を抱えるママは多いですが、
その考えはお子さんにとってはとてもつらいもの。
本当は…
LDの子は、一般的な学習よりも“何倍もの努力”をしていることも珍しくありません。
支援で驚くほど変わるのもLDの特徴
- 読み上げアプリを使うだけで文章が理解できる
- 書く量を調整するだけで宿題がスムーズになる
- ブロックを使うと計算が理解できる
こういった“小さな工夫”で世界が変わる子もいます。
ママが理解してくれるだけで、子どもは安心する
学習障害の子にとって一番つらいのは、
“できないことを責められる”こと。
逆に、
「そういう特性があるんだね。じゃあ一緒にやり方を変えてみよう」
とママが寄り添ってくれるだけで、
子どものストレスはグッと減ります。
そして、ストレスが減ると、学習も前に進みやすくなります。
【家庭学習がカギ】小学生の学習障害が“家での支援”で伸びる理由
学習障害(LD)のある子は、「家での関わり方」によって、
勉強のつまずき方が本当に変わってきます。
「学校でがんばってるのに何でできないの?」
「家庭学習って必要なの?」
と不安になるママも多いですが、実は家庭のサポートには
学校ではできない特別な役割があるんです。
ここでは、どうして家庭支援が大事なのかを、わかりやすくお話ししていきますね。
学校だけでは足りない?家庭学習で差がつく3つのポイント
学校は集団で授業をする場所なので、どうしても子ども一人ひとりに合わせたペースで進めるのが難しい場面があります。
だからこそ、家庭学習が大きな支えになることがあります。
家庭学習で差がつきやすい理由は、大きく3つあります。
① 子どもの“理解に合わせてペースを変えられるから”
学校では「クラス全体のペース」が優先されます。
でも家庭なら、
- わかりにくいところはゆっくり
- わかるところはサッと
というように、お子さんに合ったペースで学べます。
LDの子にとって、これはものすごく大きなメリットです。
② 子どもが安心できる場所で“落ち着いて学べるから”
学校は音・人・刺激が多くて疲れやすい場所。
だから、家で落ち着いた状態で取り組むと、
頭に入りやすい・ミスが減りやすいという特徴があります。
「家ではできるのに学校だとできない」
という現象が多いのも、この理由が大きいんです。
③ ちょっとした工夫をすぐに試せるから
家庭なら、
- 読み上げアプリ
- ブロック
- タブレット
- 音声学習
など、合う支援方法を試し放題。
「これ効くかも!」
が見つかりやすいのが家庭学習の強みです。
家庭支援が“自信”と“成功体験”につながる仕組み
学習障害のある子は、学校の学習でどうしても
「できない経験」
が積み重なりやすく、自己肯定感が下がりがちです。
ですが、家庭ならその流れを逆転できます。
① 小さな“できた!”を積み重ねられる
家庭では、
- わかる問題を選ぶ
- 量を少なくする
- スモールステップで進める
など、子どもが達成しやすい設定にできます。
これが続くと…
「できた!」がどんどん増えて、学ぶことが楽しくなるんです。
② ママがそばにいる安心感が、がんばる力になる
子どもは、ママが優しく見守ってくれるだけで、
心が落ち着いて取り組めます。
大人から見ると小さなことでも、
子どもにとっては大きな支え。
学習障害のある子は特に、
“安心できる人がそばにいる”ことがパワーになるんです。
③「できた経験」が学校生活にもいい影響を与える
家庭で成功体験が増えると、
学校での挑戦も前向きになります。
- 授業中に手を挙げられるようになる
- 苦手なプリントにも取り組める
- 勉強での自己否定が減る
など、良い変化がたくさん生まれます。
家庭×学校×専門機関のトライアングル支援で効果が最大化
家庭だけ、学校だけ、専門機関だけ……
どれか一つだけで支援をするのは、子どもにとって負担が大きくなりがちです。
一番伸びるのは、
「家庭×学校×専門機関」の3つがつながって支援できたとき。
これを“トライアングル支援”と言います。
① 家庭で気づいたことを学校に共有すると、誤解が減る
たとえば…
- 家では読み上げアプリが合う
- 計算はゆっくりだとミスが減る
