学習障害 ASDの子が勉強できない本当の理由|つまずきの原因と親の正しい関わり方

目次

「何度教えても分からない…」学習障害 ASDの子を育てるママへ

― 勉強につまずくのは“努力不足”ではありません ―

とこ君

えっ…じゃあ、毎日ドリルやらせても意味ないの?

らくちゃん

“意味がない”んじゃなくて、“合ってない”可能性が高いの。

とこ君

がんばり方、間違ってたかもってことか…!

「さっきも説明したのに、もう忘れてる…」
「どうして同じところでつまずくんだろう」

そんなふうに思って、
モヤっとしたり、イライラしてしまったことありませんか?

でも実は、学習障害やASDのある子どもが勉強でつまずくのは、
やる気や努力の問題ではないことがほとんどです。

ママが悪いわけでも、
子どもがサボっているわけでもありません。

「知っているか、知らないか」
それだけで、関わり方は大きく変わります。

この記事では、
なぜ勉強につまずくのかという本当の理由と、
ママが今日からできる、ちょっとした関わり方のヒント
やさしくお伝えしていきます。

「うちの子だけじゃなかったんだ」
そう思いながら、続きを読んでもらえたらうれしいです。

学習障害とASDの違いとは?|併存すると勉強が難しくなる理由

「学習障害」「ASD(自閉スペクトラム症)」という言葉、
聞いたことはあるけれど、どう違って、どう関係しているのか分かりにくいですよね。

実はこの2つ、まったく別の特性ですが、同時にあらわれる子も少なくありません
そのため、勉強での困りごとがより複雑になり、ママも悩みやすくなります。

ここではまず、それぞれの特徴をやさしく整理していきます。

学習障害(LD)とは?|読む・書く・計算が苦手な理由

学習障害(LD)は、全体的な知的発達に遅れはないのに、
「読む」「書く」「計算する」など、特定の学習分野だけが極端に苦手になる特性です。

「知的に問題はないのに勉強ができない」はよくある誤解

よくある誤解が、
「頭が悪いからできないのでは?」
「やる気がないだけでは?」という見方。

でも実際は、脳の情報処理の仕方に特性があるだけなんです。

たとえば、

  • 文字を見ても形として認識しにくい
  • 書こうとすると手が思うように動かない
  • 計算の途中で混乱してしまう

といったことが起こります。

本人は一生懸命やっているのに、結果につながりにくい
これが、学習障害のいちばんつらいところです。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性とは?

ASD(自閉スペクトラム症)は、
人とのやりとりの感じ方や、物事の受け取り方に特徴がある発達特性です。

こだわり・見通しの苦手さ・感覚過敏が学習に与える影響

ASDの子は、勉強そのものよりも、
「勉強する環境」や「進め方」でつまずくことがよくあります。

たとえば、

  • 手順が分からないと不安になる
  • 予定が変わると頭が真っ白になる
  • 周りの音や光が気になって集中できない

など。

これらはわがままではなく、脳の感じ方の違いによるものです。

「分からない」より先に「しんどい」「不安」が来てしまう
これがASDの特性による学習の難しさです。

学習障害×ASDが重なると起きやすい困りごと

学習障害とASD、
この2つが重なると、勉強での困りごとはさらに分かりにくくなります。

「家ではできるのに学校ではできない」本当の理由

ママからよく聞くのが、
「家ではできるのに、学校だと全然ダメなんです…」という悩み。

これは、

  • 家 → 静か・安心・マイペース
  • 学校 → 音・人・時間制限・一斉指示

という環境の違いが大きく影響しています。

さらに、

  • 学習障害 → 作業そのものが大変
  • ASD → 環境や指示の理解が大変

このダブルの負担がかかることで、
学校では力を出しきれなくなってしまうのです。

とこ君

同じ子なのに、家と学校で別人みたい!

