自閉症や発達障害の子どもに多い「不安・癇癪」とは?
自閉症や発達障害のある子どもは、日常の中でどうしても不安を感じやすかったり、癇癪(かんしゃく)やパニックになりやすいことがあります。
これは「性格の問題」ではなく、子どもたちの脳や感覚の特性からくる自然な反応です。つまり「わがままだから泣いている」のではなく、心や体が「もう限界!」とサインを出している状態なんですね。
ママとしては「なんでこんなに急に泣くの?」「どうして落ち着いてくれないの?」と不安になることもあると思います。ですが、実はこれにははっきりとした理由があることが多いんです。
どんな場面で癇癪やパニックが起きやすい?
子どもが癇癪を起こすのには、いくつか典型的なパターンがあります。
- 音や光に敏感なとき(感覚過敏)
例えば掃除機の音やスーパーの蛍光灯、アラームの音など、大人にとっては「普通」でも、子どもにとっては大きなストレスや刺激になります。こうした状況が重なると、不安やパニックにつながりやすいです。 - 予定変更に弱いとき
「今日は公園に行くよ」と言っていたのに雨が降って行けなくなったり、急にスケジュールが変わると、見通しが立たなくなって強い不安を感じる子が多いです。大人が「仕方ないよね」と思えることでも、子どもにとっては大きな混乱になります。 - 集団生活のストレス
幼稚園や保育園などでの集団生活は、周囲に合わせることや予想外の出来事が多く、子どもにとってストレスの連続です。自分の気持ちを言葉でうまく伝えられない場合、結果として癇癪やパニックという形で表れてしまうことがあります。
こうした場面は、ママやパパにとっても「またか…」と疲れてしまう瞬間ですよね。でも、これらは子どもが「困っているサイン」だと考えると、少し見方が変わるかもしれません。
落ち着くために必要な3つのポイント
では、そんなときに子どもが落ち着きを取り戻すにはどうしたらいいのでしょうか?
ポイントは大きく分けて3つあります。
- 繰り返し動作で安心感を得る
ボタンを押す、同じ動きを繰り返す、並べる…などの動作は、子どもに予測可能な安心感を与えます。繰り返すことで心が整いやすくなります。 - 感覚統合をうながす刺激
握る、触る、見る、音を聞く…などの五感をバランスよく刺激する遊びは、不安をやわらげる効果があります。例えば「手でものをぎゅっと握る」と、体の緊張もやわらぎやすいです。 - 自己コントロールできる体験
「自分で選ぶ」「自分で遊びを止める」といった体験は、子どもに安心感と自信を与えます。癇癪のときでも「自分で落ち着く方法を持っている」と感じられると、不安を少しずつ減らせます。
この3つのポイントを意識すると、手作りおもちゃや遊び方の工夫がぐっと効果的になります。
【ママ必見】落ち着くおもちゃを手作りする3つのメリット
子どもの癇癪や不安に対応するために役立つ「落ち着くおもちゃ」。市販のものもたくさんありますが、実は手作りだからこそ得られるメリットが大きいんです。ここでは、特にママに知ってほしいポイントを3つご紹介します。
子どもの特性や好みに合わせて作れる
自閉症や発達障害のある子は、「この色は落ち着く」「この触り心地はイヤ」など、感覚の好みがとてもはっきりしていることがあります。市販品はどうしても「みんな向け」に作られているので、その子にぴったり合うものが少ないのが現実です。
手作りなら、子どもが好きな色のビーズを入れたり、苦手な素材を避けたりと、オーダーメイドのように合わせられるのが大きな魅力。実際に、「赤いビーズは落ち着くけど青は苦手」という子に合わせてスノードームを赤メインで作ったら、癇癪が減ったという事例もあります。
つまり、「子どもの安心ポイントを形にできる」のが手作りの強みなんです。
100均素材でコスパ良く続けられる
