「うまく話せない…」を遊びで変える!発達が気になる子に“ぴったり”なゲーム支援とは?
「会話が続かない…」そんな悩みをゲームで解決しませんか?
「うちの子、話しかけても返事が返ってこない…」
「友だちと遊んでいても、うまく会話が続かない…」
そんな悩みをお持ちの方、少なくないと思います。特に発達が気になるお子さんの場合、「話す・聞く」といったコミュニケーションのやりとりが、思った以上にハードルになっていることもあります。
でも実は、それって本人のやる気がないからとか、親の関わり方が悪いからじゃないんです。背景には、発達特性(自閉スペクトラム症・ADHDなど)による“脳の感じ方の違い”がある場合も多く、ちょっとした関わり方や環境の工夫で、大きな変化が見られることもあります。
そんなときにおすすめしたいのが、「ゲーム」というアプローチです。
遊びながら、楽しみながら、自然とコミュニケーション力が育っていく――これって、けっこうすごいことですよね。
なぜゲームが効果的? 専門家や支援者にも注目されている理由
支援の現場でも、実は「遊び」は重要な療育手段のひとつとして位置づけられています。
心理士さんや発達支援の先生たちも、「会話の練習をしてください」ではなく、「この遊び、やってみてください」とゲームを通じた支援を勧めることが増えてきました。
なぜかというと、遊びには“自然な対話の流れ”が組み込まれているからなんです。
例えば、「順番を待つ」「ルールを守る」「相手の表情を見る」など、ふだんの会話では難しい要素も、ゲームという“ルールのある楽しい世界”の中なら、無理なく経験できます。
しかも、遊びのなかでは「間違えてもOK」「笑ってごまかせる」空気があるので、子どもにとっても安心してチャレンジしやすいんです。
本記事の活用法:年齢・特性別におすすめゲームを紹介!
本記事では、「発達が気になる子どもたちのコミュニケーション力を伸ばす」という視点で、10種類のゲームを厳選してご紹介します。
✔ 言葉がうまく出ない子
✔ 友だちとのやりとりが苦手な子
✔ ルールを守るのが難しい子
そんなお子さんでも楽しく取り組めるゲームを、年齢や特性のタイプごとにわかりやすく紹介しています。
さらに、単にゲームを紹介するだけでなく、
- どんな力が育つのか
- どんな遊び方をすると効果的か
- 実際に使った支援者・保護者の声
といった、実践的でリアルな情報もたっぷり盛り込んでいます。
「コミュニケーションが苦手=支援が必要な子」というレッテルではなく、
「その子のペースで楽しめる方法を見つける」という気持ちで、読み進めてもらえるとうれしいです。
発達が気になる子どもが「会話でつまずく」5つの理由
なぜ話すのが苦手なの?よくある困りごと例
「うちの子、ちゃんと話せるのに、会話が続かないんです」
「話しかけても無視されてるように感じてしまって…」
こんなふうに感じたこと、ありませんか?
実は、発達が気になる子どもたちは、「話すこと」そのものではなく、「会話のやりとり」に苦手さを感じているケースが多いんです。
ここで、よくある“つまずきポイント”を5つご紹介します:
- 反応が遅い or 返事がない
→ 頭の中で処理に時間がかかっていることがあります。決して無視しているわけではありません。 - 一方的に話す(会話がキャッチボールにならない)
→ 興味のあることには集中するけれど、相手の反応には気づきにくい傾向がある場合も。 - 目を合わせて話せない
→ 視線がプレッシャーになる子も多く、「目を見て話して」には注意が必要です。 - 相手の気持ちを汲むのが苦手
→ 表情・声のトーン・間など、言葉以外の“サイン”をキャッチするのが難しい子も。 - 言葉に詰まる・うまく表現できない
→ 「伝えたい気持ち」はあっても、言語化が追いつかないことがよくあります。
これらの困りごとは、子どもの性格のせいではなく、脳の発達のプロセスによるものかもしれません。大切なのは、「なぜうまくいかないのか?」を大人が理解してあげることなんです。
発達特性別で違う!つまずきポイントを知ろう
発達が気になる子どもといっても、その特性は十人十色。例えば、次のようなタイプごとの違いがあります:
