自閉症の子に多い「エコラリア」とは?意味と特徴を解説
自閉症の子どもに多く見られる特徴のひとつに 「エコラリア」 があります。
聞きなれない言葉かもしれませんが、実は日常の中で「なんとなく繰り返しているな」と感じた経験があるママも多いのではないでしょうか?
エコラリアとは、簡単にいうと 「聞いた言葉をオウム返しのようにくり返すこと」 です。
たとえば「おやつ食べる?」と聞くと、そのまま「おやつ食べる?」と返してしまう。あるいは、数時間後や数日後にテレビや絵本で聞いたフレーズを突然くり返すこともあります。
「ちゃんと意味があるのかな?」と心配になるママも多いですが、実はエコラリアは 子どもが言葉を学んでいく途中に出てくる自然なステップ でもあるんです。
エコラリアの意味と種類(即時性・遅延性)
エコラリアには大きく分けて 2つの種類 があります。
- 即時性エコラリア
その場ですぐに言葉をくり返すタイプです。
「ご飯にしようね」と言った瞬間、「ご飯にしようね」と返すようなケースですね。 - 遅延性エコラリア
時間がたってから思い出したように言葉をくり返すタイプです。
数時間前の会話や、昨日見たアニメのセリフを突然口にすることもあります。
即時性エコラリアは、その場のやり取りをどう返したらいいのかまだわからないときに出やすく、
遅延性エコラリアは、印象に残った言葉を「自分の中で再生している」ようなイメージです。
つまり、ただの「まねっこ」ではなく、子どもなりに言葉を整理し、理解しようとしている行動と考えられます。
自閉症の子にエコラリアが多い理由
自閉症の子にエコラリアが多いのには、いくつか理由があります。
- コミュニケーションのとっかかりとして使っている
自分の気持ちをうまく言葉にできないとき、とりあえず聞いた言葉を返すことでやり取りをしようとしている場合があります。 - 安心するための習慣
聞きなれたフレーズをくり返すことで、気持ちを落ち着けていることもあります。
たとえば、眠いときや不安なときに「もうすぐおやすみね」と口にするなど。 - 記憶力が強い子が多い
自閉症の子は好きなフレーズを記憶していて、それを自然に口にすることがあります。
好きなアニメのセリフや歌の歌詞が繰り返されるのはその典型です。
つまりエコラリアは 「困った癖」ではなく、その子にとっての大事なコミュニケーション手段 なんですね。
エコラリアは言葉の遅れ?発達との関係性
ママが気になるのは、やっぱり「エコラリアって言葉の遅れなの?」という点だと思います。
確かに、会話としてはまだスムーズではないので「遅れ」と感じるかもしれません。
でも、専門家の視点から見ると、エコラリアは 「言葉を覚えて使えるようになるためのプロセス」 とされています。
- 最初は「オウム返し」だけで意味はなさそうに見える
- そこから「場面に合ったフレーズ」を使うようになる
- やがて「自分の気持ちを言葉で伝える」段階に進んでいく
このように、エコラリアは 言葉の理解や会話力の成長の一歩目 と考えることができます。
ですから、「まだ会話にならないからダメ」ではなく、
「エコラリアがある=言葉を学ぶ土台が育ってきている」と捉えることが大切です。
エコラリアに悩むママの声|よくある誤解と不安
エコラリアは自閉症の子どもにとてもよく見られる特徴のひとつです。
でも、毎日の生活の中で繰り返しが多いと、どうしても 「これって大丈夫なの?」 と心配になりますよね。
実際、多くのママたちが 「エコラリアは困った行動なのでは?」 と悩んでいます。
ここでは、よくある誤解や不安を整理しながら、エコラリアを別の角度から見ていきましょう。
「意味がない言葉」と誤解してしまう理由
ママたちからよく聞くのが、
「ただ同じことを繰り返しているだけで意味がないんじゃないか?」 という心配です。
たしかに、質問に答える代わりにオウム返しされると、会話が成り立っていないように見えてしまいますよね。