落ち着くおもちゃは、子どもが気に入って繰り返し遊ぶほど効果が出やすいですが、同時に壊れやすいこともあります。市販のグッズだと1つ数千円することもあり、「また買わなきゃ…」と家計的に悩んでしまうことも。
でも、100均素材で作れる手作りおもちゃなら安心!ペットボトル、ビーズ、風船、ジッパーバッグなど、どれも安くて簡単に手に入ります。さらに、壊れてもすぐに作り直せるので「気に入ったら何度でも作ってあげられる」というのもママにとって嬉しいポイントです。
コスパが良いというのは、単にお金の節約だけでなく、「安心して子どもに使わせられる」という心の余裕にもつながります。
親子で一緒に作ることで安心感アップ
実は「作る過程」そのものも大切です。ママと一緒にのりで貼ったり、ビーズを入れたりする体験は、子どもにとって「ママと一緒に楽しいことをした!」という安心感につながります。
専門家の視点からも、共同作業は親子の絆を深めるだけでなく、子どもの自信や達成感を育てると言われています。完成したおもちゃを手に「自分で作った!」と思えることは、気持ちの安定にも効果的なんです。
さらに、親子で「この色が好きだね」「この音いいね」と会話しながら作ることで、コミュニケーションのきっかけにもなります。遊ぶだけじゃなく「作ること自体が支援」になる、これも手作りの大きな魅力です。
【材料リスト】100均で揃う!落ち着くおもちゃの手作り素材
手作りおもちゃのいいところは、特別な材料がいらないこと。ほとんどのものが100均や家の中でそろってしまうんです。ここでは、実際におすすめできる素材と、注意しておきたい安全面についてまとめました。
ペットボトル・ビーズ・布・風船などおすすめ素材
100均に行くと、「あ、これおもちゃに使えそう!」と思えるものがたくさんあります。特に人気なのは次のような素材です。
- ペットボトル:中にビーズやラメを入れると「センサーボトル」や「スノードーム」に早変わり。透明なので視覚刺激にぴったり。
- ビーズやスパンコール:色や形が選べて、動きや音で子どもを落ち着かせてくれます。好きな色を選ぶと安心感がアップしますよ。
- 布やフェルト:触り心地がやさしくて安全。ちょっとした工作で「ひも通し遊び」や「お手玉」も作れます。
- 風船:中に小麦粉や片栗粉を入れると、ぷにぷに感触のストレスボールに。触覚刺激にとても効果的です。
どれも100円で手に入るものばかりなので、気軽に試せるのがうれしいポイントです。
家にあるもので代用できるアイテム集
「わざわざ買わなくても、家にあるものでできちゃう!」というのも手作りの魅力。例えば…
- 空き箱やティッシュ箱 → 穴を開けてポットン落としに
- ジッパーバッグ → 水やラメを入れて「シャカシャカ袋」に
- 紙コップ → 積み上げてタワー遊びや崩し遊びに
- 輪ゴムやストロー → 指先を使うおもちゃにアレンジ可能
つまり、「家の中の不要品=おもちゃの材料」なんです。エコにもなるし、子どもの成長に合わせてどんどん作り変えられるのも魅力ですよね。
安全対策チェックリスト(誤飲・破損・強度)
ただし、手作りおもちゃは安全性に配慮することが大切です。特に発達障害のある子は、強く噛んだり投げたりと予想外の遊び方をすることもあります。作るときは次のポイントをチェックしましょう。
- 誤飲対策:小さいビーズやボタンは必ずしっかり密閉する。乳幼児は口に入れやすいので特に注意。
- 破損しにくさ:風船や袋を使うときは二重にして破れにくくする。テープで補強しておくと安心。
- 強度確認:子どもが強く振ったり投げても壊れないか事前に試してみる。
- 遊ぶ環境:兄弟が小さい場合は誤飲防止のため遊ぶ場所を分ける。
こうした工夫をしておけば、安心して「落ち着く時間」を過ごせるおもちゃになります。
【実例10選】癇癪・不安に効く!落ち着くおもちゃの手作りアイデア
