学習障害(LD)とは?運動との関係を知る前の基礎知識
「学習障害と運動の関係」を知る前に、
まずは学習障害(LD)ってそもそも何?という部分を、やさしく整理しておきましょう。
専門用語を知らなくても大丈夫です。
ママ目線で「そういうことか」と思える理解を大切にしますね。
学習障害の特徴|知的発達に遅れがないのに学習が苦手な理由
読む・書く・計算することに困難が出る発達特性
学習障害(LD)は、
知的な遅れはないのに、特定の学習だけがとても難しく感じられる発達特性です。
たとえば、
- 文字を読むのにすごく時間がかかる
- 書き写しが極端に苦手
- 計算の手順が頭に入りにくい
といった困りごとが見られることがあります。
ここで大切なのは、
「全部が苦手」というわけではないという点です。
話すのは得意だったり、
絵や工作、想像力が豊かだったり、
得意なことをしっかり持っている子もたくさんいます。
努力不足や育て方の問題ではない
ママが一番つらくなりやすいのが、ここかもしれません。
- 「家での関わり方が悪かったのかな…」
- 「もっと厳しくしたほうがよかった?」
でも、はっきり言えるのは、
学習障害は努力不足や育て方の問題ではありません。
脳の情報の受け取り方や処理の仕方に、
その子なりの特性があるだけなんです。
どれだけ頑張っても、
「やりにくいものはやりにくい」
それが学習障害の本質でもあります。
学習障害の子を育てるママが感じやすい悩み
勉強も運動も苦手で将来が不安
学習障害のある子を育てていると、
- 勉強が苦手
- さらに運動も苦手そう
そんな姿を見て、
「この先、大丈夫なのかな…」と不安になるママは本当に多いです。
特に、
- 体育の時間を嫌がる
- 友だちとの遊びについていけない
こうした場面が重なると、
心配がどんどん膨らんでしまいますよね。
でも、ここで知っておいてほしいのは、
学習の苦手さと運動の苦手さは、単純な能力の問題ではないということ。
後の章で詳しく説明しますが、
「できない」のではなく
「やりにくい理由がある」ケースがとても多いんです。
周囲と比べてしまい、落ち込んでしまうケース
- 同じ年齢の子はできているのに
- 兄弟姉妹は普通にできるのに
そんなふうに比べてしまって、
ママ自身が落ち込んでしまうことも少なくありません。
これは、決してママが弱いからではありません。
それだけ、わが子のことを真剣に考えている証拠です。
ただ、発達は一直線ではなく、
子ども一人ひとり、伸びるタイミングも形も違います。
今は目立つ「苦手」も、
見方を変えたり、関わり方を工夫することで、
その子なりのペースで育っていくことは十分にあります。
学習障害と運動の関係|「運動が苦手」に見える本当の理由
「学習障害があると言われたけど、
運動まで苦手なのはどうして?」
そんな疑問を感じたことがあるママは、きっと少なくないと思います。
実は、学習障害のある子どもには、
運動が苦手そうに見える共通のつまずきがいくつかあります。
ただし、それは「運動神経が悪いから」ではありません。
ここがとても大事なポイントです。
学習障害のある子に多い運動のつまずき
ボール遊びが苦手
学習障害のある子の中には、
- ボールを投げるのが苦手
- ボールを受け取るタイミングが合わない
- どこに飛んでくるか予測しにくい
といった様子が見られることがあります。
これは、反射神経が悪いからではありません。
目で見た情報を体の動きにつなげるのが、少し難しいだけのことも多いんです。
動きがぎこちない・不器用に見える
走り方やジャンプの仕方が、
- なんだかぎこちない
- 力の入れ方が極端
- バランスを崩しやすい
そんなふうに見えることもあります。
周りからは「不器用な子」と思われがちですが、
実際は体の使い方がうまく整理できていないだけの場合も。
「できない」のではなく、
「どう動かせばいいのか分かりにくい」状態なんですね。
ルールのある運動が難しい
鬼ごっこやチームスポーツなど、
ルールがある運動が苦手な子も多いです。
- 説明を聞きながら体を動かす
- 状況に合わせて判断する
- 次に何をするか考える
これらを同時に行うのは、実はとても高度なこと。
学習障害のある子にとっては、
頭と体を同時に使うこと自体が大きな負担になることもあります。
運動能力の問題ではないケースが多い
筋力や体力の問題ではないことも
「体力がないから運動が苦手なんだ」
「筋力が弱いのかな?」
そう思ってしまいがちですが、
実際には筋力や体力は十分にある子も多いです。
長時間遊べたり、
好きなことには集中できたりする場合は、
体力そのものが原因ではない可能性が高いです。
脳の情報処理や身体の使い方の特性が影響している場合がある