- 書く量が多いと疲れてしまう
こうした“家庭でのデータ”は、学校の先生にとっても貴重な情報です。
共有することで、
先生が子どもの特性を理解しやすくなります。
② 学校の合理的配慮を家庭支援に活かせる
学校で行われている
- 作業の分割
- 問題数の調整
- 教材の工夫
などの配慮は、家庭学習でもそのまま活かせます。
支援がつながることで、子どもにとって一貫性が生まれ、
ストレスが大きく減ります。
③ 専門機関のアドバイスで、家庭支援の質がぐっと上がる
児童発達支援・療育・相談支援などは、LD支援のプロ。
家庭で
- どんなやり方が合うか
- どんな声かけが効果的か
を具体的に教えてくれます。
専門家のアドバイスを取り入れると、
ママの負担が減って、子どもにも合ったやり方が見つかりやすいです。
【読み書き・計算別】小学生の学習障害に合わせた家庭支援アイデア実例集
学習障害(LD)といっても、苦手のタイプは本当に人それぞれ。
ここでは 「読み」「書き」「計算」「宿題」 の4つに分けて、
家庭でできる具体的な支援アイデアをまとめました。
どれも「今日からできる」「家にあるものでできる」ものばかりなので、
気になるものから気軽に試してみてくださいね。
① 読みの困難(ディスレクシア)向け|読み飛ばしが減る家庭支援テクニック
ディスレクシアのある子は、
「読むこと」自体が大きな労力になります。
文字を目で追う力・音に変換する力に負担がかかるからです。
そんな子におすすめの、読みを助ける家庭支援を紹介します。
読みガイド・リーディングルーラーの使い方
読みガイドは “読む行を1行だけ見せる” 補助ツール。
定規や紙でも代用できます。
- 行を飛ばさない
- 目の疲れが減る
- 読むスピードが安定する
などの効果があります。
子どもによっては、
「1行だけに集中できることで、劇的に読みやすくなる」
というケースもあります。
読み上げアプリ活用法(音声学習)
ディスレクシアの子には、
「音で理解する」方がずっとラクなことが多いです。
読み上げアプリは、
- 学校のプリントを写真で読み上げ
- 教科書の音声を流す
- 文章を音声で理解
などができて便利。
読む負担を減らしながら“内容理解”を助ける最強ツールです。
読める本選び:ふりがな・漫画・短文中心
読書は「好き」になると伸びやすいので、
最初から難しい本を選ぶ必要はありません。
おすすめは
- ふりがな付きの本
- 漫画やイラストが多い本
- 1ページが短い本
子どもが「これなら読める!」と感じる本を選ぶことで、
“苦手なのに挑戦し続ける”というストレスを避けられます。
② 書くのが苦手(書字障害)向け|書きやすくなる家庭トレーニング術
書くのが苦手な子は、
書字=体力+集中力+視覚の総合作業になってしまい、すごく疲れます。
書くことへのストレスを軽くする工夫を紹介します。
書く量を減らす“書字の合理的配慮”
まず大切なのは
「書く量を減らす」ことも立派な支援
という考え方。
- 漢字は1行書かずに3回だけ
- ノートは半分だけ
- 音読カードは短くしてOK
無理に書かせると“書くこと嫌い”になるので、
量の調整はとても大切です。
とこ君宿題を減らしてもらうって、なんかサボってる感じがしちゃうんだけど…。



それが“合理的配慮”。ズルじゃなくて、“その子が力を出せる量に調整すること” なの。ケガしてる子に10km走らせないのと同じよ。



うわ〜めっちゃ分かりやすい!
“サボり”じゃなくて“距離の最適化”なんだね!
マス・ガイド線で整う書字サポート
マスやガイド線があると
文字の形が整いやすくなります。
- 四角の大きいノート
- 行間の広いノート
- ガイド線プリント
これらを使うと 「どこに書けばいいか」 がわかるので
迷いが減り、書く負担が下がります。
タブレット入力の併用で負担軽減
書字障害のある子は
「書く」より「入力」の方が理解が深まることがあります。
- 調べ学習
- 日記
- プリントの答え
こういったものは入力でOKにすると、
勉強量をしっかりこなしつつ、疲れが軽減できます。
漢字が覚えやすくなる「理解型学習」
書いて覚えるよりも、