ここからは、実際にママたちの間で「効果があった!」と人気の手作りおもちゃの実例をご紹介します。どれも材料は100均や家にあるものばかり。簡単に作れてコスパも抜群なので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてくださいね。
① ペットボトルスノードーム|視覚で心が落ち着く
ペットボトルに水・ラメ・ビーズを入れるだけで完成する、簡単スノードーム。振るとキラキラがゆっくり沈んでいき、視覚的な落ち着きを与える効果があります。
特に「見ていると自然に呼吸がゆっくりになる」という子も多く、癇癪直後のクールダウンにおすすめです。
② ビーズ入りセンサーボトル|音で気分を切り替え
中にビーズやボタンを入れると、振ったときに「カラカラ」と心地よい音が鳴ります。聴覚の刺激によって気分が変わりやすく、外出先でも便利。
「泣きそうになったときに渡したら落ち着いた」というママの声もあります。音で注意がそらせるのがポイントです。
③ ぷにぷに風船ボール|触覚でストレス発散
風船の中に片栗粉や小麦粉を入れると、ぷにぷにした不思議な感触のボールが完成。ぎゅっと握ると手のひら全体に刺激が伝わり、ストレス発散や気持ちの切り替えに効果的です。
触覚刺激は「落ち着きホルモン」とも呼ばれる安心感を引き出しやすいので、イライラしやすいときにぴったりです。
④ ストレスボール(風船+小豆)|握って落ち着く
こちらも風船を使いますが、中身は小豆。握ると「カリカリ」とした手触りで、片栗粉とはまた違った感覚を楽しめます。
にぎにぎする動作は筋肉の緊張をやわらげる効果があり、感覚的に安心する子が多いです。落ち着かせたいときだけでなく、手先を使う練習にもつながります。
⑤ ファスナー布バッグ|繰り返し動作で安心感
小さな布バッグにファスナーをつけるだけで、開けたり閉めたりを繰り返す遊びができます。シンプルですが、この「同じ動作の繰り返し」が子どもにはとても安心感を与えます。
特に「予定変更に弱い子」や「落ち着きにくい子」には、繰り返す行為=心を整える儀式になることがあるんです。
⑥ 足裏センサーマット|感覚遊びで気持ちをリセット
プチプチやスポンジを布で包んで作るマット。裸足で歩くと、足の裏からちょうどいい刺激が伝わってきます。
感覚統合の観点からも、足裏刺激は情緒を安定させる効果が期待できるんです。室内で簡単にできる「安心リセット空間」としておすすめ。
⑦ 紙コップタワー崩し|崩す動作で情動を整理
紙コップを積み上げて「わざと崩す」遊び。倒れる音や崩れる様子は、情動の発散につながりやすいです。
「イライラしていたけどコップを倒したらスッキリした」という事例も。安全で片づけもラクなので、おうちでの癇癪対策に最適です。
⑧ 自作お手玉(布+米)|投げたり握ったりでリラックス
布にお米や豆を詰めて縫うだけで、シンプルなお手玉ができます。握る、投げる、積むなどいろんな遊びができるのが魅力。
特に「投げる動作」は、怒りや不安を外に出す行為として役立つことがあります。安全に遊べるよう、柔らかい布を使うのがポイントです。
⑨ ラメ入りシャカシャカ袋|視覚+触覚の安心刺激
ジッパーバッグに水やラメ、ビーズを入れてしっかり封をすれば完成。触ると中身が動いて、見ても触っても楽しめるおもちゃになります。
手でなぞる動作は集中力を高めやすく、気持ちを落ち着けたいときにおすすめです。持ち運びもしやすく、外出時の癇癪対策にも便利です。
⑩ フェルトひも通し|集中力UPで癇癪予防
フェルトに穴を開けて、ひもを通すだけの遊び。手先を使うことで集中力が高まり、気持ちが落ち着く効果があります。
特に「なかなか気持ちを切り替えられない子」には、没頭できる遊びとして癇癪予防にもつながります。
効果を高める!手作りおもちゃの遊び方の工夫
