「学習障害と発達障害って何が違うの?」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
どちらも名前が似ているし、ネットで調べても専門用語ばかり…。
「うちの子はどっちに当てはまるの?」と不安になってしまうママも多いんです。
実はこの2つ、“ぜんぜん別もの”というわけではなく、少し重なる部分もあるので、混乱しやすいのは当然なんですよね。
このブログでは、
- 学習障害(LD)と発達障害の違い
- それぞれの特徴(読み書き・コミュニケーション・注意力など)
- 判断するときのポイント
- おうちでできる関わり方や支援のコツ
を、できるだけ簡単な言葉でまとめてお話していきます。
もちろん、専門家の視点だけでなく、
「ママはどこでつまずきやすいのか?」
「どんな場面で困りやすいのか?」
という、リアルな子育ての視点からも丁寧に説明していきます。
この記事を読めば、
- モヤモヤしていた“不安の正体”がわかる
- 子どもの困りごとの理由がハッキリする
- 得意を伸ばすためのヒントが見つかる
はずです。
そして何より、
「うちの子、これでいいんだ」
と、ちょっとホッとできるような内容を目指しています。
学習障害と発達障害の違いとは?専門家が“本当にわかりやすく”解説
「学習障害(LD)と発達障害って、いろいろ説明を見るけどイマイチ違いが分からない…」
そんなママ向けに、ここではできるだけ“シンプルでわかりやすく”説明していきます。
専門的な話が多いと頭がパンパンになってしまうので、
「どこに困りごとが出るか」 を中心に整理すると理解しやすくなりますよ。
学習障害(LD)とは?―読み書き・計算に表れる特徴を簡単まとめ
まず「学習障害(LD)」は、簡単に言うと
“読み・書き・計算など、特定の学習だけがうまくいかない特性” のことです。
知的な遅れがあるわけでも、やる気がないわけでもありません。
むしろ、話したり考えたりする力は普通にある子も多いです。
たとえばこんな特徴があります
- 読むのが極端にゆっくりになる
- 文字を正しく書けない、形が崩れてしまう
- 計算のしくみがわかりにくい
- 音読になるとストレスを感じる
- 書くスピードがまわりと比べてとても遅い
外から見ると「サボってる?」「集中してない?」と思われがちですが、
実際は 脳の“学習の一部”が苦手なタイプ なんです。
また、LDとひとことで言っても種類があり、
- 読むのが苦手(ディスレクシア)
- 書くのが苦手(書字障害)
- 計算が苦手(ディスカリキュリア)
など、子どもによって困りごとの出方も違います。
「うちの子、勉強だけ妙にスムーズにいかない…」という時は、
このLDが関係している可能性があります。
発達障害とは?ASD・ADHD・LDを含む広い概念をやさしく整理
次に「発達障害」ですが、こちらはもっと広い意味で使われる言葉です。
発達障害には大きく3つのタイプがあり、
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD(注意欠如・多動症)
- LD(学習障害)
これら全てが“発達障害”に含まれています。
つまり、
LDも発達障害のひとつではあるんです。
発達障害が関わる部分は、学習だけではありません。
たとえば…
- コミュニケーションがちょっと苦手
- 集団行動がむずかしい
- 注意がそれやすい
- 感覚が敏感/鈍感
- 予定の変更が苦手
こうした“生活全体”に関わる特徴が出てきます。
だから、発達障害は
「学習」+「行動」「コミュニケーション」「感覚」など、いろんな面に影響する特性
と覚えておくとわかりやすいです。
学習障害と発達障害の違いを一言で説明すると?困難の出る“領域の違い”
では結局「学習障害」と「発達障害」はどう違うの?