自閉スペクトラム症(ASD)の傾向がある子の場合
- 社会的なサイン(表情や空気)を読み取るのが苦手
- 興味のある話には夢中になるけど、話題を変えるのが難しい
- 「会話=情報交換」だと思っていて、雑談がよくわからないことも
注意欠如・多動症(ADHD)の傾向がある子の場合
- 話している途中で注意がそれてしまう
- 相手の話を最後まで聞かずに話し出してしまう
- ルールや順番を守るのが難しく、集団での会話に不安を感じる
学習障害(LD)の傾向がある子の場合
- 語彙が少なく、思っていることを言葉にするのが苦手
- 言い間違いを気にして、話すことに自信を持てない
- 読み書きには困らないけれど、会話になると固まってしまうことも
こうした特性を踏まえずに「もっと話しなさい」「ちゃんと聞いて」などと指導すると、子どもはますます自信をなくしてしまうことも…。
だからこそ、「うまくいかない理由」がどこにあるのかを見極めることが、関わる大人にとっても大事なポイントになります。
「ゲーム=支援ツール」って本当?遊びが育む力とは
「ゲームでコミュニケーションが育つなんて本当?」と感じる方もいるかもしれません。でも実際に、療育の現場や特別支援教育の中でも“遊び”はコミュニケーション支援の重要な手段として使われています。
その理由は、こんなところにあります:
- 遊びには“目的とルール”があり、会話の流れが自然に生まれる
→ 会話のきっかけが用意されているので、「何を話したらいいかわからない…」という子にも安心。 - 失敗しても怒られない!楽しさ優先の場でトライできる
→ 「間違えたら恥ずかしい」というプレッシャーがなく、挑戦しやすい。 - 感情のコントロールや相手とのやりとりを“体験”として学べる
→ 机上の学習では得られない“感覚的な理解”が育つ。
さらに、ゲームには「やりたい!」と思えるモチベーションが自然と備わっているので、子ども自身が“楽しみながら力をつけていける”というのが最大のメリットです。
つまり、コミュニケーションが苦手な子どもに対して「がんばって会話しようね」と教えるよりも、「この遊び、一緒にやってみようよ!」というアプローチの方が、断然効果的だったりします。
ゲームで自然に身につく!5つのコミュニケーション力
「うちの子、会話になると固まっちゃう…」
「言いたいことはあるのに、うまく伝えられないみたい」
そんなお悩み、ありませんか?
でも実は、無理に「話す練習をしよう」とするよりも、遊びの中で“自然に”コミュニケーションの土台を育てていくほうが、ずっと効果的なんです。
ここでは、ゲーム遊びを通して育てることができる5つのコミュニケーション力についてご紹介します。
① 共感する力|相手の気持ちを考えられる子に
まずは「共感力」。
これは、相手の気持ちを想像したり、感じ取ったりする力です。
発達が気になる子どもたちの中には、「どうして相手が怒っているのか分からない」「悲しい話を聞いても反応できない」といった子もいます。でもこれは冷たいわけではなく、感情を読み取るスキルが育ちづらい特性によるものだったりします。
そんな子にぴったりなのが、感情をテーマにしたゲームや、ごっこ遊び。たとえば「この声の言い方、どんな気持ち?」「お医者さんになって、困っている人に優しくしよう」など、遊びの中で“気持ちを想像する体験”を積み重ねていくことで、少しずつ共感力が育っていきます。
「言葉で教える」のではなく「一緒に感じる」ことがポイントです。
② やりとりの力|会話のキャッチボールが楽しくなる
次に、「やりとりの力」。これは、話す → 聞く → 返すという、会話のリズムをつくる力です。
よくあるのが、子どもが自分の話だけ延々としてしまったり、逆に何を言っていいか分からずに黙ってしまったりするケース。これは“会話はキャッチボール”という感覚が、まだ育っていないからかもしれません。
そんなときに役立つのが、カードゲームや質問ゲームなどの「順番にやりとりするルールがある遊び」。
たとえば、「好きな食べ物は?」「なぜそれが好きなの?」といったやり取りを含むゲームでは、自然と“会話の流れ”を体験できます。