でも、専門家の立場からするとこれは誤解です。
エコラリアは 「意味がない」わけではなく、子どもなりに理解を深めようとしている行動 なんです。
- 聞いた言葉をそのまま使って、やり取りに参加している
- 記憶に残ったフレーズを繰り返すことで安心している
- 自分の気持ちを伝える方法として、言葉を借りている
つまり、エコラリアには ちゃんとした役割がある ということです。
「直さなきゃ」と焦る気持ちとその危険性
もうひとつ多いのが、
「このままだと会話ができないかも…早く直さなきゃ!」 という焦りです。
ママとしては当然の気持ちですが、焦って矯正しようとすると逆効果になることもあります。
たとえば、
- 「違うでしょ!」と強く注意してしまう
- 無理に答えを言わせようとする
- エコラリアをやめさせることだけに集中してしまう
こうした対応は、子どもにとって 「安心して話せる場を奪ってしまう」危険性 があります。
むしろ、エコラリアをきっかけに 「こう答えればいいんだよ」と正しいモデルを見せること が大切です。
焦らず、子どものペースを尊重してあげることが、長い目で見たときの成長につながります。
兄弟や周囲と比べてしまうママの不安
「同じ年の子はもっとおしゃべりできてるのに…」
「下の子のほうが言葉が早い気がする…」
こんなふうに、兄弟や周囲の子と比べてしまうのはごく自然なことです。
でも、発達は一人ひとり大きく違います。特に自閉症の子どもは、得意なことと苦手なことの差がはっきりしていることが多いんです。
比べてしまうと、どうしても「うちの子は遅れてる」と感じやすくなりますが、
「比べる対象は他の子ではなく、昨日までのわが子」 と考えると気持ちがラクになります。
小さな成長に気づけると、ママの心も少しずつ安心していけるはずです。
実は会話の第一歩!エコラリアの大切な役割
ここがとても大事なポイントです。
エコラリアは「意味のない繰り返し」ではなく、会話の第一歩 なんです。
- 即時性エコラリア → 会話に参加するための“とりあえずの返事”
- 遅延性エコラリア → 言葉を覚えて整理しているサイン
このように、子どもは自分なりのやり方で「言葉をため込み」「少しずつ使えるように」しています。
専門家の間でも、エコラリアは 言葉を習得するうえで大事なプロセス とされています。
だからこそ、ママにできることは 「やめさせる」よりも「活かす」視点を持つこと。
「おやつ食べる?」とオウム返しされたら、
「そうだね、おやつ食べたいんだね」とやさしく返す。
そんなふうにやり取りを重ねることで、子どもの言葉は少しずつ広がっていきます。
自閉症の子のエコラリア対応で大切な考え方
エコラリアは「やめさせるべき問題」ではなく、子どもが言葉を学んでいく大切なプロセスです。
そのため、対応するときに大切なのは「どう関わるか」の考え方。ここを間違えると、せっかくの成長の芽をつぶしてしまうこともあります。
ここでは、ママが安心して子どもと向き合うために知っておきたい考え方を整理しました。
否定せずに受け止める姿勢
まず大切なのは、「否定しないこと」。
「また繰り返してる…」「黙って!」とつい言いたくなることもあるかもしれません。毎日続くと、ママだって疲れてしまいますよね。
でも、否定されると子どもは 「話してはいけないんだ」 と感じてしまいます。
それは言葉への意欲をなくすきっかけにもなってしまうんです。
エコラリアが出たときは、
- 「そうなんだね」
- 「〇〇って言いたいのかな?」
とやさしく受け止める姿勢を持つことが大切です。子どもが安心して声を出せる環境を守ってあげましょう。
言葉を「橋渡し」として活用する方法
エコラリアはただの「オウム返し」ではなく、会話の橋渡しとして使えるものです。
たとえば、子どもが「おやつ食べる?」と繰り返したら、
「そうだね。〇〇くんはおやつ食べたいんだね」
と返すことで、子どもの言葉に意味を持たせることができます。