というポイントを、一言でまとめると…
違いは “困りごとが出る範囲(領域)” です。
学習障害(LD) → 学習の一部だけが苦手
読み・書き・計算など“特定の学び”に困難が出やすい。
発達障害 → 生活のいろんな場面で困難が出る
コミュニケーション・行動面・注意力・感覚など“広い領域”に影響する。
この違いを知っておくと、
- 「どうして勉強だけつまずくの?」
- 「どうして集団行動が苦手なんだろう?」
- 「これは性格?それとも特性?」
といった日常の“モヤモヤ”が少しスッキリ見えてくるはずです。
そして何より重要なのは、
どちらも“子どもの努力不足”ではなく、脳の特性ということ。
ママが「できない理由」を理解できれば、
お子さんもママも、グッと気持ちが軽くなりますよ。
学習障害(LD)とは?ディスレクシアなどタイプ別の特徴とチェックリスト
学習障害(LD)は、読み・書き・計算などの「学びの一部だけ」が苦手になる特性のことです。
「全体的に学力が低い」というわけではなく、得意なことと苦手なことの差がとても大きく出るのがポイントです。
「話すのは得意だけど、なぜか読むのだけ極端に苦手…」
「集中してるのに、どうしても計算だけつまずく…」
こんな“部分的な困りごと”があるとき、LDの特徴が関連している可能性があります。
ここでは、タイプ別にわかりやすく整理していきますね。
読みの困難(ディスレクシア)―こんな傾向があれば要チェック
とこ君ディスレクシアって必殺技の名前みたいだね。



かっこいいけど、“読むことがとても大変になりやすい特性”のことよ。



読めない=サボりじゃなくて、“文字を処理する脳の回路が大渋滞”してる感じ?



そのイメージぴったり。だから音声読み上げとかで“読む”を助ける支援が大事なの。
ディスレクシアは、LDの中でも“読む”ことに特化した苦手さが出るタイプです。
知的な問題とは関係なく、目と脳が「文字情報を処理する」ことがうまくできない状態です。
こんな特徴が見られます
- 音読になると一文字ずつ読むような感じになる
- 読むスピードがとてもゆっくり
- 行を飛ばして読んでしまう
- 同じところを何度も読み返す
- 漢字を覚えるのに時間がかかる
- 本を読むとすぐ疲れてしまう
また、読めるのに「内容が頭に入らない」という子も多いです。
ママからすると「なんで急に読めなくなるの?」と思いやすいのですが、
これは“努力”や“やる気”とは無関係で、
脳の“文字処理”が苦手なタイプなんです。
書字の困難―ノートが汚い・読めない字になる本当の理由



ノートぐちゃぐちゃなのって、性格が雑だから?



一生懸命でも字が崩れちゃう子は、書字障害っていう“書くのが難しい特性”があるかもしれないよ。



『もっと丁寧に!』って怒られても、もう全力で丁寧に書いてる可能性あるのか…。



そう。だから“雑だから”と決めつけず、書く量を減らしたり支援でカバーするのが大事なんだ。
書くことに苦手さが出るタイプもあります。
いわゆる「字が汚い」「ノートがぐちゃぐちゃ」と言われがちな子の中には、
実は書字障害(書くことの困難)が隠れていることがあります。
特徴の例はこちら
- 文字を書いても形が崩れて読めない
- 行のマスからはみ出してしまう
- バランスがうまく取れない
- 字を書くのにとても時間がかかる
- 消しゴムの使用が多く、ノートが黒くなりやすい
書くという行為は、
「目で見て」「手を動かして」「バランスを調整しながら」行う複雑な作業です。
そのため、脳の一部でうまく処理ができないと、
丁寧に書こうとしても文字が安定しないことがあります。
このタイプの子は、「書く」だけでとても体力を使うので、
すぐに疲れてしまったり、書くこと自体を嫌がることも多いです。
計算の困難(ディスカリキュリア)―数の概念が苦手な子に見られる特徴



ディスカリキュリアって、ディスカウントの親戚?



安売りじゃなくて、“数のしくみそのものがつかみにくい特性”のことよ。



3+2=5も『みんながそう言うからそうなんでしょ』くらいにしか感じられないイメージ?