また、ジェスチャーゲームやしりとりなどのテンポ感のある遊びも、双方向のやりとりを練習するのにぴったりです。
③ 順番を待つ力|ルールある遊びで育つ“我慢”と“理解”
3つ目は「順番を待つ力」。これ、簡単そうに見えて、実は多くの子がつまずきやすいスキルです。
特に多動性や衝動性のある子は、「今やりたい!」「自分の番が待てない!」という気持ちが強く、“待つこと”そのものが大きなストレスになります。
でも、ゲームの中で「順番が来るのを楽しみに待つ」経験を重ねることで、少しずつ“我慢する力”や“他者との調和”が育っていきます。
おすすめなのは、すごろくやボードゲーム、トランプ系の遊び。
順番が決まっていて、進行のルールが明確なものだと、「どうして今は待たなきゃいけないのか」が理解しやすいんです。
成功体験を積み重ねながら、「待つ=楽しい時間につながる」と感じられるようになるのが理想です。
④ 約束を守る力|集団生活でも役立つ「社会ルール」体験
4つ目は、「約束を守る力」。
これは、ルールを理解して、それを守ることで人と関われる力ともいえます。
発達が気になる子の中には、「ルール=縛られるもの」と感じて、ルールに反発したり混乱してしまう子もいます。でもこれは、ルールの意味やメリットを納得していないだけということも。
ゲームでは、「このルールがあると楽しくなる」「みんなが同じルールで遊ぶと安心できる」ということを、体験的に学ぶことができます。
たとえば、「ウノ(UNO)」などは、色や数字で視覚的にもわかりやすく、ルールが自然と身体に染み込んでいく設計になっています。
また、「ルールを守ったら勝てた!」「みんなと遊べた!」という達成感は、集団生活にも直結する成功体験になります。
⑤ チームで協力する力|一緒にやる楽しさが芽生える!
最後に紹介するのが、「協力する力」。
これは、一人で完結する遊びでは得られない、人と一緒に何かを成し遂げる経験を通して育まれます。
「一緒にゴールを目指す」「チームでアイデアを出し合う」など、“協力することで成功する”という成功体験を重ねることがカギです。
特におすすめなのは、チーム対抗型のミッションゲームや、複数人でアイデアを出し合う工作系・ごっこ遊び。
「誰かと何かをやるのって楽しい!」と感じられれば、人との関わり自体に前向きになっていくことも多いです。
もちろん最初はうまくいかないこともありますが、遊びの中なら“失敗してもOK”な雰囲気があるので、トライしやすいのがメリットです。
どの力も、すべては「無理やり練習させるもの」ではなく、「遊びの中で自然と身につけていくもの」。
そしてなにより、本人が楽しいと思えることが、コミュニケーションの一歩を踏み出す大きなきっかけになります。
失敗しない!ゲーム選びのコツ3つ
「コミュニケーションにいいって聞いて買ったけど、全然ハマらなかった…」
「発達に合ってるゲームってどう選べばいいの?」
こんな経験、意外と多いんです。せっかく買ったのに遊んでくれなかったら、親としてもガッカリしますよね。でも、ちょっとしたコツを押さえるだけで、“その子に合ったゲーム”が選びやすくなるんです。
この章では、失敗しないためのゲーム選びのポイントを3つに絞ってご紹介します。
年齢と発達段階に合っている?
まず大前提として大切なのが、ゲームの対象年齢=子どもの発達段階に合っているかどうかです。
市販のパッケージに書かれている「〇歳〜」という表示は、あくまでも目安であって、実際の発達段階とはズレがあることも多いんです。
たとえば、6歳だけど会話力やルール理解が3歳相当だったり、逆に数字の理解は進んでいるけど感情表現は苦手だったり…ということもあります。
だからこそ、「実年齢」ではなく「今のお子さんの興味や理解力に合わせる」という視点がとても大事。
難しすぎるとすぐに飽きちゃうし、簡単すぎても「つまらない」と感じてしまうので、ちょっと背伸びすればできそうな“ちょうどいい難易度”のゲームを選ぶのがベストです。
✅ こんなときはココをチェック!
- ルールはシンプル?(複雑すぎない?)
- 絵や文字が多すぎて混乱しない?
- 一度教えたら理解できそう?繰り返せば身につきそう?
“コミュ力”に効く内容かどうか?