運動が苦手に見える背景には、
- 見た情報を理解する
- 体の動きをイメージする
- 順番通りに動かす
こうした脳の情報処理の特性が関係していることがあります。
また、
- 力の加減がわかりにくい
- 自分の体の位置を感じ取りにくい
といった、身体の使い方の特性が影響している場合も。
つまり、
「運動能力が低い」のではなく、「体の使い方がその子なり」
という見方がとても大切なんです。
なぜ学習障害のある子は運動が苦手になりやすいの?
「どうして、こんなに運動が苦手なんだろう…」
そう感じたとき、
ママはつい「慣れの問題?」「練習不足?」と思ってしまいがちですよね。
でも実は、学習障害のある子が運動につまずきやすい背景には、
その子なりの“発達の特性”が関係していることが多いんです。
ここでは、よくある理由を3つの視点から見ていきましょう。
体の動きをイメージする力が育ちにくいことがある
見て真似するのが難しい
運動の多くは、
- お手本を見る
- その動きを頭の中でイメージする
- 自分の体を動かす
という流れで成り立っています。
学習障害のある子の中には、
「見た動きを、そのまま体で再現する」ことが難しい子もいます。
先生やお友だちの動きを見ていても、
「どう動けばいいのか」がピンとこないことがあるんですね。
これは、やる気がないわけでも、集中していないわけでもありません。
動作を順番に組み立てることが苦手
たとえば、
- 助走して
- ジャンプして
- 着地する
といった一連の動きを、
順番どおりに体で表現することが難しい場合もあります。
頭の中では分かっていても、
体がうまくついてこない。
その結果、
「動きがぎこちない」「不器用」と見られてしまうこともあります。
感覚の受け取り方(感覚統合)の個人差
力加減がわかりにくい
ボールを投げるときに、
- 強く投げすぎる
- 逆に弱すぎる
そんな様子が見られることはありませんか?
これは、力の入れ具合を感じ取る感覚が育ちにくいことが関係している場合があります。
「わざとやっている」わけではなく、
ちょうどいい加減が分かりにくいだけなんです。
自分の体の位置が把握しづらい
学習障害のある子の中には、
- 今、自分の体がどこにあるか
- 手や足がどの位置にあるか
を感じ取るのが苦手な子もいます。
そのため、
- 人や物にぶつかりやすい
- よく転んでしまう
といったことが起こりやすくなります。
ぶつかりやすい・転びやすい背景
周りから見ると、
「注意力がないのかな?」
「落ち着きがないのかな?」
と思われがちですが、
実際は感覚の受け取り方の特性が影響していることも多いです。
ここを知っているだけでも、
ママの見方はぐっと優しくなります。
集団運動・体育がつらくなりやすい理由
指示が多く混乱しやすい
体育や集団遊びでは、
- 説明を聞く
- ルールを理解する
- 周りの動きを見て合わせる
と、同時にたくさんのことを求められます。
学習障害のある子にとっては、
情報が一気に入ってくるだけでパンクしてしまうことも。
結果として、
「何をすればいいか分からない」
→ 動けない
→ 叱られる
という悪循環につながりやすくなります。
失敗体験が積み重なり、運動嫌いになることも
- うまくできない
- みんなの前で注意される
- 笑われた経験がある
こうした体験が重なると、
運動そのものが嫌いになってしまう子もいます。
これはとても自然な反応です。
「できないから嫌」ではなく、
「つらい記憶があるから避けたい」だけなんですね。
運動が苦手だと学習障害は悪化する?ママが知っておきたい事実
「運動も苦手だし、
このまま勉強ももっと大変になるんじゃ…」
そんな不安、きっと一度は頭をよぎりますよね。
でも、ここはとても大切なポイントなので、
事実とイメージを分けて考えていきましょう。
運動が苦手=学習障害が重くなるわけではない
直接的な因果関係はない
まず、はっきりお伝えしたいのは、
運動が苦手だからといって、学習障害が悪化するわけではありません。
- 運動ができない
- 体育が苦手
それだけで、
読み書きや計算の困難さが強くなる、という直接的な因果関係はありません。
「運動ができない=脳の発達が遅れている」
という考え方は、正確ではないんです。
ただし間接的な影響はある
ただし、少し注意したいのがここです。
運動の苦手さそのものが問題なのではなく、
その経験から生まれる“気持ちの部分”が影響することがあります。
- 失敗が続く
- 注意されることが多い
- できない自分を責めてしまう
こうした体験が重なると、
学習面にも影響が出てくるケースがあります。
自己肯定感の低下が学習意欲に影響することも
とこ君自己肯定感って、結局なに?