- へん・つくりの意味を知る
- 絵で覚える
- なりたちで覚える
の方が定着しやすい子も多いです。
「とりの羽だから“習”に羽があるんだよ」
など、意味でつながる学習が効果的です。
③ 計算が苦手(算数障害)向け|繰り上がり・数の概念がわかる学び方
算数障害のある子は、
“数をイメージする力”が弱いタイプがいます。
だから、ただワークを繰り返しても理解につながりません。
視覚や実物を使って“数を見える化”することが大切です。
実物(ブロック)を使った“数の見える化”
ブロックやおはじきなどの実物を使うと、
数が形として目で見えるようになります。
- 10のまとまり
- 繰り上がり
- 引き算のイメージ
すべてブロックで説明できます。
「数がわからない…」が
「見えたらわかった!」に変わりやすい方法です。
計算アプリでつまずきを予防
計算アプリは
- スモールステップ
- 自動でヒント
- 繰り返し練習
ができるので、無理なく理解が進みます。
子どもが楽しみながら取り組めることもポイント。
時計・お金の学習は“実物中心”が効果的
時計やお金は
頭の中だけでは理解が難しい分野。
- 本物のお金
- 実際の時計
- 100円ショップの時計おもちゃ
これらを使うと理解が格段に進みます。
④ 宿題が進まない子向け|集中できる家庭学習環境づくりのコツ
学習障害の有無に関わらず、
「宿題に取りかかれない」「集中が続かない」は多いお悩み。
特にLDのある子は
“疲れやすい・刺激に敏感”などの特性も影響するため、
環境調整がとても大事です。
集中しやすい机環境・刺激の調整
机のまわりに
- おもちゃ
- テレビ
- ガチャガチャしたもの
があると集中しにくいです。
できれば
「机の上には宿題だけ」
にしてあげるとスッと集中できます。
10分区切りの“タイムタイマー方式”
LDの子は
長い時間の勉強が苦手。
タイムタイマーを使って
「10分やろう」
「終わったら2分休憩」
のように短く区切ると取り組みやすくなります。
見通しが持てるチェックリスト化
宿題を
- 算数
- 国語
- 音読
などに分けて、1つ終わるごとにチェック!
“終わった感”が目で見えるので、
モチベーションが上がります。
ママが隣に座って安心感をつくる方法
LDの子は、
「そばに大人がいるだけで落ち着いて学べる」
という特徴があります。
決して付きっきりじゃなくてOK。
横で別の作業をしているだけで安心します。
【成功する家庭支援】ママが必ず知っておきたい5つの黄金ルール
学習障害(LD)があるお子さんの家庭学習は、
「がんばらせる」よりも “合うやり方を見つける” ことが大切です。
そして、家庭支援をうまく進めるためには、
ママが知っておくとラクになる 5つの“黄金ルール” があります。
どれも今日からできるものばかりなので、
一つずつ気軽に取り入れてみてくださいね。
できたところに注目し“成功体験”を増やす声かけ
LDのある子は、学校で「できなかったこと」を指摘される機会がどうしても増えがち。
だからこそ家庭では、小さな“できた!”をしっかり拾ってあげることがすごく大切です。
声かけのコツ
- 「ここ読めたね、すごい!」
- 「最初の問題だけ自分でできたね」
- 「がんばって考えてたの見てたよ」
結果より“過程”をほめると、やる気が続きやすくなります。
客観的に見ても、
「できた経験」が増えるほど 学習意欲や自尊心が安定するという研究もあります。
苦手に合わせて宿題・勉強量は柔軟に調整
LDの子は
「量が多い」=「できない・つらい」
につながりやすい特徴があります。
だから無理に学校と同じ量をこなす必要はありません。
調整の例
- 漢字は10回書かずに3回でOK
- 計算は奇数問題だけ
- 長文読解は短い部分だけ取り組む
できないのは努力不足ではなく、負荷が大きすぎるだけのことも多いんです。
宿題の量を変えるだけでも、
「最後までやりきれる」「嫌にならない」が増えて、
学習そのものに前向きになりやすくなります。
スモールステップで「できた!」を積み重ねる



スモールステップって、小さすぎて“ほんとに進んでる?”ってならない?