せっかく遊ぶなら、どんなコミュニケーション力が育つのかにも注目して選びたいですよね。
たとえば、
- 「会話のキャッチボール」を育てたいなら → 質問ゲーム・しりとり
- 「気持ちを想像する力」を育てたいなら → ごっこ遊び・感情カードゲーム
- 「順番を守る」「協力する」経験を積みたいなら → ボードゲームやチーム戦
というように、ゲームの種類ごとに伸ばしやすい力が違うんです。
ただ“楽しそう”だけで選ぶのも悪くないですが、「今この子に必要な力はどこかな?」と少し意識して選ぶだけで、効果はぐんと高まります。
また、支援の現場では、「このゲームで何を学んでほしいか」をあらかじめ決めてから使うことも多いんです。家庭でもその考え方を取り入れてみると、遊びの目的が明確になり、親の声かけも変わってきます。
子どもが「やりたい!」と思えるかどうか
そして、忘れてはいけない一番大切なポイントがコレ。
子ども自身が「やりたい!」「楽しそう!」と思えるかどうか。
いくら発達に良くても、子どもが乗り気じゃなければ意味がないですよね。特に発達が気になる子は、「これって楽しい?」と思えるかどうかで、関わる姿勢がまったく変わります。
たとえば、
- 色がカラフルで、見た目がワクワクする
- 好きなキャラクターが出てくる
- 音や動きなど、五感に刺激がある
といった“最初の引きつけポイント”があるかどうかも、意外と重要な選定基準になります。
さらに、「選ばせる」こともひとつのコツです。
親が決めて渡すよりも、「どれで遊ぶ?」「どっちやってみたい?」と子どもに選ばせることで、“自分で決めた”という納得感が生まれ、やる気アップにもつながります。
この3つをおさえれば、遊びながら“伸びる”体験ができる!
ゲーム選びに失敗しないためのコツは、次の3つです:
- 年齢ではなく発達段階に合わせる
- どんな力を育てたいかを意識して選ぶ
- 子どもが“やりたい!”と感じるかどうかを大切にする
この3つの視点があれば、単なる「遊び」が、子どもにとっての「成長のきっかけ」になるはずです。
【保存版】発達が気になる子にぴったり!コミュニケーション力UPゲーム10選
「どんなゲームがわが子に合うんだろう?」
「うちの子、会話が苦手だけど、楽しく遊びながら力をつけたい!」
そんなあなたに向けて、発達が気になる子どもにも安心して使える“コミュ力アップ”ゲームを10個厳選しました!
それぞれのゲームについて、「ねらい」「遊び方」「おすすめポイント」「注意点」の4つを軸に紹介していきます。
① はぁって言うゲーム|表情&感情表現が自然に育つ!
- ねらい: 感情の違いを「声のトーン・表情・言い方」で伝える練習
- 遊び方: 指定された“セリフ”を、いろんな感情で演じて当ててもらうゲーム
- おすすめポイント: 「感情表現のバリエーション」が自然と身につく!表情づくりの練習にも◎
- 注意点: 恥ずかしがり屋の子には、最初は大人が見本を見せると入りやすい
② ジェスチャーゲーム|言葉が苦手でも盛り上がる!
- ねらい: 非言語コミュニケーション(表情・動作)を使う力を育てる
- 遊び方: お題の動きを声を使わずにジェスチャーで伝える
- おすすめポイント: 話すことに抵抗がある子にも◎。親子で大笑いできるのが魅力!
- 注意点: お題は身近なものや好きなものにすると、子どもが入りやすい
③ ウノ(UNO)|色と数で遊びながら“順番”と“ルール”を学ぼう
- ねらい: ルール理解・順番を守る・感情のコントロール
- 遊び方: 色と数字を合わせながら手札をなくすカードゲーム
- おすすめポイント: ルールが視覚的にわかりやすい!失敗してもすぐに再チャレンジできる
- 注意点: 特殊カードが多くて混乱しがちなので、最初はルールを簡略化してOK

④ コミュニケーションカード|会話のきっかけを楽しくつくれる!