また、子どもがアニメのセリフを口にしたときに、
「それ好きだよね!どのキャラが好き?」と広げるのも効果的です。
このように、エコラリアをきっかけにしてやり取りを広げると、「言葉がつながる楽しさ」を子どもに体験させてあげられます。
子どもの気持ちや背景を理解する視点
エコラリアが出るときは、子どもがただ遊んでいるわけではなく、「何か理由があって」言葉を繰り返しています。
- 不安な気持ちを落ち着けるため
- 楽しい気分を表現したいとき
- 相手とつながりたいけどうまく言葉が出ないとき
など、背景はさまざまです。
大切なのは、「どうして今この言葉を言ったのかな?」と考える視点を持つこと。
そうすると、ママもただの繰り返しに見える言葉の中から、子どもの感情や願いを見つけられるようになります。
効果を焦らず、長期的に見守る大切さ
エコラリアへの対応は、すぐに効果が見えるわけではありません。
「毎日声をかけているのに変わらない…」と感じることもあるでしょう。
でも、言葉の発達は じわじわと積み重なっていくものです。
昨日できなかったことが今日できるようになることもあれば、数か月後に突然伸びることもあります。
大切なのは、「焦らずに見守ること」。
短期間での変化を求めるのではなく、半年や1年といった長い目で成長を見ていきましょう。
その間にママができることは、
- 毎日のやり取りを続ける
- 小さな変化に気づいて喜ぶ
- 子どものペースを尊重する
これだけでも、子どもの発達にとって大きな支えになります。
家庭でできるエコラリア対応|効果的な声かけの工夫
エコラリアは「やめさせるもの」ではなく、子どもが言葉を覚えていく途中の大切なステップ。
そのため、ママの声かけひとつで「ただの繰り返し」が「意味のある会話」へとつながっていきます。
ここでは、家庭で今日から試せる声かけの工夫を紹介します。
正しい言葉のモデルをさりげなく示す
子どもがオウム返ししたときに、正しい言葉の形をさりげなく伝えるのがおすすめです。
例えば、ママが「ジュース飲む?」と聞いたら、子どもが「ジュース飲む?」と繰り返すことがありますよね。
そのときに「うん、ジュース飲むよ」や「はい、ジュースください」と自然な言い方をモデルとして見せるんです。
ポイントは、「違うでしょ!」と直すのではなく、やさしく言い換えて見せること。
子どもは繰り返す中で「こういう言い方もあるんだ」と少しずつ学んでいきます。
選択肢を与えて会話につなげる方法
質問に対してオウム返しになると会話が止まってしまいがちです。
そこで役立つのが、選択肢をつけて質問する方法。
例えば「おやつ食べる?」と聞く代わりに、
- 「おせんべい食べる?それともバナナ食べる?」
- 「赤いコップがいい?青いコップがいい?」
と聞くと、子どもは「どっちかを選んで答える」練習ができます。
これは「ただ繰り返す」から「自分で答える」へのステップアップにつながります。
感情に寄り添った言葉の返し方
エコラリアは、ただの言葉遊びではなく、感情を表す手段になっていることもあります。
たとえば、子どもがテレビで聞いた「もういやだ!」というセリフを繰り返すとき。
その裏には「自分もいやな気持ちを伝えたい」という思いが隠れているかもしれません。
そんなときは、
- 「そうか、いやだったんだね」
- 「〇〇が嫌だったんだね、教えてくれてありがとう」
と気持ちを代弁してあげるように返すと、子どもは「気持ちを言葉にすると伝わるんだ」と体験できます。
日常のルーティンに結びつけた声かけ
エコラリア対応は、特別な時間を作らなくても毎日の生活の中で自然にできるのがポイントです。
例えば:
- ご飯の前に「いただきます」
- お風呂のときに「きれいになったね」
- 寝る前に「おやすみなさい」
こうしたルーティンの言葉は、繰り返すことで定着しやすく、実際の生活に結びついた会話になっていきます。