LDの子には “ちょっと物足りないくらい”がちょうどいい の。
高すぎる段差だと『無理』になっちゃうもの。



ゲームのチュートリアルと同じだ!僕もいきなりラスボス出てきたら電源切っちゃうよ。
スモールステップとは、
ハードルを小さく分けて、一歩ずつ進む方法のこと。
LDの子は、1つの課題が大きいと
「無理…」
と感じやすいので、細かく分けるだけで理解が進みます。
例:計算プリントの場合
❌ 一気に10問
⭕ 3問ずつ × 休憩
⭕ 最初の2問は一緒に、残りだけ1人で
例:読書の場合
❌ 最初から1ページ全部読む
⭕ 最初の1行だけ一緒に読む
⭕ 次の1行だけ子どもが読む
このように、
「できる量」まで小さくするだけで成功体験がグッと増えます。
叱らずに済む“工夫の仕組み化”がポイント
家庭学習の悩みの1位は
「イライラして叱ってしまう…」
というママの声。
でも実は、叱らないためには
「叱らなくて済む仕組み」を作る方が近道なんです。
叱らなくて済む“仕組み”の例
- 10分だけやる(時間を短くする)
- わかる問題からスタート
- 苦手な部分は最初から一緒にやる
- 机の周りの刺激を減らす
- 終わったら好きなことをしてOKにする
叱る前に “環境とやり方” を整えると、
子どもは落ち着いて学べて、ママの気持ちもラクになります。
客観的に見ても、
支援は「声かけ」より仕組みの調整のほうが効果が大きいとされています。
強み・興味を学習に活かす「得意ベース学習」
LDの子は、苦手もありますが
得意なこと・好きなことはグッと伸びるタイプが多いです。
そして、得意を学習に活かすことで、
苦手のフォローにもつながります。
例えばこんな活かし方
- 車が好き → 「車の数」で計算
- 恐竜が好き → 恐竜の本で読書
- ゲームが好き → タイマーを使って自己管理
- ものづくりが好き → 工作で漢字や図形を理解
興味を使うと、「勉強しなきゃ」から「やってみたい!」へ変わることが多いんです。
得意ベース学習は“学習障害の子の特性に合う”理由
- 興味があると集中力が上がりやすい
- ストレスが減るので継続しやすい
- 自信がつく → 他の学習にも良い影響
専門家の間でも
「強みを軸にした学習」は効果が高いと知られています。
【困りごと別】よくある家庭学習の悩みとすぐ使える解決策まとめ
家庭学習の悩みって、どのご家庭でもありますよね。
特に学習障害(LD)のある子は、
「やり方が合っていないだけ」でつまずいてしまうことが多く、
ちょっとした工夫でびっくりするほどラクになることがあります。
ここでは、ママたちからよく聞かれる困りごとを
“原因”と“今日からできる解決策” に分けてわかりやすく紹介します。
「うちの子、これあるかも…!」と思ったところから気軽に試してくださいね。
宿題に時間がかかりすぎる→量の調整&優先順位づけ
宿題が1時間以上かかる…それ、よくあります。
でも実は、宿題そのものが重すぎるケースが多いんです。
LDのある子は、同じ問題でもエネルギー消費量が大きいので、
学校と同じ量をやろうとすると負担が大きくなりがち。
今日からできる解決策
① 宿題の量を“半分”に調整する
- 漢字は10回→3回
- 計算は奇数問題だけ
- 読解は最初の段落だけ
先生に相談すれば「量の調整(合理的配慮)」として受け入れられることが多いです。
② 優先順位をつける
全部やろうとすると子どももママも疲れちゃいます。
- “まずやるもの”
- “余裕があればやるもの”
に分けるだけで気持ちがラクになります。
③ わかる問題からスタートする
難しいところから始めると、子どもは気持ちが折れやすいです。
最初の1問は“絶対にできる問題”にすると
「できた!」から入れてスムーズに進みます。
読むのを嫌がる→読み上げ機能×短文読書が効果的
ディスレクシア(読みの困難)がある子は、
読むこと自体がしんどいので、「読みたくない!」となりがち。
でも、それは怠けではありません。
脳にとってすごく負荷が大きい作業だからなんです。
今日からできる解決策
① 読み上げ機能(音声読み上げアプリ)を使う
- 写真を撮ると文章を読んでくれる
- 教科書の音声を流せる
「読む」と「理解する」を分けられるので、気持ちが楽になります。
② 文章は“短文中心”にする
長い文章は苦手でも、短い文なら負担が減ります。
- 1〜2行の短い本
- ふりがな付き
- 漫画
「読めた!」が増える→読むことが嫌じゃなくなる、という好循環が起こります。
③ 読む量を減らすのも立派な支援
読みの宿題は“量の調整”がとても有効です。
短くするだけで、途中で投げ出さずに最後まで読める子が増えます。
漢字が覚えられない→書く前に“イメージ理解”
書字の苦手な子に「10回書きなさい」は、ほとんど逆効果です。
書いても書いても覚えられず、
「自分はできない…」という気持ちだけが増えてしまいます。
今日からできる解決策
① とめ・はね・形を“イメージで理解”させる
書く前に
- へんやつくりの意味
- どんな形に見える?
- どこがポイント?