- ねらい: 質問→回答→リアクションという“会話の型”を体験する
- 遊び方: カードに書かれた質問やお題にそって話す
- おすすめポイント: 会話のネタに困らない!親子でも、支援者との関係づくりにも便利
- 注意点: 難しい質問(例:将来の夢など)は避け、日常的な話題がベター
⑤ ごっこ遊びセット|想像力と社会性がぐんぐん伸びる
- ねらい: ロールプレイで社会的なやりとり・役割理解を育てる
- 遊び方: お店屋さん・病院・レストランなどになりきって遊ぶ
- おすすめポイント: 「ありがとう」「いらっしゃいませ」など、自然な会話の流れを覚えられる!
- 注意点: 子どもに主導権を持たせると、自信につながる
⑥ すごろく|順番・感情コントロールにぴったり!
- ねらい: 順番を守る・勝ち負けに折り合いをつける
- 遊び方: サイコロを振って進み、マスに応じたイベントをこなす
- おすすめポイント: 運の要素があるので、勝ち負けのバランスが取りやすい!
- 注意点: 負けたときに癇癪が起きやすい子には、「最後まで完走すること」をゴールにしても◎

⑦ お題しりとり|言葉をつなげる楽しさ&発想力アップ
- ねらい: 発語力・想像力・語彙の拡張
- 遊び方: お題に沿ってしりとりをしていく(例:「たべもの」「赤いもの」など)
- おすすめポイント: 言葉で遊ぶ習慣がつく!テーマしりとりで集中力もUP
- 注意点: 難しすぎるお題は避けて、子どもが“思いつきやすい”ものから始めよう
⑧ にがおえ伝言ゲーム|絵とことばの架け橋で大爆笑
- ねらい: 絵と言葉のリンク・表現力・想像する力
- 遊び方: 絵を見て言葉で説明→次の人がその説明から絵を描く、を繰り返す
- おすすめポイント: 伝わらなさが笑いになる!“伝える楽しさ”が実感できる
- 注意点: 上手に描けなくてもOKという空気を大切に。評価せずに楽しむことがカギ!
⑨ まねっこダンス|模倣&協調性が楽しみながら身につく
- ねらい: 見てまねる力・リズム感・チームの一体感
- 遊び方: 誰かの動きをまねしてダンス!リーダー交代制にしても◎
- おすすめポイント: リズムと動きで遊びながら、模倣や一緒に動く力を育てられる
- 注意点: 動きが激しすぎないように、テンポはゆっくりめから始めると安心
⑩ チーム対抗ミッション|協力プレイで“仲間意識”を養う!
- ねらい: 協働力・相手の意見を聞く力・作戦を立てる力
- 遊び方: 2チームに分かれて、ミッションを達成していく(例:積み木タワー、障害物リレーなど)
- おすすめポイント: 「一緒にやる楽しさ」が実感できる!支援の場でもよく使われている定番形式
- 注意点: 負けたときのフォローは丁寧に。「協力することが一番の目的だよ」と伝えておくと◎
まとめ:その子に“ちょうどいい”を見つけよう
どのゲームも魅力たっぷりですが、やっぱり大切なのは、「子ども自身が楽しめるかどうか」。
発達に偏りがあるからこそ、「できた!」「楽しかった!」という経験を積むことが、次の一歩につながります。
おうち&療育現場で実践!ゲームを効果的に使う4つのコツ
「ゲームがいいって聞いて試してみたけど、うちの子あんまりのってこなくて…」
「最初は楽しそうだったのに、途中で不機嫌になっちゃって…」
――そんな経験、実はよくあります。ゲームって、ただ渡すだけじゃ思ったような“育ち”にはつながらないこともあるんですよね。
ここでは、発達が気になる子どもに合わせて、ゲームをもっと効果的に活用するための4つのコツをご紹介します。ちょっとした工夫で、遊びの中から大きな“気づき”や“成長”が見えてくるはずです。
無理にしゃべらせない「見守り」のスタンス
まず大切なのは、“しゃべらせようとしすぎないこと”。
「せっかくコミュ力アップのゲームなんだから、話してもらわないと!」と思いがちですが、ここで焦ってしまうと逆効果になることも…。
特に言葉に苦手さのある子や、不安の強い子にとっては、「話して」「返事して」と求められること自体がプレッシャーになってしまいます。
だからこそ、最初は“見守るスタンス”でOK。
大人が楽しく遊んでいる様子を見せたり、「やってみる?」と軽く誘ってみたり、“入りたくなったらいつでもどうぞ”という空気感が大切なんです。
✅ ポイント:
- 「一緒に見るだけ」でも立派な第一歩
- 関わりたくなるまで待つ勇気も支援のひとつ!