“自分はこれでいい”と思える気持ち



あ、それが減ると…しんどいね
「どうせできない」という気持ち
運動でうまくいかない経験が続くと、
子どもの中に、
「どうせ自分はできない」
という気持ちが生まれてしまうことがあります。
この気持ちがクセになると、
- 新しいことに挑戦しない
- 最初からあきらめる
といった行動につながりやすくなります。
勉強にも消極的になってしまうケース
「どうせできない」という思いは、
運動だけでなく、勉強にも影響することがあります。
- 問題を見る前からやる気が出ない
- 間違えるのが怖くて手が止まる
こうした様子が見られると、
ママとしてはとても心配になりますよね。
でも、これは能力の問題ではなく、
心が守りに入っている状態とも言えます。
ここで大切なのは、
「運動が苦手=ダメ」ではなく、
失敗体験をどう受け止めてもらえているか
安心して挑戦できる環境があるか
という視点です。
ママができる大切な関わり方|運動が苦手な子への視点
運動が苦手なわが子を見ていると、
「どうしてできないんだろう…」
「このままで大丈夫かな…」
そんな気持ちが出てきますよね。
でも、ママの見方がほんの少し変わるだけで、
子どもへの関わり方も、空気も、ぐっとやさしくなります。
「できない子」ではなく「やりにくい子」と捉える



言葉ひとつで、見え方って変わるね



見方が変わると、声かけも変わるの



これ、今日から使いたい…
苦手には必ず理由がある
運動が苦手な子を見ていると、
つい「できない」「向いていない」と思ってしまいがちです。
でも実は、
苦手なことには、必ずその子なりの理由があります。
- 体の動かし方が分かりにくい
- 情報が一度に入ると混乱しやすい
- 力加減をつかみにくい
こうした理由があるだけで、
「やる気がない」「頑張っていない」わけではありません。
できないのではなく、やりにくいだけ。
この視点は、とても大切です。
見方が変わると声かけも変わる
「どうしてできないの?」という声かけは、
子どもを追い詰めてしまうことがあります。
でも、
- 「ここまでできたね」
- 「さっきより少し上手になったね」
そんなふうに声をかけられると、
子どもの表情がふっとやわらぐことがあります。
ママの見方が変わると、自然と声かけも変わる。
それだけで、子どもは安心して挑戦しやすくなります。
他の子と比べない子育てが発達を支える
発達のスピードは人それぞれ
子育てをしていると、
どうしても周りの子が目に入ってしまいますよね。
- 同じ年齢の子
- 兄弟姉妹
- 園や学校のお友だち
でも、発達には一人ひとり違うスピードがあります。
早くできる子もいれば、
ゆっくり伸びる子もいる。
それは、良い・悪いではありません。
比較より「その子の成長」に目を向ける
昨日より、
- 少し長く立てた
- 一回多く挑戦できた
- 嫌がらずに参加できた
それだけでも、立派な成長です。
比べる相手は「他の子」ではなく、「昨日のわが子」。
この視点を持てると、
ママの気持ちも、少しずつラクになっていきます。
運動が苦手なことは、
その子の価値を下げるものではありません。
ママが理解して、味方でいること。
それが、子どもにとっていちばんの安心になります。
家庭でできる!学習障害のある子への運動サポート方法



