Q.うちの子どもは、何故かエレベーターへのこだわりが強く、店内でエレベータを見つけると私の手を振りほどいて勢いよく走って行ってしまいます。家族でお出かけするとき毎回そうなってしまうのですが、エレベーターへのこだわりを少なくする良い方法はありますか?
A.エレベーターへのこだわりは、一昼夜でどうにかなるということはありません。しかし、多少の時間はかかりますが、少しずつ軽減させていく方法はあります。どうしてエレベーターこだわるのか?どのように関わればこだわりを軽減することができるのか?ということについて解説しますので、最後までお読みください。
発達障害児とエレベーターへのこだわり – なぜそんなに魅力的?
発達障害児の特性を理解しよう
発達障害児は、感覚処理や情報の受け取り方が一般的な子どもと異なります。この違いは、特定の対象や活動に対する強い興味や執着となって現れることがあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)では、特にこの傾向が顕著で、予測可能な行動や安心感を得られる活動に固執することが多いです。
親がまず行うべきは、こうした子どもの特性を深く理解し、彼らがなぜその行動に固執するのかを冷静に受け止めることです。
これにより、親子の信頼関係が強化され、子どもにとってより安心できる環境が整います。
エレベーターが発達障害児にとって魅力的な理由とは?
エレベーターは、発達障害児にとって多くの魅力を持つ存在です。上下に動く動作はリズミカルで予測可能であり、これが子どもに安心感を与えます。
また、ボタンを押すとエレベーターが動くという「原因と結果」の関係を直接体験できることが、自己効力感を高めます。さらに、エレベーター内の音や振動、光の変化も、感覚的な刺激として非常に魅力的です。
こうした要素が組み合わさり、エレベーターは発達障害児にとって特別な存在となります。親がこの魅力を理解することで、子どもの行動に対してより寛容で共感的な対応が可能になります。
子どもの行動を受け止めるために親が持つべき心構え
子どものエレベーターへのこだわりに対して、親は時に戸惑いや不安を感じるかもしれません。
しかし、まずはその背景にある理由を理解し、行動を受け入れることが大切です。発達障害児にとって、このようなこだわりは安心感を得るための手段であり、親がそれを無理にやめさせることは、子どもに不安を与えることにつながりかねません。
親が子どもの視点に立ち、その行動を受け止める姿勢を持つことで、子どもは安心し、自己表現の自由を感じられるようになります。このプロセスが、親子間の信頼を深め、長期的に見て子どもの成長を支える基盤となるでしょう。
エレベーター愛を尊重しながら、上手に付き合う方法
まずは観察から!子どもの行動を理解するためのステップ
エレベーターへのこだわりを理解するためには、まず子どもの行動を注意深く観察することが必要です。
どのような状況やタイミングでエレベーターを利用したがるのか、その背景には何があるのかを見極めることで、適切な対応策を見つけることができます。
たとえば、特定の時間帯や場所でエレベーターへの執着が強まる場合、その要因を理解し、子どものニーズに応じた対応が可能になります。観察を通じて得た情報を基に、子どもにとって無理のない形でのルール設定や対応策を考えていくことが大切です。
エレベーター利用にルールを設けて、親子で楽しむコツ
子どものエレベーター愛を尊重しつつ、日常生活に支障が出ないようにするためには、ルールを設けることが重要です。
例えば、「1日1回まで」「特定の時間帯だけ」といった具体的なルールを設定し、子どもがそのルールに従えるようにサポートします。この際、視覚的に理解しやすいカレンダーやタイマーを活用することで、子どもにとってルールがより明確になります。
また、ルールを守れた際には積極的に褒めることで、子どもに自信を持たせ、ポジティブな行動を強化することができます。
このように、ルールを守りながらエレベーターを楽しむことで、子どもは安心感を持ちつつ、新たな生活習慣に適応していくことができます。
エレベーター以外に夢中にさせる、他の興味を引き出す工夫
エレベーターに対する執着を少しずつ他の活動に広げるためには、新しい遊びや活動を提案することが効果的です。
例えば、電車や自動ドアなど、動きのあるものに興味を持たせることで、子どもの関心を広げることができます。これにより、エレベーター以外にも楽しいことがあると子どもが感じられるようになり、自然と執着が和らぐことが期待できます。
また、親が新しい活動を一緒に楽しむことで、子どもが挑戦しやすくなるというメリットもあります。子どもが新しい興味を持つようになると、エレベーターへのこだわりが次第に薄れていき、日常生活がより豊かになります。
ストレスを減らす親子のコミュニケーション術
エレベーターに対する執着に向き合う際、親子間のコミュニケーションは非常に重要です。否定的な言葉ではなく、ポジティブな表現を心がけることで、子どもは安心感を得やすくなります。
例えば、「エレベーターに乗った後は、次に何をしたいかな?」といった具体的な質問を通じて、子どもの思考を引き出しつつ、次の行動を促すことができます。
こうしたコミュニケーションを通じて、子どもは自分の気持ちを表現する機会を得られ、親との信頼関係がさらに深まります。
また、親が子どもの感情に寄り添いながら対話を重ねることで、子どもは自分が大切にされていると感じ、心の安定を保つことができるようになります。
日常の中で使える具体的なアイデア集
迷わず選べる!お子さんが自ら選ぶ行動の選択肢を提供しよう
お出かけ前に、エレベーターを見終わった後に何をするか、いくつかの選択肢をお子さんに提示します。
例えば、「買い物に行くか、おやつを食べるか、どっちにする?」と提案し、どうするかをお子さんに決めてもらうことで、次の行動への移行がスムーズになります。
不安を軽減!行動前の「予告」で安心感を与える方法
「エレベーターを見に行くのは1回、3分だけね。エレベーターを見た後は〇〇に行くよ」と、お子さんが決めた場所を具体的に伝えます。
事前にその日のルールを伝えることで、スムーズに行動しやすくなります。
視覚サポートで安心感を!視覚支援がもたらす驚きの効果とは?