そんな感じ。だから図や具体物を使って“見てわかる形”で教えるのがポイントなんだ。
計算が苦手なタイプは「ディスカリキュリア」と呼ばれます。
こちらは“数の仕組みを理解すること自体が難しいタイプ”です。
たとえば、こんな傾向があります
- 数の大きさ(1と10の違いなど)がつかみにくい
- 3+2 の計算がなぜ 5 になるのか“意味”がわかりにくい
- 繰り上がり・繰り下がりの理解が難しい
- 時計やお金の概念をつかむのに時間がかかる
- 数の並び(順番)を覚えにくい
同じ学年の子がスラスラ計算していると、
「どうしてうちの子だけ…?」と思ってしまうかもしれませんが、
これも脳の特性から来る“理解しにくさ”です。
何度も繰り返しても覚えにくいのは、
“数の仕組みを処理する脳の回路”が苦手だからなんですね。
LDのよくある誤解―「怠けているだけ?」という誤解を解消
LDの子は、まわりから誤解されやすいのが大きな問題です。
とくに学校では、
- 「集中力がない」
- 「丁寧にやっていない」
- 「やる気がない」
と見られてしまうことも少なくありません。
でも実際は、
怠けているわけではなく、“できない理由が違う”だけなんです。
LDの子は、苦手な作業にとりかかるだけでとても疲れます。
周りの子が5分で終わることに、10倍以上のエネルギーを使うことも。
だからこそ、
「がんばればできるはず」とプレッシャーをかけるほど苦しくなる場合があります。
客観的に見ると、LDは「特定の学習だけが困難になる特性」。
この仕組みを知っておくと、
ママも子どもも無駄に落ち込まずに済みます。
そして何より、
LDの子は得意なことがハッキリしているケースが多く、強みを伸ばすと一気に能力が発揮される
というポジティブな側面もあります。
発達障害の3タイプ(ASD・ADHD・LD)を比較|特徴・困りごと・行動の傾向
発達障害とひとことで言っても、実はタイプによって出てくる特徴がまったく違います。
ここでは代表的な ASD・ADHD・LD の3つを、ママが理解しやすいようにまとめていきますね。
大事なのは、どれも “性格ではなく脳の特性” だということ。
それぞれの特徴を知っておくと、子どもの「苦手の理由」が見えてきて、
無理に叱らなくてよくなるし、関わり方もグッと楽になります。
ASD(自閉スペクトラム症)とは?コミュニケーションやこだわりに出やすいサイン
ASD(自閉スペクトラム症)は、コミュニケーションや行動のパターンに特徴が出やすいタイプです。
個性がとても豊かで、得意なことがハッキリしている子も多いんですよ。
ASDの子に見られやすいサインはこんな感じ
コミュニケーションに関する特徴
- 相手の気持ちを読み取るのがむずかしい
- 会話がかみ合いにくいことがある
- 初対面の人と話すのが苦手
- 表情の変化がゆっくり or 小さいことも
行動に関する特徴
- 同じやり方・同じ順番にこだわる
- 急な変更にパニックになりやすい
- 特定のもの(電車・数字など)が大好きで深くハマる
- 感覚が敏感(音・光・服のタグが気になる) or 逆に鈍感なことも
「なんでこだわるの?」「どうして急に泣き出すの?」
と感じることがあるかもしれませんが、
ASDの子にとっては “安心するための行動” である場合がとても多いです。
ADHDとは?不注意・多動・衝動性の特徴と生活で起こりやすい困りごと
ADHDは、
「不注意」「多動性」「衝動性」 の3つの特徴がよく見られるタイプです。
よく動くイメージがありますが、実際には“注意がそれやすいタイプ”の子も多く、見た目ではわかりづらいこともあります。
不注意の特徴(忘れ物・集中しづらい)
- 話を聞いているようで抜けてしまう
- 宿題・プリントを忘れやすい
- 物の片づけが苦手
- 長い説明が頭に入りにくい
多動の特徴(じっとしていられない)
- 座っているのが苦手で、つい動いてしまう
- 体をゆらすクセがある
- 集団の時間(朝の会・授業)でモゾモゾしがち
衝動性の特徴(考えるより先に動く)
- 思ったことをすぐ口にしてしまう
- 列に並ぶ・順番を待つのが苦手
- つい強く押してしまう…など行動が先に出る
ADHDの子は、決して“わざと”動いているわけではありません。