家で療育って…構えちゃう



大丈夫。特別なことは何もしないよ



それ聞いて一気に安心した!
「何かしてあげたいけど、
専門的なことはできないし…」
そう感じているママも多いと思います。
でも大丈夫です。
家庭での運動サポートに、特別な道具や知識は必要ありません。
大切なのは、
「楽しい」「安心できる」関わり方を意識することです。
運動療育の第一歩は「楽しい遊び」から
トレーニングではなく遊び感覚で
運動が苦手な子にとって、
「練習しよう」「頑張ろう」という言葉は、
それだけでプレッシャーになることがあります。
だからこそおすすめなのが、
トレーニングではなく、遊びとして体を動かすこと。
- 一緒にゴロゴロ転がる
- 音楽に合わせて体を揺らす
- 追いかけっこを少しだけする
「楽しい」が先にあると、
子どもは自然と体を動かしやすくなります。
成功しやすいシンプルな動きがおすすめ
いきなり難しい動きに挑戦する必要はありません。
- 歩く
- 立つ
- 手を伸ばす
そんなシンプルな動きで十分です。
「できた!」という感覚を積み重ねることが、
次の一歩につながっていきます。
運動が苦手な子に効果的な声かけのポイント
結果より過程を認める
運動サポートでとても大切なのが、声かけです。
つい、
- 「ちゃんとできた?」
- 「もっと上手にやって」
と言いたくなりますが、
ここでは結果よりも、取り組んだ過程に目を向けてみてください。
- やってみようとした
- 途中まで頑張った
- 前より長くできた
それだけでも、十分すごいことです。
できた部分を具体的に伝える
「えらいね」「すごいね」も悪くありませんが、
できれば何がよかったのかを具体的に伝えてあげましょう。
- 「さっきより腕が伸びてたね」
- 「最後までやろうとしたね」
具体的な言葉は、
子どもにとって分かりやすく、
「またやってみよう」という気持ちにつながりやすいです。
無理に克服させないことも立派な支援
嫌がるときは休んでOK
「続けたほうがいいのかな…」
「やめたら成長しないかも…」
そんなふうに悩むこともありますよね。
でも、
嫌がっているときに無理をさせる必要はありません。
今日はやらない。
しばらくお休みする。
それも、ちゃんとした選択です。
子どもの気持ちを守ることが最優先
運動サポートで一番大切なのは、
子どもが「安心できる」こと。
- 怖くない
- 否定されない
- 失敗しても大丈夫
そう感じられる環境があるからこそ、
子どもは少しずつ挑戦できるようになります。
克服することより、気持ちを守ること。
これは、立派な支援です。
家庭での運動サポートは、
「何か特別なことをする」必要はありません。
ママがそばで見守り、
一緒に笑って、
「できたね」と認めてあげる。
それだけで、
子どもにとっては大きな力になります。
学習障害と運動を正しく知ることが子どもの安心につながる
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
学習障害と運動について、
「知らなかった」「そういう理由があったんだ」
と思う部分もあったかもしれません。
最後に、大切なポイントをやさしく振り返ってみましょう。
学習障害と運動の苦手さには理由がある
運動が苦手な姿を見ると、
つい「どうしてできないの?」と思ってしまいますよね。
でも、この記事でお伝えしてきたように、
学習障害のある子の運動の苦手さには、ちゃんと理由があります。
- 体の動かし方が分かりにくい
- 感覚の受け取り方に特性がある
- 情報が多いと混乱しやすい
これは、性格や努力の問題ではありません。
その子の脳や体の使い方の特性によるものなんです。
大切なのは「できるようにする」より「理解すること」
「できるようにさせなきゃ」
「苦手を克服しなきゃ」
そう思うほど、ママは頑張りすぎてしまいがちです。
でも本当に大切なのは、
無理にできるようにすることではなく、理解すること。
- なぜ苦手なのか
- どんなときにつらくなるのか
そこを知るだけで、
声かけや関わり方は自然とやさしくなります。
ママが安心して関われることが、子どもの発達を支える
子どもは、ママの気持ちをとても敏感に感じ取っています。
ママが不安そうだと、
子どもも不安になります。
でも、
「この子はこの子で大丈夫」
そう思える時間が増えると、
子どもも安心して過ごせるようになります。
完璧な支援なんて、必要ありません。
- 見守ること
- 認めること
- 無理をさせないこと
それだけで、
子どもの発達はちゃんと支えられています。
以上【学習障害と運動の関係とは?苦手な理由と家庭でできる発達サポート】でした










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