「エレベーターを見る → ○○に行く → 帰る」という一連の流れを写真で示し、次に何が起こるかを理解しやすくします。
視覚的な支援は、自閉症スペクトラムのお子さんが、日々の活動をスムーズに進めるのに役立ちます。
時間管理でスムーズ移行!タイムリミット設定でメリハリある育児を実現
スマホのタイマーやアラームを使って、事前に決めたエレベーターを見る時間が終わることをカウントダウン方式で知らせます。
「あと1分で終わりだよ」「あと30秒で終わりだよ」「あと10秒だよ。10,9,8,7・・・3,2,1,0」と声掛けをしながら、少しずつ終了への意識を向けさせます。
自信を育てる秘訣!盛大に褒めて、お子さんのやる気を引き出そう
「3.2.1.0 はい、3分たったね。おしま~い。じゃあ、○○行くよ!」と伝え、エレベーターを見ることをやめられたときは、「そんなに喜んでくれるんだ!」とお子さんがビックリするくらい盛大に褒めてあげます。
お子さんは、もっと褒めて貰いたい、もっと喜んで貰いたいと思い、その行動を繰り返したくなりますので、少しずつエレベーターからスムーズに離れられるようになっていきます。
役立つリソースと専門家のサポートを活用しよう
専門家のアドバイスを受ける!タイミングと方法とは?
子どもの行動が家庭内だけで対応しきれない場合、発達障害の専門家に相談することが効果的です。早めに専門家に相談することで、適切なサポートを受けることができ、子どもにとってもより良い環境を整えることができます。
たとえば、エレベーターへのこだわりがどのように子どもの発達に影響を与えているかを客観的に評価し、適切な対策を講じることができます。
また、専門家に相談するタイミングについても、子どもの行動に変化が見られたときや、親自身が対応に困難を感じたときが適切です。
相談の方法としては、地域の発達障害支援センターやオンラインでの相談窓口を活用することができます。
もちろん、キッズとこらくをご利用いただいている保護者さまについては、何かありましたら送迎時やLINEでいつでもご連絡ください。誠意を持って対応させていただきます。
他の保護者とつながろう!コミュニティ参加で得られるメリット
同じ悩みを持つ保護者とのつながりは、非常に心強いものです。
コミュニティに参加することで、経験談やアドバイスを共有し、互いに励まし合うことができます。地域のサポートグループやオンラインフォーラムを活用することで、自分だけでは解決できない問題に対して新たな視点を得ることができます。
また、他の保護者と情報交換をすることで、共通の課題に対する実践的な対策を見つけることができるかもしれません。コミュニティに参加することで、親自身が感じる孤立感を和らげ、前向きなエネルギーで子育てに取り組むことができるでしょう。
さらに、他の保護者との交流を通じて、社会的なサポートネットワークが広がり、子育ての負担が軽減されるというメリットもあります。
まとめ – エレベーター愛を受け入れることで家族の絆を深める
子どもの個性を受け入れることが家族の成長につながる
子どもの個性を尊重し、受け入れることが、家族全体の成長にとって重要な意味を持ちます。
発達障害児がエレベーターに対して特別なこだわりを持つことは、親にとって理解しづらいことかもしれませんが、その背景にある心理的なニーズを理解しようとする姿勢が大切です。
家族全員が子どもの特性を理解し、受け入れることで、家庭内における安心感が増し、子どもが自分の個性を肯定的に捉えることができるようになります。
また、親が子どもの個性を尊重することで、家族全体がより強固な絆を築くことができ、長期的に見て家族の成長に繋がります。
家族全員で子どもの成長を見守り、支えることで、家族としての一体感が高まり、子どもが自己肯定感を持って成長する土台が築かれます。
日々のコミュニケーションで築く信頼関係の大切さ
子どもとの信頼関係を築くためには、日々のコミュニケーションが欠かせません。
親が子どもの感情や行動に対して一貫した対応を取ることで、子どもは親を信頼し、安心して自分を表現できるようになります。
また、日常的な対話を通じて、親子間の信頼関係を深めることで、子どもが困難な状況に直面した際にも、親に頼ることができるようになります。
信頼関係を築くためには、親が子どもの気持ちに寄り添い、共感する姿勢を持つことが重要です。親が子どもの小さな成長や変化に気づき、適切なフィードバックを与えることで、子どもは自分の行動に自信を持ち、ポジティブな自己イメージを育むことができます。
これにより、親子間の絆が深まり、子どもの社会的スキルの発達にも良い影響を与えるでしょう。
このように、発達障害児のエレベーター愛を理解し、受け入れることで、家族全体がより強固な絆を築き、子どもの成長を支えることができます。
この記事を通じて、お子さんとの接し方や対応方法を見直し、より効果的な育児方法を取り入れるためのヒントを得られることを願っています。
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