むしろ本人も「止めたいのに止められない」と感じていることが多いんです。
そして実は、
ひらめき力が高い・行動力がある・興味のあることへの集中力がすごい
という強みを持っている子もとても多いんですよ。
LD(学習障害)は発達障害のひとつ―“学びに特化した特性”として理解する
LD(学習障害)は、ASDやADHDと同じく、発達障害のひとつに含まれるタイプです。
ただ、ASDやADHDとは違い、
LDは “学習だけに困難が出る” 特化タイプ だという点が大きな特徴です。
LDで困りやすい場面
- 読むのが苦手(ディスレクシア)
- 書くのが苦手(書字障害)
- 計算が苦手(ディスカリキュリア)
ASDやADHDのように、
コミュニケーションや注意力に必ずしも困りごとが出るわけではありません。
「勉強だけつまずくのはなぜ…?」
と感じるときは、LDが関係している可能性があります。
LDは“見えにくい”という大きな特徴
- 外から分かりにくい
- 普通に会話できるので誤解されやすい
- 「怠けている」と言われて傷つく子も多い
だからこそ、ママが “苦手の理由は特性なんだ” と気づいてあげるだけで、
子どもは本当にラクになります。
LDを理解することは、
「どう教えるか?」よりも
「どう支えるか?」を考える第一歩 なんですよね。
【比較表つき】学習障害と発達障害の違いをわかりやすく整理|共通点と併発の可能性
ここまで読んでいただくと、
「LDと発達障害って重なる部分もあれば違う部分もあるんだな…」
と少しイメージがつかめてきたと思います。
でも実際のところ、
“どこがどう違うのか”が一目で見えるともっとわかりやすいんですよね。
ここでは、できるだけシンプルに、
ママがすぐに理解できる形で比較していきます。
違いがひと目でわかる比較表|困りやすい場面・特性・支援方法
まずは比較表で「全体像」をつかんでみましょう
(文章で説明していますが、ブログでは表にするとさらにわかりやすいです)
学習障害(LD)と発達障害のざっくり比較
| 項目 | 学習障害(LD) | 発達障害(ASD・ADHDなど) |
|---|---|---|
| 困りやすい場面 | 読み・書き・計算など学習面のみ | コミュニケーション、集団活動、注意力、生活全般 |
| 特性の出方 | 特定の学習だけ苦手 | 広い領域で特性が出やすい |
| 原因 | 脳の一部の情報処理の偏り | 脳の発達・情報処理の違い |
| わかりにくさ | とても見えにくい(誤解されやすい) | 行動で気づかれやすい場合も |
| 支援方法 | 読み上げ・タブレット・書字の工夫など | 見通し作り・環境調整・声かけなど |
| 併発の有無 | ASD・ADHDと併発することが多い | LDを併発することがある |
こうして比べると違いがわかりやすい
- LDは“学び専門の困りごと”
- 発達障害は“生活全体に広く出る困りごと”
このイメージを持っておくと、
日々の対応や学校との相談がグッとスムーズになります。
学習障害と発達障害の共通点―脳の特性による“見えにくい困難”
LDと発達障害には、違いだけでなく大きな共通点もあります。
特にママが知っておくとラクになるポイントはここです
どちらも“脳の特性”によって生まれるもの
努力不足・育て方・性格が原因ではありません。
LDも発達障害も、
脳の情報処理の仕組みがちょっと違うだけなんです。
たとえば…
- 「見る → 読む → 理解する」のステップに時間がかかる子
- まわりの音が気になって集中できない子
- 1つのものにすごく集中する子
これは“その子のせい”ではなく、
脳の得意・不得意のバランスが人より少し偏っているだけのこと。
そしてもうひとつの共通点は、
どちらも“外から分かりにくい”困りごとが多いということ
たとえば、
- 普通に話せるのに字を書くと崩れてしまう(LD)
- 元気に遊べるのに集団行動になると混乱してしまう(ASD)
- ふだんは落ち着いてるのに急に衝動的な行動が出る(ADHD)
外見や普段の様子だけでは、
なかなか“本当の苦手さ”に気づけません。
だからこそ、
ママの「この子は悪くない」という理解が、子どもの安心につながるんです。
LDとASD/ADHDが重なって見える理由―併発が多いのはなぜ?