小さな「できた!」を積み重ねて自信につなげる
発達が気になる子にとって、「成功体験を積む」ことは自己肯定感を育てる大事な鍵。
ゲームを通して「できた!」「通じた!」「笑ってくれた!」という経験を少しずつ積み上げていくと、子どもは驚くほど前向きになります。
ここでのポイントは、“大人の目線での成功”ではなく、“子ども自身が感じられる成功”を重視すること。
たとえば、
- 「順番を守って座っていられた」
- 「初めて相手に質問できた」
- 「負けても泣かなかった」
――こんな小さな一歩でも、しっかり褒めてあげることが大切です。
成功のハードルは低めに。
そしてそのたびに、「すごいね!」「できたね!」と肯定的なフィードバックを重ねていきましょう。
子どもの反応に合わせて“タイミング”を見極める
どんなに楽しいゲームでも、子どもの気分や体調によっては「今日は乗れない」なんて日もあるものです。
「昨日はできたのに…」というのは、よくあること。
そんなとき大切なのは、“今この子がどんな状態か”を読み取る力。
- 疲れている?
- 集中力が切れてる?
- そもそも今日は人と関わりたくない?
こういった“その日の状態”に合わせて、タイミングや関わり方を柔軟に調整することが、継続的な支援には欠かせません。
✅ できる工夫:
- 活動の前に「5分だけ」と時間を区切る
- 「今日は見るだけでもいいよ」と選択肢を持たせる
- 終わり時も“盛り上がってるうちに終える”がベスト!
毎日の生活にも「ゲーム要素」を取り入れよう
ゲームって、特別な道具が必要だったり時間が必要だったり…と思いがちですが、実は日常生活にも“遊び”の要素をちょい足しするだけで、コミュ力を育てる練習になります。
たとえば、
- 朝の支度を「タイムアタックゲーム」にする
- ごはん中に「今日の気持ちを絵で伝えてみよう」ゲーム
- お風呂で「ジェスチャー当てっこクイズ」
など、ちょっとした遊び心を取り入れるだけで、子どもの“関わる意欲”がぐんとアップします。
こうした「生活の中のミニゲーム」は、習慣として定着しやすく、親子のコミュニケーションにもつながるので、とってもおすすめです。
正解じゃなくて、“その子に合うやり方”が一番大事!
ゲームの使い方に「これが正解!」というルールはありません。
子どもの特性や気分に合わせて、やり方を変えていく柔軟さが何より大切です。
そして忘れてはいけないのは、“遊びの時間”そのものが、親子の大切なコミュニケーションになっているということ。
「今日はうまくいかなかったなぁ…」なんて日も、必ず意味があります。
無理なく、楽しく、少しずつ。
その積み重ねが、子ども自身の“自信”と“会話する楽しさ”を育ててくれますよ。
専門家・保護者の声|ゲームで変わった!コミュニケーションの力
これまでの章で、ゲームが「コミュニケーション力を育てるツール」としてとても有効だということをお伝えしてきました。でも、やっぱり気になるのは、“実際にやってみてどうだったか?”というリアルな声ですよね。
ここでは、療育の現場で実際に取り入れられているゲームの事例や、ご家庭での成功体験、そして支援のプロが語る“遊びの力”の本質について紹介していきます。
療育の現場で実際に使われているゲーム例
発達支援の現場では、遊びを通じて子どもの力を伸ばすというアプローチが主流になりつつあります。特に最近では、言語や対人関係に苦手さのある子どもたちに対して、“ゲームを通じた関わり”が大きな成果をあげているんです。
たとえば、児童発達支援や放課後等デイサービスでよく使われているのが以下のようなゲーム:
- ジェスチャーゲーム:非言語の表現力を伸ばしながら、周囲と“共有する”体験を重ねられる
- すごろく:順番を守る、指示に従う、サイコロを振るなど、多様なスキルを遊びの中で自然に学べる
- ごっこ遊び:社会性や想像力を育てながら、役割を意識する力も高まる
支援スタッフの声によると、