「ただのまね」ではなく「場面に合った言葉」として習慣化されていくんですね。
絵カードやジェスチャーを組み合わせる
言葉だけで伝えようとすると、子どもにとってハードルが高いこともあります。
そんなときに役立つのが、絵カードやジェスチャーを組み合わせる方法です。
たとえば、飲み物のカードを見せながら「ジュース飲む?」と聞くと、子どもはカードを指さして答えられるかもしれません。
また、バイバイの手振りをしながら「バイバイ」と言うと、ジェスチャーと一緒に言葉も出やすくなります。
視覚や体の動きを使うことで、「言葉を引き出すきっかけ」がぐんと増えるんです。
【実践編】自閉症の子におすすめ!家庭でできる遊びアイデア10選
エコラリアの対応で大事なのは、「言葉をただ直す」ことではなく「言葉を楽しく広げていく」こと。
そのためにぴったりなのが「遊び」を取り入れることです。遊びなら子どももリラックスできるし、ママも自然に関われます。
ここでは、家庭で気軽に取り入れられるおすすめの遊びを10個ご紹介します。
① まねっこあそび|言葉のキャッチボールを楽しむ
ママが「ワンワン!」と言ったら、子どもが「ワンワン!」と返す。
このシンプルなやり取りだけでも、会話のキャッチボールを楽しむ練習になります。
最初は動物の鳴き声や簡単な擬音(トントン・ゴクゴクなど)から始めると入りやすいですよ。
② 絵カードゲーム|「これなあに?」で表現力アップ
動物や食べ物の絵カードを使って、「これなあに?」と質問する遊びです。
答えられないときは、ママが「これはバナナだよ」とモデルを見せてあげましょう。
視覚的にわかりやすいカードを使うと、言葉の理解と表現がぐんと伸びやすくなります。
③ 歌あそび|くり返し歌えるフレーズで発話を促す
「きらきらぼし」や「アイアイ」など、繰り返しの多い歌はエコラリアの子にぴったり。
リズムにのせると声も出やすくなります。
手拍子や振り付けをつけて歌うと、さらに楽しく発語につながりますよ。
④ ごっこあそび|お店屋さんごっこで自然なやりとり
「いらっしゃいませ」「これください」といったやり取りを遊びに取り入れると、生活に近い言葉が自然に身につきます。
100均のおもちゃやお菓子の空き箱を使えば、すぐに「お店屋さんごっこ」ができます。
⑤ 絵本の読み聞かせエコー|フレーズを一緒に繰り返す
お気に入りの絵本のフレーズを、一緒に声に出して繰り返す遊びです。
「おおきなかぶ」「だるまさんが」など、同じ言葉が何度も出てくる絵本が特におすすめ。
繰り返すことで、子どもが「この場面ではこの言葉」と覚えやすくなります。
⑥ 質問あそび|Yes/Noで答えやすいシンプルな問いかけ
「ジュース飲む?」→「うん」
「外に行く?」→「ううん」
このように、答えがYes/Noでシンプルに返せる質問から始めましょう。
成功体験を積むことで、自分から答える力が育っていきます。
⑦ リズムことば遊び|手拍子や太鼓で楽しく発語を促す
言葉にリズムをつけて遊ぶのも効果的です。
「パン・パン・パンケーキ!」と手をたたきながら言うと、声が出やすく、覚えやすいんです。
太鼓やカスタネットなど、簡単な楽器を使うとさらに盛り上がります。
⑧ 生活シーン声かけゲーム|「いただきます」「おやすみ」
日常のルーティンに出てくる言葉をゲーム感覚で取り入れるのもおすすめです。
「ご飯のときはなんて言うんだっけ?」
「お布団に入るときは?」
こうした声かけで、生活に根づいた言葉が自然に身についていきます。
⑨ スキンシップ遊び|触れ合いとことばを結びつける
「ぎゅー!」と抱きしめながら言葉を添えると、子どもは感覚とことばを一緒に覚えることができます。
くすぐりながら「こちょこちょ!」と言うのもおすすめです。
スキンシップとセットになると、言葉が楽しい体験として残ります。
⑩ 写真アルバムあそび|好きなものを見ながら言葉を引き出す
家族やお気に入りの物の写真を見ながら「これだれ?」「どこで遊んだ?」と会話する遊びです。