実は、
LDとASD・ADHDは併発することが非常に多いと言われています。
「うちの子、学習のつまずきだけじゃなさそう…?」
という場合、まさにこの“併発”が関係していることもあります。
併発が多い理由①:脳の情報処理は複数の領域が関係している
読み書き・計算って、実は想像以上に複雑な作業なんです。
読むには…
- 文字を見る
- 形を認識する
- 音に変換する
- 意味を理解する
という “4つの処理” が必要です。
このうちどこか1つでも苦手な領域があると、
読みのつまずき(ディスレクシア) につながります。
ASDやADHDでも、この処理が苦手な場合があるため、
LDと重なって見えやすいのです。
併発が多い理由②:注意の散りやすさが学習に影響する
ADHDの「不注意」が強い子は、
文字や数字に集中しづらく、読み書きが発達しにくい場合があります。
- 「気づくと違う行を読んでいる」
- 「書く途中で注意がそれてしまう」
こうした行動が続くと、
“LDのように見える状態” になりやすいのです。
併発が多い理由③:学習のつまずきが“行動の困りごと”を引き起こすことも
たとえば、LDがあると…
- 読めない → 授業についていけない → 不安やストレスが増える
- 書けない → ノートが取れない → 叱られる → 自信をなくす
これが続くと、
行動が不安定になったり、気持ちのコントロールが難しくなったりすることがあります。
こういった背景から、
「学習面の困りごと」と「行動面の困りごと」が重なって見えることが多いのです。
ママが知っておくとラクになるポイント
- LDとASD/ADHDは一緒に出ることも多い
- 併発していても支援の方法はたくさんある
- 子どものせいではなく、特性の重なりで起こる現象
この3つを知っておくだけで、
「どうしてこんなに大変なの?」という気持ちが少し軽くなります。
学習障害・発達障害はどこで診断される?学校・専門機関での流れを解説
「診断ってどうやって受けるの?」「まず何をしたらいいの?」
そんな不安を持つママはすごく多いです。
実は、診断の流れには“ある程度のパターン”があって、
その仕組みを知っておくだけで、気持ちがかなりラクになります。
ここでは、学校での“気づき”から、専門機関での評価、
そして診断がなくても使える支援まで、まるっとまとめて説明します。
学校で気づかれるサイン―読み書き・集団生活で表れやすい特徴
多くの子は、学校生活の中で “あれ?ちょっと気になるな…” というサインが見つかりやすいです。
特に、先生から声がかかる場面はだいたい決まっています。
学習の場面で見えるサイン
- 音読になると極端にゆっくりになる
- 文字がなかなか覚えられない
- ノートが読めない字でいっぱいになる
- 計算になると急にスピードが落ちる
- 宿題の量が“異常に”負担になっている
集団生活で見えるサイン
- 友だちとのやり取りがぎこちない
- 注意がそれてしまい、話を聞き逃しやすい
- 予定変更に弱く、パニックになりやすい
- 待つ・順番が苦手で衝動的な行動が出る
こうしたサインは、ママにとっても
「そういえば家でもそんなところあったかも…」
とつながることが多いです。
大事なのは、
「できていない=努力不足」ではない
ということ。
学校からの指摘はショックに感じることもありますが、
子どもを傷つけないための“早期の気づき”として前向きにとらえてOKです。
相談先はどこ?教育相談・発達相談・小児精神科の役割
では、「気になる」と思ったとき、どこに相談すればいいのでしょうか?
実は、目的によって相談先が変わります。
① 教育相談(学校・市区町村)
学校の先生や教育相談の担当者が話を聞き、
学校での困りごとについてアドバイスをもらえます。
- 学校での様子
- 宿題の調整
- 合理的配慮(テストの工夫など)
こうした“学校生活での支援”について相談するのにピッタリ。
② 発達相談センター
発達の専門スタッフ(心理士・相談員など)が在籍しています。
- 日常生活の行動
- コミュニケーション
- 感覚の特性
- 発達の全体的なバランス
こうしたより広い視点での相談ができます。
③ 小児精神科・児童精神科
正式な診断を受けるなら、ここが必要になります。
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD
- LD(学習障害)
などの評価を医師が行い、必要な診断書も出してもらえます。
迷ったときは「まず教育相談か発達相談センター」
最初から病院に行くより、
まず“困りごとを整理”できる場所に相談するとスムーズです。
診断の基準と検査(WISC・読字テストなど)をわかりやすく解説
実際の診断では、いくつかの検査が組み合わせて行われます。