「“遊びだからできた”という子が本当に多い。勉強や訓練のように構えるより、自然な形で力が伸びていく印象があります」
ゲームは、指導というより“きっかけづくり”としての意味合いが強いのかもしれません。
保護者のリアル体験談:「言葉が増えた」「遊べるようになった」
実際に家庭でゲームを取り入れた保護者からも、嬉しい変化の声がたくさん届いています。
体験談①:5歳 男の子(ASD傾向あり)
「ことばが少なく、いつもひとり遊びばかりだったんですが、“お題しりとり”をきっかけに少しずつ言葉が増えました。しりとりは“言わなきゃ進まない”ルールが自然とやりとりを促してくれて、本人も楽しそうでした。」
体験談②:6歳 女の子(対人緊張が強いタイプ)
「“にがおえ伝言ゲーム”が本当に効果的でした。言葉で伝えるのが苦手だった娘が、“うまく伝わらないのも楽しい”という経験をしてから、失敗を怖がらなくなりました。」
体験談③:小3 男の子(多動・衝動性あり)
「UNOを通じて、“ルールを守ると楽しく遊べる”ことを実感できたようです。最初は怒ってばかりだったのに、今では“順番守らないとダメだよ!”と周りの子にも教えてます(笑)」
このように、家庭でも「遊び」というやわらかいアプローチなら、子ども自身が無理なく“関わる力”を伸ばせるんですね。
発達支援のプロが語る「遊びの力」
では、実際に子どもたちと日々向き合っている支援者たちは、“遊びの力”をどう見ているのでしょうか?
児童発達支援管理責任者の方のお話によると、
「子どもは遊びの中でこそ、“人と関わることって楽しい”という感覚をつかみます。大人が何を教えるかより、子どもが“やりたい!”と思える環境をどう作るかがポイントです。」
また、臨床心理士の方からは、
「遊びには“模倣→体験→理解”という流れが含まれていて、これはコミュニケーションの基本的なプロセスと同じです。ゲームはまさに、それを自然に繰り返す場になるんです。」
つまり、遊びとは、ただの「楽しい時間」ではなく、“社会で生きていくための土台づくり”でもあるということ。
ゲームは“関係性のトレーニング”でもあり、“心の安心基地”にもなり得るんですね。
遊びには、ことば以上の「つながる力」がある
ゲームや遊びを通じて、子どもたちはただスキルを学ぶだけでなく、「人と関わることっていいな」「もっとやってみたいな」という気持ちを育てていきます。
療育でも家庭でも、「遊びを通してできたこと」がたくさんの可能性を広げてくれる。
ことばにならない気持ちやつまずきも、遊びの中なら自然と表現できることがあるんです。
ぜひ、あなたのお子さんにも合った“楽しい入り口”を見つけて、コミュニケーションの世界を広げていってくださいね。
遊びの中には、未来の“できた!”がたくさん詰まっています。
よくある質問(Q&A)|発達支援×ゲーム活用
Q1:何歳から遊びに取り入れるのがよいですか?
目安としては2〜3歳ごろからOKですが、大事なのは“年齢”よりも“その子にとっての遊びの興味が芽生えた時期”です。
たとえば、まだことばが少なくても、絵や音に反応して笑ったり、誰かの動きをまねしようとするような時期が来たら、それが遊びのスタートラインと考えて大丈夫。
また、年齢が大きくても、「今からゲーム遊びを始めていいの?」という心配は不要です。発達の段階に合わせて選べば、何歳からでも“遊び”は力になります。
Q2:言葉がまだ出ない子でもできますか?
もちろんできます!実は、言葉が出ない子ほど「非言語コミュニケーション」からのアプローチが効果的なんです。
たとえば、
- ジェスチャーゲーム → 声を出さなくても表現できる
- まねっこダンス → 模倣することで人とのやりとりの楽しさを体験
- にがおえ伝言ゲーム → 絵や動作で伝える練習になる
こうした遊びを通して、“伝えるって楽しい”という体験を積み重ねることが、後の発語につながるケースも多いです。
焦らず、「声を出すこと」よりも「関わることの楽しさ」を大切にしていきましょう。
Q3:療育と併用して使っても大丈夫?