らくちゃん

環境が変わると、使うエネルギーも変わるのよ。

とこ君

学校って、意外とハードモードなんだね…

つまり、
「できない=能力がない」ではなく、
「その場の条件が合っていないだけ」というケースがとても多い、ということ。

ここまで読むと、
「うちの子、まさにこれかも…」と感じたママもいるかもしれません。

でも大丈夫です。
理由が分かれば、関わり方は必ず変えられます。

なぜ?学習障害 ASDの子が勉強につまずく本当の原因

「ちゃんと説明しているのに伝わらない」
「何度も同じところでつまずく」

そんな様子を見ると、
“理解力が足りないのでは?”と思ってしまいますよね。

でも実は、学習障害やASDの子が勉強で困る理由は、
知能ややる気の問題ではないことがほとんどです。

ここでは、よくある4つの原因を、順番に見ていきます。

原因① 理解力ではなく「情報処理スピード」の問題

学習障害 ASDの子は、
理解そのものはできていても、処理に時間がかかることがあります。

黒板・プリント・一斉指示が負担になる仕組み

学校の勉強は、

  • 黒板を見る
  • ノートに写す
  • 先生の話を聞く

これを同時に求められる場面が多いですよね。

でもこの「同時進行」、
学習障害 ASDの子にとってはとても大変。

  • 見るだけで精一杯
  • 聞いている間に書けない
  • 書いていると話が頭に入らない

結果として、
「分かっていないように見える」状態になってしまうのです。

原因② 曖昧な説明が分からない|言葉の受け取り方の特性

学習障害 ASDの子は、
言葉を文字どおりに受け取りやすい傾向があります。

「ちゃんと」「いい感じに」が伝わらない理由

大人がよく使う、

  • 「ちゃんとやって」
  • 「いい感じにまとめて」
  • 「少し考えてみよう」

こうした言葉、実はとてもあいまいです。

でも子どもからすると、
「ちゃんとって、どういうこと?」
「どこまでやればいいの?」と、頭の中が???になります。

とこ君

“ちゃんとやって”って…便利な言葉だよね

らくちゃん

便利だけど、子どもには謎解きなの。

とこ君

答えのない問題を出してたのか…!