ここは難しそうに聞こえる部分ですが、
やさしくポイントだけ押さえていきましょう。
WISC(知能検査)
子どもの
- 言葉の理解
- 視覚で認識する力
- 作業スピード
- ワーキングメモリ(覚えながら考える力)
などを数値化して、発達のバランスを見る検査です。
「どこが得意で、どこが苦手なのか」がハッキリ分かるので、
ママにとってもとても参考になります。
読み書きの検査(ディスレクシアの評価)
- 文字を読むスピード
- 正しく読めているか
- 文章の理解度
- 書字の正確さ
などを丁寧にチェックします。
読むのが遅い=理解力が低いとは限らない点が重要です。
計算・数の理解の検査(ディスカリキュリア評価)
- 数の大きさの概念
- 繰り上がりの理解
- 四則演算の意味
などを見ながら、
「どこでつまずいているのか」を確認します。
診断の目的は“ラベルを貼ること”ではない
診断は、
“その子がラクに学べる・生活できる方法を見つけるため” のものなんです。
決して、子どもを決めつけるためではありません。
診断なしでも受けられる支援―通級・合理的配慮・放課後等デイサービス
診断がつかないと支援が受けられない…と思われがちですが、
実は 診断なしでも使える支援はたくさんあります。
① 通級指導教室(学校内の個別支援)
特定の教科やスキルを強化する場所。
- 読み書きの練習
- コミュニケーションの練習
- 行動のコントロール
- 学習のコツを身につける
などができて、学校生活の中で大きな助けになります。
② 合理的配慮(テスト・授業の工夫)
たとえば…
- 板書を減らしてもらう
- タブレット入力を許可する
- テスト時間を延長してもらう
- 口頭で説明してもらう
など、子どもが本来の力を発揮できるように工夫してもらう制度です。
※診断がなくても、学校との話し合いで実施されることが多いです。
③ 放課後等デイサービス
学校ではフォローしきれない部分をサポートしてくれる福祉サービスです。
- 学習支援
- ソーシャルスキル(友だちとの関わり)
- コミュニケーション
- 感覚統合あそび
- 自己肯定感を育てる活動
など、家では難しい支援も専門スタッフが行ってくれます。
診断が“ゴール”ではなく、支援への“入口”
診断の有無に関わらず、
ママと子どもが 「ラクに生活できる環境を整える」 ことが最優先です。
支援の選択肢がわかるだけで、
ママの心の負担もグッと軽くなりますよ。
家庭でできる学習障害・発達障害の支援方法|今日から使える実践アイデア
「家ではどう関わればいいの?」「何から始めればいいの?」
そんなママのために、ここでは 今日から使える“超実用的なアイデア” をまとめました。
どれも難しい特別支援テクニックではなく、
家庭で“ちょっと工夫するだけ”で子どもがグッとラクになる方法ばかりです。
LDの学習を助ける方法―読み上げツール・タブレット活用・宿題調整のコツ
LD(学習障害)の子は、学習の中のたった一部分だけが苦手になるタイプ。
だからこそ、「できないところ」を補いながら、得意な力を使って学ぶ工夫がとても大事です。
① 読みの負担を減らす“読み上げツール”を使う
読みが苦手な子にとって、
「読む」=すごく重い作業 です。
勉強の前に疲れてしまっては本末転倒なので、
こんなツールが使えます
- 音声読み上げアプリ
- 学校の教科書の音声データ
- YouTubeの朗読動画
読む作業を手放すと、
「理解する力」だけに集中できるので、
学びのハードルが一気に下がります。
② 書字が苦手なら“タブレット入力”に切り替える
書くことに苦手さがある子は、
「書く」より「考える」方に力を使わせてあげるのがポイント。
おすすめはこんな方法
- タブレットの音声入力を使う
- キーボードを使って文字を打つ
- 手書きが必要な部分だけ最低限にする
書くことを減らすだけで、
学習のストレスがガクッと減る子は本当に多いです。
③ 宿題の“量”を調整するだけで子どもはラクになる
LDの子にとって、宿題の量がそのまま“苦しさの量”になりがちです。
ママから先生に、
- 「読みの負担を減らしたい」
- 「書き写しの量を調整できますか?」
- 「宿題を選べるようにしてほしい」
と相談するだけで、
子どもの負担が劇的に減る場合もあります。
学校側も「言ってもらえれば調整できたのに…」ということが多いので、
遠慮せずに伝えてOKです。
ASD・ADHDの子に役立つ“家庭での声かけと環境づくり”
ASDやADHDの子は、「環境」や「声かけ」の工夫だけで
行動の安定度がぐっと変わります。
家庭でもすぐできる方法をまとめました。
① 見通しがわかれば安心する(スケジュールの工夫)
ASDの子は特に、予定がはっきりしていると落ち着きやすいです。