はい、むしろ療育との併用はとてもおすすめです!
実際に、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの現場でも、遊びを通じた支援(プレイセラピー)やグループ活動にゲームがよく使われています。
ご家庭で取り入れる場合も、療育で使っている遊びを「家でもやってみる」と、子どもにとっての安心感がぐっと増します。
また、支援者に「家でもこんなゲーム使ってみたいんですが…」と相談すれば、発達段階に合ったアドバイスももらいやすいので、積極的に連携するのが◎です。
Q4:自閉スペクトラム症の子にはどのゲームが合いますか?
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、ルールがはっきりしていたり、視覚的に理解しやすいゲームが得意な傾向があります。
たとえば…
- UNO → 色と数字でわかりやすい。手順が明確
- すごろく → 順番・サイコロの数で進めるから予測しやすい
- コミュニケーションカード → 質問や答えが“カードに書かれている”ことで安心できる
- ごっこ遊びセット → パターン化された会話で社会性を育てやすい
ただし、個人差がとても大きいので、「その子が楽しめるかどうか」を一番の判断基準にすることが大切です。はじめは“見るだけ参加”でもOK!
Q5:忙しい家庭でも取り入れやすいゲームはありますか?
あります!むしろ、忙しい家庭ほど“ちょこっと遊び”でのコミュニケーションがすごく効果的なんです。
短時間&準備いらずでできるゲームの例:
- お題しりとり(1回5分でOK)
- ジェスチャークイズ(声出さなくてもできる)
- スプーンレースや積み木タワー競争(タイムトライアル系は盛り上がる)
- 洗濯物たたみ競争ゲーム(日常に組み込みやすい!)
大切なのは、“時間をかける”より“関わる回数”。たとえ1日5分でも、「一緒に笑った時間」が子どもの心に残ります。
遊びは支援の“きっかけ”。難しく考えなくて大丈夫!
どんなゲームを選ぶかも大事だけど、それ以上に大切なのは、「一緒に楽しく遊ぶこと」そのものが、最高のコミュニケーション支援になるということ。
ゲームはあくまで“ツール”であって、目的は「子どもとつながること」「楽しい!できた!の体験を重ねること」なんです。
迷ったときは、この記事で紹介した中から「親子で笑顔になれそうなもの」から始めてみてくださいね。
まとめ|コミュニケーション力は“遊び”で伸ばせる!まずは1つ試してみよう
発達が気になる子どもの「コミュニケーション力」を伸ばしたい――。
そう思っても、どう支援すればいいのか迷ったり、言葉だけでのトレーニングに限界を感じてしまうこと、ありますよね。
でも今回の記事で紹介したように、“遊び”という身近なツールを活用すれば、子どもは無理なく、そして楽しみながら大切なコミュニケーションの力を育んでいけるんです。
しかも、ただ「話す力」だけじゃなくて、
- 相手の気持ちを想像する力
- 順番を守る力
- ルールを理解して人と関わる力
- 協力し合うチームプレイの力
――こうした“人と関わって生きていく力”そのものが、ゲームという体験を通じて自然と身についていくのは、本当に大きなメリットです。
そしてなにより大事なのは、難しく考えすぎず、「まずは一緒に楽しんでみること」。
「うちの子にできるかな?」と不安になるよりも、
「一緒にやってみよう!」と笑い合える時間を少しずつ増やしていくことが、結果的にいちばんの支援になります。
もちろん、はじめからうまくいくとは限りません。途中でやめちゃう日があったり、思ったより盛り上がらないこともあるかもしれません。でも、それもぜんぶOK。
子どもが“またやりたい!”と思えた瞬間があれば、それが小さな成功です。
この記事で紹介した10個のゲームの中から、ぜひ「これ面白そう!」と感じたものを1つ、今日からおうちで取り入れてみてください。
どんな子にも、“はまる”ゲームがきっと見つかりますよ!
遊びを通して育つコミュニケーションの芽、あなたとお子さんのペースで、ゆっくりじっくり育てていきましょう

以上【遊んで伸ばす!発達が気になる子どもの「コミュ力」を育てる神ゲーム10選】でした。
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