分からないまま動けず、止まってしまう
これも「やる気がない」と誤解されやすいポイントです。

原因③ 感覚過敏・感覚鈍麻で集中できない

ASDの子には、
感覚の感じ方に強い偏りがあることがあります。

音・光・におい・肌触りが勉強の妨げになることも

たとえば、

  • 教室のざわざわ音が気になって仕方ない
  • 蛍光灯の光がまぶしくてつらい
  • 消しゴムのにおいが気になる
  • 椅子の感触が落ち着かない

こうしたことが重なると、
勉強どころではなくなってしまうのです。

本人は集中しようとしているのに、
体が先に疲れてしまっている状態とも言えます。

原因④ 失敗体験の積み重ねで自己肯定感が下がっている

何度も注意されたり、
「またできなかったね」と言われたりすると、
子どもは少しずつ自信を失っていきます。

やる気がないように見える本当の背景

  • 手を動かさない
  • すぐ「分からない」と言う
  • 勉強を嫌がる

こうした様子は、
やる気がないからではありません。

「どうせやってもできない」
「また怒られるくらいならやらない方がいい」

そんな心のブレーキがかかっていることが多いのです。

ここまで見てきたように、
学習障害 ASDの子のつまずきは、

  • 処理のスピード
  • 言葉の受け取り方
  • 感覚のしんどさ
  • 心の疲れ

こうした要素が重なって起きているケースがほとんどです。

だからこそ大切なのは、
「なぜできないの?」ではなく、
「どこが大変なんだろう?」と考える視点。

要注意|学習障害 ASDの子に逆効果になりやすい親の対応

ママは毎日一生懸命です。
だからこそ、つい強い言い方になってしまうこともありますよね。

ここで紹介する対応は、
「ダメな親の例」ではありません。

多くのママが、
「よかれと思って」やってしまいがちなことです。

でも、学習障害 ASDの子にとっては、
逆効果になってしまうことがあるんです。

「なんでできないの?」と問い詰めてしまう

分からないことが続くと、
「どうしてできないの?」と聞きたくなりますよね。

子どもが黙り込む理由

でもこの質問、
子どもにとってはとても答えにくいものです。

なぜなら、

  • 本人も理由が分からない
  • うまく言葉にできない
  • 責められているように感じる

から。

その結果、
黙り込む・目をそらす・話さなくなる
という反応が出やすくなります。

これは反抗ではなく、
心を守るための反応です。

兄弟・同級生と比べてしまう

「お兄ちゃんはできたのに」
「クラスの〇〇ちゃんはもうできてるよ」

つい口にしてしまうこと、ありますよね。

比較が自信を奪うメカニズム

比べられると、子どもは

  • 「自分はダメなんだ」
  • 「どうせ追いつけない」

と感じやすくなります。

学習障害 ASDの子は、
もともと失敗体験が多くなりやすいため、
比較はその気持ちをさらに強めてしまいます。

やる気がなくなるのではなく、
やる前からあきらめてしまう

これが比較の怖いところです。

「頑張ればできるはず」と無理をさせる

ママとしては、
「この子の可能性を信じたい」
「できる力があるはず」

そう思っての言葉ですよね。

努力論が通用しない理由

でも学習障害 ASDの子の場合、
努力の量と結果が比例しないことがあります。

  • 頑張ってもできない
  • 何度やっても同じところでつまずく

そんな経験が続くと、
「頑張る=つらいだけ」
というイメージがついてしまいます。

結果として、
勉強そのものを避けるようになることも。

ここで大切なのは、
「ママが悪い」という話ではありません。

  • 問い詰めてしまう
  • 比べてしまう
  • 頑張らせたくなる

どれも、子どもを思う気持ちがあるからこそです。

ただ、学習障害 ASDの子には、
別の関わり方のほうが合っているというだけ。

学習障害 ASDの子に効果的な親の関わり方【今日からできる】

ここまで読んで、
「じゃあ、どう関わればいいの?」
そう思ったママも多いはず。

特別な知識や教材がなくても大丈夫。
ちょっとした見方や声かけを変えるだけで、
子どもの反応は少しずつ変わっていきます。

ここでは、今日からできる関わり方を4つ紹介します。

関わり方① 「できない理由」を一緒に探す視点を持つ

まず大切なのは、
「やらない」のか「やれない」のかを分けて考えることです。

怠けではなく“引っかかりポイント”を見る

たとえば、

  • どこから手が止まっている?
  • 指示は理解できている?
  • 書く・読む・聞く、どこが一番つらそう?

こんなふうに見ると、
子どもが困っているポイントが見えてきます。

「なんでできないの?」ではなく、
「ここが難しいんだね」と一緒に確認する姿勢が大切です。

関わり方② 勉強のハードルを細かく分ける

「プリント1枚」「ドリル1ページ」
これでも、学習障害 ASDの子には
ハードルが高すぎることがあります。

小さな成功体験を積ませる工夫

たとえば、

  • 1問だけやる
  • 5分だけ取り組む
  • 書く量を減らす

こうしてハードルを下げると、
「できた!」を感じやすくなります。

成功体験が増えるほど、
「やってみようかな」という気持ちが育っていきます。

関わり方③ 指示は短く・具体的に伝える

学習障害 ASDの子には、
一度にたくさんの言葉を伝えないのがポイントです。

視覚支援・チェックリストの活用

口で説明するだけでなく、

  • 手順を書いた紙
  • チェックリスト
  • 絵や図

などを使うと、理解しやすくなります。

たとえば、

  1. ノートを出す
  2. 日付を書く
  3. 1問目をやる

一つずつ見える形にするだけでも、
子どもは安心して取り組めます。

関わり方④ 結果より過程を認める声かけ

テストの点数や正解・不正解よりも、
「取り組めたこと」に目を向けてみてください。

とこ君

正解じゃなくても褒めていいの?

らくちゃん

“やろうとしたこと”は立派な成果よ。

とこ君

それなら毎日見つけられそう!