- 朝の流れをイラストで見える化
- 今日やることを3つだけ書き出す
- 「あと5分で終わりだよ」と予告する
こうした工夫だけで、
急な不安やパニックを防ぎやすくなります。
② 気が散りやすい子には“環境調整”が効果的
ADHDタイプの子には、
集中を妨げるものを減らすのがカギです。
- 机の上を必要最低限にする
- テレビや音を消す
- 勉強時間を短く区切る(例:10分+休憩2分)
集中できる時間は短くてOK。質を優先しましょう。
③ 声かけは“短く・具体的に・一つずつ”
発達障害の子は、
長い指示や曖昧な言い方だと混乱してしまうことがあります。
例)「ちゃんとやってね」→NG
例)「鉛筆を持って、この1行だけ書こうね」→OK
短く・具体的・一つずつが基本です。
ママの言い方が悪いという話ではなく、
脳が理解しやすい形に変えることが支援なんです。
ママが気をつけたいポイント―叱らない・比べない・得意を伸ばす子育て
支援の方法も大事ですが、
日々の接し方が子どもの安心につながることもとても多いです。
① できない理由は“特性”であって“努力不足”ではない
発達障害・LDの子は、
「がんばればできる」という考え方が当てはまりません。
できないのは、
- 努力が足りない
- やる気がない
のではなく、
脳の特性で“できにくい経験”をずっとしてきているからです。
叱るより、
「どうしたらラクにできるかな?」と考える方がずっと前向きです。
② ほかの子と比べないほうが親子ともラクになる
同じ学年の子と比べると、どうしても焦りが出ますよね。
でも、発達障害・LDの子は“育つペースがその子独自”です。
比べる基準を
「昨日の子どもと比べる」
にすると、親子ともにラクになります。
③ 得意を伸ばせば“苦手をカバーする力”が育つ
発達障害の子は、
得意なことがとてもはっきりしているケースが多いです。
- 電車が大好き
- 絵が得意
- パズルが速い
- 音楽が好き
こういう得意は、
自信や成功体験を積む材料になります。
得意が増えると、
苦手な部分への耐性もつきやすくなり、全体の成長につながるんです。
ママの不安に答えるQ&A|診断・支援・判断ポイントの疑問をぜんぶ解消
診断や支援の話になると、専門用語が多かったり、
ネットで検索してもいろいろな情報が出てきて混乱しやすいですよね。
ここでは、ママたちからよく寄せられる疑問をまとめて、
できるだけやさしく、わかりやすく解説していきます。
学習障害と発達障害はどちらが重い?―誤解されやすい“重さ”の話
「どっちが重いんですか?」という質問は本当に多いのですが、
実はこの考え方はちょっと注意が必要なんです。
結論:重さで比べるものではありません。
なぜかというと、
学習障害(LD)も発達障害(ASD・ADHDなど)も、
“どの領域に困りごとが出ているか” が違うだけだからです。
たとえば…
- LD → “学習の一部”に困りごとが強く出る
- ASD/ADHD → “生活全体”に影響する特性が広くある
どちらかが「重い・軽い」という話ではなく、
必要になる支援が違うだけなんですね。
そして、子どもによって特性の出方は本当にさまざま。
LDが強くても生活はスムーズな子もいれば、
ASDが軽くても集団がとてもつらい子もいます。
だから、ママが見るべきポイントは、
“重さ”ではなく、“どこにどんな困りごとがあるか”。
これを知っておくと、必要な支援がはっきりしますし、
子どもを無理に比べて落ち込む必要がなくなります。
LDは治る?改善するの?―知っておきたい支援の考え方
これも非常に多い質問ですが、
まず覚えておきたいのは…
LD(学習障害)は「治す」というより、支援で“できる形に整える”イメージ。
LDは脳の情報処理の“クセ”のようなものなので、
大人になっても特性自体が完全になくなるわけではありません。
でもここで安心してほしいのは、
支援の方法によって困りごとは大きく軽減できるということです。
たとえば…
- 読むのが苦手 → 読み上げツールで補う
- 書くのが苦手 → タブレット入力で代替する
- 計算が苦手 → イラストや具体物を使う
- 教科書がつらい → 要点だけをまとめたプリントに変更してもらう
こうした工夫を重ねることで、
“学び方を変える” → “理解しやすい方法を選ぶ” という流れになり、
子どもの負担は確実に減ります。
そして実際、多くの子は
環境調整・合理的配慮を受けることで
学校生活がかなりラクになっています。
ママが覚えておいてほしいのは、
「治す」よりも「その子に合う方法を見つける」ことがずっと大事。
LDの子は、
環境が整うと一気に力を発揮し始めるケースも多いですよ。
勉強が苦手=学習障害ではない理由|判断ポイントと注意点
「勉強が苦手ってことは学習障害なの?」