子どもの興味に直結している写真は、言葉を引き出す強力なきっかけになります。
自閉症の子のエコラリア対応でやってはいけないNG行動
エコラリアは、子どもにとって大切な「言葉の学びのステップ」。
でも、関わり方を間違えてしまうと、せっかくの成長の芽をつぶしてしまうことがあります。
ここでは、ついやってしまいがちなNG対応を整理しました。知っておくだけで、日々の関わり方がグッと楽になりますよ。
「黙って!」など否定的な声かけ
子どもが何度も同じ言葉を繰り返すと、ママも「うるさい!」「黙って!」と言いたくなる瞬間がありますよね。
でも、否定的な言葉は子どもの「話したい気持ち」をしぼませてしまうんです。
子どもにとっては、「ただ繰り返している」のではなく、安心したい・伝えたい・楽しみたいなどの理由があります。
否定せず、「そうなんだね」「言ってくれてありがとう」と受け止めるだけで、子どもは安心して言葉を使い続けられます。
矯正しようと無理に直すこと
「違うでしょ、こう言いなさい!」と強く直そうとするのもNGです。
一見、正しい言葉を教えているように見えますが、強制は子どもの自信を奪う原因になってしまいます。
子どもは繰り返す中で少しずつ正しい言葉を学んでいきます。
だから、無理に直すのではなく、ママが正しいモデルをやさしく見せることが効果的なんです。
無視してしまう対応
「どうせ意味がないから…」と無視してしまうのも避けたい対応です。
子どもにとっては、エコラリアも立派なコミュニケーション。
それを無視されると、「話しても通じない」「言っても無駄だ」 と感じてしまいます。
短い言葉でも「うん」「そうだね」と返すだけで、子どもは「伝わった!」という達成感を味わえます。
すぐに結果を求める焦り
「毎日声をかけてるのに変わらない…」と焦ってしまうのもよくあることです。
でも、言葉の発達は時間がかかるもの。すぐに結果を求めると、ママのストレスもたまりやすくなります。
大事なのは、小さな変化を積み重ねていく視点。
- 前より笑顔で返してくれるようになった
- 少し違う言葉を混ぜてくれるようになった
- ジェスチャーと一緒に言ってくれた
こうした小さな成長を見つけることが、長く支援を続けるコツです。
家庭だけじゃない!発達支援につなげる方法
エコラリアへの対応は、家庭だけで抱え込む必要はありません。
実は、専門の支援や環境との連携を取り入れることで、子どもの「ことばの力」をもっと引き出すことができます。
ここでは、療育や保育園・学校との連携、そして専門家に相談するタイミングについて紹介します。
療育でのアプローチ(言語療法・SSTなど)
療育の場では、言語療法(ST:スピーチセラピー) や SST(ソーシャルスキルトレーニング) といった専門的な支援が受けられます。
- 言語療法では、ことばの理解や発声を一歩ずつサポートしてくれます。
例えば、エコラリアを「ただの繰り返し」ではなく「会話につなげる橋渡し」として活用する練習ができます。 - SSTは、会話のやりとりや友達との関わり方をロールプレイで学ぶプログラム。
家では難しい「場面設定」での練習ができるので、実生活に生かしやすいのが特徴です。
専門の先生の視点が入ることで、ママが気づかなかった子どもの強みや課題が見えるようになるのも大きなメリットです。
保育園・学校との連携の工夫
家庭と療育だけでなく、毎日過ごす園や学校との連携もとても大切です。
- 「家ではこういう声かけをしています」と伝える
- 子どもが安心できるフレーズややり方を共有する
- 苦手な場面を事前に先生に伝えておく
こうした工夫で、家庭と園・学校で一貫した対応ができるようになります。
結果として、子どもが安心して同じようにことばを使える場面が広がりやすくなるんです。
専門家に相談すべきタイミング
「もう少し待ったほうがいいのかな?」と迷うこと、ありますよね。
でも、少しでも「気になる」と感じたときが相談のサインです。