を一緒に確認すると、漢字が頭に入りやすくなります。
② 書く量は減らす(3回で十分)
研究でも、
「たくさん書く=覚える」ではない
とされています。
少ない回数でも、意味で理解していればしっかり身につきます。
③ 書く以外の覚え方を取り入れる
- 漫画で覚える
- 漢字カード
- 立体で覚える
など、視覚や触覚を使う方法は効果が高いです。
計算ミスが多い→ブロックでの理解→筆算へステップ
算数障害(ディスカリキュリア)のある子は、
「数のイメージがつかみにくい」という特徴があります。
筆算を何度も練習しても、
数そのものがイメージできていないと、ミスが続きます。
今日からできる解決策
① ブロックやおはじきで“数を見える化”
- 繰り上がりのイメージ
- 引き算の“残り”
- 10のまとまり
これらをブロックでやると一瞬で理解が深まります。
② ブロックで理解 → 筆算へ進む
いきなり筆算はNG。
順番はこれが最強です。
- 実物で理解
- 絵で説明
- 筆算に変換
ステップを踏むことでミスが減りやすくなります。
③ 計算アプリを併用する
楽しく繰り返せて、つまずきや理解不足の部分がわかりやすくなります。
やる気が続かない→ごほうびより“達成感の演出”が効果大
LDのある子は、がんばっていても
「できた気がしない…」
という状態になりやすく、これがやる気の低下につながります。
ごほうびも悪くはありませんが、
本当に効果があるのは “達成感” を感じられる仕組みづくりです。
今日からできる解決策
① チェックリストで“できた!”を見える化
- 算数 ✔
- 国語 ✔
- 音読 ✔
チェックが増えるだけで自信がわきます。
② スモールステップで小さな成功を積む
- 1問だけ
- 1ページの半分だけ
など、“必ずできる量”から始めるのがポイント。
③ 子どもが主役になれる声かけ
- 「自分でここまでできたね!」
- 「さっきより早くできたね」
成果を自分で感じられるような声かけが、
長期的なモチベーションにつながります。
まとめ|学習障害の小学生は“家庭での工夫”で大きく伸びる
ここまで、読み書き・計算のつまずきから、家庭での支援方法まで、
いろいろお話してきました。
最後に一番伝えたいことは、
「学習障害のある子は、家庭でのちょっとした工夫で大きく伸びる」
ということです。
これは感情的な励ましではなく、
実際に多くの専門家や支援現場で言われている、客観的な事実なんです。
学習障害は努力不足ではない
まず、ママに強く知っておいてほしいことは
「学習障害は努力不足じゃない」
ということです。
LDは脳の特性によって起こるものなので、
がんばっていないわけでも、怠けているわけでもありません。
むしろLDのある子ほど、
同じ課題に対して、普通の子以上の努力をしていることが多い
と研究でも指摘されています。
だからこそ、
“できない”と感じたときに責める必要はありません。
家庭支援で自信と伸びしろが育つ
家庭での関わりを少し変えるだけで
お子さんの表情や行動が変わっていくことは珍しくありません。
- 10分だけの学習で「できた!」
- 読み上げアプリで文章が理解できた
- 量を減らしたら宿題が最後までできた
こうした小さな成功体験が積み重なると、
子どもは少しずつ「自分はできるんだ」と信じられるようになります。
そしてこの 自信こそが“伸びる力” です。
自信がつくと、学校でも前向きに挑戦できるようになり、
苦手の改善スピードも上がります。
その子に合った方法を選べば必ず前に進む
LDの子は“やり方”が合っていないだけでつまずいてしまうことが多いです。
でも逆に言えば、
その子に合ったやり方に出会えれば、どんどん前に進みます。
- 読みが苦手 → 読み上げアプリの併用
- 書くのが苦手 → 量を減らして入力中心に
- 計算が苦手 → ブロックで見える化
- 宿題がつらい → 10分区切りのタイマー
合う方法が見つかった子は、
学びへの抵抗が減り、取り組む力が自然と育っていきます。
無理なく続けることが何より最重要
支援で一番大切なのは、
「無理なく続けられること」 です。
負担が大きすぎる支援は、
ママも子どもも疲れてしまい長続きしません。
続けられるペースは家庭ごとに違ってOK。
- 今日できることだけ
- 5分だけ
- わかる問題だけ
- 気分がのらない日はお休み
そんなゆるい支援でも、
続ければ確実に子どもの力になります。
専門家の視点でも、
短期の“がんばり”より、
長期の“コツコツ継続”のほうが効果が高いといわれています。
必ず伸びる力を信じて、一歩ずついきましょう
苦手があっても、特性があっても、
お子さんには必ず伸びる力があります。
そして、ママが
「この子に合うやり方を探してあげよう」
と思っているだけで、すでに最強の支援者です。
どうか無理しすぎず、
できるところから少しずつ進んでいきましょう。
その積み重ねが、子どもの未来をやさしく押し上げていきます。
以上【学習障害 支援方法 小学生|家庭でできる“読み書き・計算”アプローチ完全ガイド】でした










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