そんな疑問を持つママも多いですが、ここは注意が必要です。
勉強が苦手=LD(学習障害)ではありません。
学習が苦手になる理由には、
実はいろいろな要素が関わっています。
たとえば…
- 学習習慣がまだ身についていない
- 先生や教材との相性が合わない
- 視力や聴力の問題がある
- ADHDの不注意が影響している
- モチベーションやメンタルの影響
こういった要素で学習が苦手に見える場合もあるんですね。
では、LDの可能性があるのはどんなときかというと、
LDの判断ポイント
- 特定の教科・特定のスキルだけ極端にできない
- 練習しても改善がゆっくり
- 文章を読むと極端に疲れる
- 書字・計算だけ突出してつまずく
- 理解はできているのに作業ができない
ママが気をつけたい注意点
- 家庭だけでは判断が難しい
- 早期に適切な評価を受けると子どもがラクになる
- 無理に「がんばらせる」と逆効果になることも
判断が難しいときは、
専門機関での評価を受けるとスッと整理できます。
診断を受けるタイミングは?学校にどう伝える?よくある相談を解説
「いつ受ければいいの?」「学校になんて言ったらいいの?」
ここはママが特に迷いやすいポイントですよね。
診断を受けるタイミングは“困りごとが生活や学習に影響し始めたとき”。
たとえば…
- 宿題が毎日2〜3時間かかる
- 集団活動でしんどそう
- 友だちとの関係が不安定
- 注意がそれやすく、授業についていけない
- 学習の一部だけ、何をしてもつまずく
こうした場面が増えてきたら、
一度相談してみる価値があります。
学校に伝えるときは、事実をやさしく共有すればOK。
伝え方のコツはこちら
- 「最近こういう場面で困っています」
- 「家ではこういう様子が見られます」
- 「負担の少ない学び方を一緒に考えたいです」
- 「必要に応じて相談機関につないでいただけますか?」
学校は“味方”なので、
一緒に子どもを支えるイメージで話すとスムーズです。
よくあるママの不安にもお答えします
Q. 相談したら「問題のある子」扱いされない?
→ されません。 むしろ早期支援につながり、負担が軽くなります。
Q. 診断を受けると進路に影響する?
→ 影響しません。 診断は支援のための情報であって、子どもの未来を狭めるものではありません。
Q. 先生にどう思われるか不安です…
→ 実は先生側も「早めに相談してもらえると助かる」と感じている方が多いです。
まとめ|違いを知ることで子育てがラクになる。ママが安心して理解を進めるために
ここまで、「学習障害(LD)と発達障害の違い」「特徴」「診断の流れ」「家庭でできる支援」などを
一つひとつ整理してお話してきました。
最初は少し難しく感じたかもしれませんが、
今きっとママの中で “子どもの困りごとの理由” が少し見えてきたのではないでしょうか。
大切なのは「どこが苦手か」よりも「どう支えるか」
LDや発達障害があっても、
子どもが持っている力はたくさんあります。
- 得意なこと
- 興味のあること
- こだわり
- 好きな遊び
これらはすべて、子どもの“才能のタネ”です。
そして、苦手なことがあったって大丈夫。
*苦手は「直すもの」ではなく「工夫すれば超えられるもの」だからです。
ママが理解するだけで、子どもは安心して伸びていく
発達障害・学習障害の子は、
まわりから誤解されやすかったり、
自信をなくしやすかったりします。
でも、ママがこうして特徴を理解してあげるだけで、
- 子どもは「わかってもらえた」と安心する
- 自己肯定感が育ちやすくなる
- 家庭でのストレスが減る
- できることがどんどん増えていく
という 大きなプラスの循環 が生まれるんです。
理解は、最高の支援です。
“一人で抱え込まない”ことがいちばん大事
発達障害やLDの子育ては、
ママがすべてを背負う必要はありません。
- 学校
- 専門機関
- 通級
- 放課後等デイサービス
- 地域の支援
- 相談窓口
こうしたサポートは、
ママと子どもがラクになるために用意されているものです。
「しんどいな」と思ったら、いつでも頼ってOK。
それは決して弱さではなく、“賢い選択”です。
子どもの困りごとは、
ママのせいではありません。
そして、
子どもは、ママが思っている以上にたくさんの力を持っています。
少しずつ理解しながら、
今日できることをひとつずつ一緒に進めていけば大丈夫。
このブログが、
ママの不安を少しでも軽くし、
子育てがちょっとラクになるきっかけになれば嬉しいです。
以上【学習障害と発達障害の違いとは?タイプ別特徴・診断・支援を徹底まとめ!】でした










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