例えば、
- エコラリアが強くて会話がなかなか広がらない
- ことば以外のコミュニケーション(ジェスチャーや視線)が少ない
- 困っているのに気持ちを伝えられず癇癪になることが多い
こうした場合は、早めに専門家へ相談するのがおすすめです。
相談先は、発達支援センター、児童発達支援事業所、小児科など。
「早すぎる相談」というものはなく、むしろ早く動くほど安心につながります。
ママ自身の心を守るためのセルフケア
子どものことを一番に考えていると、つい自分のことは後回しになりがちですよね。
でも、ママの心が元気であることが、子どもの安心にもつながるんです。
ここでは、無理せずできるセルフケアのヒントを紹介します。
「一人で抱え込まない」ための工夫
育児の悩みは「私だけがこんなに大変なのかな?」と感じやすいもの。
でも、実際には同じように悩んでいるママがたくさんいます。
大切なのは、一人で全部抱え込まないこと。
- パパや家族に「ちょっとだけ見ててね」とお願いする
- 信頼できる友達に気持ちを話す
- 行政の子育て相談窓口を利用する
小さな一歩でいいので、気持ちを外に出す工夫をしてみてください。
「話すだけでラクになる」こともたくさんあります。
支援グループやSNSで共感を得る方法
最近は、発達障害児のママ向けの支援グループやSNSコミュニティも増えています。
同じ経験をしている人の声を聞くだけで、「私だけじゃないんだ」と安心できますよね。
- オンラインのママ会に参加してみる
- インスタやX(旧Twitter)で発達育児アカウントをフォローする
- 支援センターで開催されている交流会に顔を出してみる
もちろん、SNSは「比べて落ち込む原因」になることもあるので、無理のない範囲で活用するのがポイントです。
大切なのは、「安心できる場所」を一つでも持つことです。
小さな成長を見つけて肯定的に関わる習慣
毎日一緒にいると、大きな変化よりも「できていないこと」が目につきやすいですよね。
でも、子どもは本当に少しずつ成長しています。
- 昨日より目が合った時間が長かった
- 今日は「うん」と返事をしてくれた
- いつものフレーズに、新しい言葉が混じった
こんな小さな一歩を見つけて、「すごいね」「できたね」と肯定的に声をかける習慣を持ちましょう。
ママが笑顔で関わることで、子どもも「ことばを使うのって楽しい!」と感じやすくなります。
そして何より、ママ自身が子どもの成長を一緒に楽しめる気持ちを持つことが、セルフケアにもつながります。
まとめ|自閉症の子のエコラリアは成長への大切なステップ
エコラリアは「ただ意味のない言葉を繰り返している」ように見えて、実は子どもがことばを学ぶ大切なステップなんです。
オウム返しのように聞こえても、その中には「安心したい」「伝えたい」「関わりたい」という気持ちが隠れています。
だからこそ、否定せずに受け止めることが一番のポイント。
家庭の中でできるやさしい声かけや、ことばを楽しめる遊びを取り入れるだけで、エコラリアは「困った行動」から「成長のきっかけ」へと変わります。
また、ママが安心して取り組める工夫もとても大切です。
- 一人で抱え込まずに、周りに頼る
- 共感できる仲間を見つける
- 小さな成長を一緒に喜ぶ
こうした日々の積み重ねが、子どもの未来をやさしく支える力になります。
エコラリアはゴールではなく、ことばの世界へ進む途中の道しるべ。
ママが焦らず、肯定的に寄り添うことで、子どもは安心して次のステップへ進んでいきます。
つまり、エコラリアは発達の一部であり、否定する必要はありません。
家庭での関わりが、子どもの「ことばの芽」を大きく育てていくことになっていくんですね。
以上【自閉症の子に多いエコラリア対応|家庭でできる声かけ&遊び10選】でした
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