自己肯定感を守る言葉の例

たとえば、

  • 「途中までやれたね」
  • 「前より早く始められたね」
  • 「あきらめずに考えてたね」

こんな声かけは、
子どもの自己肯定感を守る力になります。

結果だけを見るより、
努力のプロセスを認めることが、
次の一歩につながります。

ここで紹介した関わり方は、
完璧にやらなくて大丈夫です。

  • できるときに
  • できることを
  • 少しずつ

それで十分。

ママの関わりが変わると、
子どもの安心感も少しずつ育っていきます。

家庭でできる!学習障害 ASDの子の勉強サポート具体例

「家で何をしてあげればいいの?」
「特別な教材が必要なのかな…」

そう感じているママも多いと思いますが、
家庭でのサポートは“小さな工夫”で十分です。

ここでは、今日からできる具体例を紹介します。

集中しやすい学習環境の整え方

勉強の内容以前に大事なのが、環境づくりです。
学習障害 ASDの子は、周りの刺激に影響されやすいことがあります。

音・光・席・時間帯の工夫

たとえば、

  • テレビや音楽は消す
  • できれば静かな部屋・同じ場所でやる
  • 机の上は必要な物だけにする
  • 眠くなる前・疲れる前の時間帯を選ぶ

こうした工夫だけで、
集中できる時間がぐっと伸びることもあります。

「長くやらせる」より、
「集中できる条件を整える」ことが大切です。

子どもに合った勉強方法を選ぶ

「みんなと同じやり方」にこだわらなくて大丈夫。
その子に合った方法を選ぶことが、いちばんの近道です。

書くのが苦手な子への代替手段

書くことが苦手な場合、

  • 口で答える
  • カードやシールを使う
  • タブレットやアプリを使う

など、別の方法で学ぶのも立派な学習です。

大事なのは、
「書けるか」ではなく「理解できているか」

無理に苦手な方法にこだわらなくてOKです。

学校・支援機関と連携するという選択

家庭だけで抱え込まなくても大丈夫。
学校や支援機関とつながることも、立派なサポートです。

担任に伝えるときのポイント

先生に相談するときは、

  • 困っていることを具体的に伝える
  • 家ではできていることも一緒に話す
  • 「こうしてほしい」と希望を短く伝える

これだけでも、
理解してもらいやすくなります。

「迷惑かな…」と思わなくて大丈夫。
子どもを支えるチームの一員として相談する
そんな気持ちでOKです。

家庭でできるサポートは、
決して完璧でなくていいし、毎日できなくても大丈夫。

  • できるときに
  • できる範囲で
  • 子どもに合う形で

それだけで、子どもはちゃんと安心します。

「この子の将来が不安…」と悩むママの心が軽くなる考え方

子どもの勉強のことで悩んでいると、
ふとこんな気持ちが湧いてくること、ありませんか?

「このままで大丈夫なのかな」
「将来、ちゃんと生きていけるのかな」

それは、ママが真剣に子どものことを考えている証拠です。
不安になるのは、決して弱さではありません。

ここでは、少し肩の力を抜くための考え方をお伝えします。

「できるようにする」より「困らせない」支援へ

つい私たちは、
「できるようにしなきゃ」
「人並みに追いつかせなきゃ」

そんなふうに考えてしまいがちです。

ゴール設定を見直す

でも、学習障害 ASDの子にとって大切なのは、
「できるかどうか」より「困らずに過ごせるか」

  • 分からないときに助けを求められる
  • 自分に合うやり方を選べる
  • 失敗しても立ち直れる

こうした力は、将来にしっかりつながります。

とこ君

できる子じゃなくて、困りにくい子…か

らくちゃん

それが一番、生きやすさにつながるの。

とこ君

目標、ちょっと変えてみようかな

ゴールを
「できる子にする」から「困りにくい子にする」
に変えるだけで、気持ちが少し楽になります。

今は“学力”より“土台作り”の時期

小さい頃ほど、
「勉強が遅れているのでは?」と不安になりますよね。

安心感と自信が学びにつながる理由

でも実は、
安心できる環境と「自分は大丈夫」という気持ちがないと、
学びはうまく積み上がりません。

  • 怒られない
  • 比べられない
  • 分からなくても受け止めてもらえる

こうした経験が増えるほど、
「やってみようかな」という気持ちが育っていきます。

学力は、
安心感と自信という土台の上に、あとから乗ってくるもの

今はその土台を育てている時期だと思ってください。

子育ては、短距離走ではなく長いマラソンです。
今すぐ結果が出なくても、大丈夫。

  • 昨日より少し安心できた
  • 前より笑顔が増えた
  • ママの声がけがやさしくなった

それだけでも、ちゃんと前に進んでいます。

まとめ|学習障害 ASDの子の勉強の悩みは「関わり方」で変えられる

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
たくさんの情報がありましたが、いちばん大切なことは、とてもシンプルです。

つまずきの原因は特性によるもの

学習障害 ASDの子が勉強につまずくのは、
やる気がないからでも、努力が足りないからでもありません。

  • 情報の処理に時間がかかる
  • 言葉をそのまま受け取る特性がある
  • 感覚が敏感で疲れやすい

こうした生まれ持った特性が、
学校の勉強スタイルと合っていないだけ、ということが多いのです。

ママの見方が変わると子どもも変わる

「どうしてできないの?」から
「どこが大変なんだろう?」へ。

この視点の変化だけで、
子どもはぐっと安心しやすくなります。

  • 責められない
  • 分かってもらえる
  • 助けてもらえる

そう感じられると、
少しずつ前向きな気持ちが育っていきます。

今日からできる小さな支援を大切に

特別なことをしなくて大丈夫です。

  • 環境を少し整える
  • 声かけを少し変える
  • ハードルを少し下げる

そんな小さな支援の積み重ねが、
子どもの「やってみよう」を支えてくれます。

子育てに正解はありません。
迷いながら、悩みながらで大丈夫。

ママが少し楽になることは、
そのまま子どもの安心につながります。

以上【学習障害 ASDの子が勉強できない本当の理由|つまずきの原因と親の正しい関わり方】でした

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この記事を書いた人

約30年の間に培った障害福祉分野での知識や経験を、このブログで余すことなくお伝えしていきます。
所持資格:社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員等

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