せっかく作った手作りおもちゃも、ただ渡すだけでは十分な効果が出ないことがあります。大事なのは、遊び方や環境をちょっと工夫すること。ここでは、ママがすぐに取り入れられる4つの工夫を紹介します。
安全第一!誤飲や破損を防ぐ工夫
まず大前提はやっぱり安全性です。どんなにいいおもちゃでも、壊れて中身が飛び出したり、小さい部品を飲み込んでしまったら大変ですよね。
例えば、ビーズ入りのボトルはしっかりフタを接着剤やテープで固定する、風船を使うときは二重にして強度を高めるなどの工夫が必要です。特に発達障害のある子は、強く噛んだり激しく振ったりと想定外の遊び方をすることもあるので、事前チェックは欠かせません。
安全を意識して作ることで、ママも子どもも安心して遊べる環境が整います。
子どもが好きな色や素材を選ぶと効果倍増
子どもがリラックスできるかどうかは、好きな色や素材かどうかがとても大きなポイントです。例えば、青や緑は落ち着きやすい色、赤や黄色は気分を高める色といわれています。でも大事なのは「その子自身が好きかどうか」。
「このビーズの色かわいいね!」「この布は気持ちいいね!」と一緒に選ぶことで、子どもの安心感がぐっと高まります。しかも、自分で選んだおもちゃは「これは僕(私)のもの!」という気持ちになり、遊びへの集中度もアップします。
遊ぶ時間や場所を決めて「安心ルーティン化」
発達障害のある子は、予定が見通せると安心します。だからこそ、手作りおもちゃも遊ぶ時間や場所をあらかじめ決めておくと効果的です。
例えば、「夕食前の10分はセンサーボトルで遊ぶ」「寝る前はお手玉でにぎにぎ」など、毎日の中に小さな“安心のルーティン”を作るイメージです。
こうした習慣化は、子どもの気持ちを安定させるだけでなく、癇癪の予防にもつながるんです。
苦手な感覚刺激は避けて「安心できる遊び」にする
最後に大事なのは、苦手な刺激を避けることです。例えば「キラキラは好きだけど音は苦手」「ザラザラ素材は嫌だけど柔らかい布なら安心」など、子どもによって感じ方はさまざま。
大人から見れば「楽しそうなおもちゃ」でも、子どもにとってはストレス源になることもあるんです。無理に遊ばせるのではなく、「これ嫌だね」と気づいたらすぐにやめて、安心できる遊びに切り替えるのがベストです。
【シーン別】おすすめ手作りおもちゃの選び方
子どもの癇癪や不安って、実は「いつ起きるか」や「どんな場面で出やすいか」によって対処法が変わってきますよね。手作りおもちゃも、ただ持っているだけではなく、シーンに合わせて選ぶことで効果がグンとアップします。ここでは、外出時・就寝前・癇癪直後という3つの場面に分けて、おすすめの使い方をご紹介します。
外出時の癇癪・パニック対策に便利なアイテム
お買い物や病院の待ち時間など、外出先で子どもが不安になったり癇癪を起こしたりすること、ありますよね。そんな時に役立つのが、持ち運びしやすい手作りおもちゃです。
例えば、センサーボトル(小さめサイズ)やシャカシャカ袋は、カバンに入れてもかさばらないし、サッと取り出せます。見た目もかわいいので、周りの人からも「おもちゃで遊んでいる」と自然に見えるのもポイント。
特に外では「静かに遊べるもの」が大事。音が大きく出るタイプよりも、視覚や触覚を使って落ち着けるものが安心です。
就寝前にリラックスできる手作りおもちゃ
夜の寝かしつけ前は、子どもが一日の緊張を引きずってなかなか落ち着けない時間。そんな時に効果的なのが、リラックス系のおもちゃです。
例えば、ペットボトルのスノードームは光の反射やラメのゆったりした動きが眠気を誘います。また、お手玉や布ボールを「にぎにぎ」したり「ポンポン」と軽く投げるのも、気持ちを整理する助けになります。
寝る前にこうしたおもちゃを取り入れると、子どもは「これを触ったらもう寝る時間」と自然に切り替えられるようになり、安心ルーティンの一部にもなるんです。
癇癪直後に使えるストレス発散系おもちゃ
癇癪を起こした後は、子ども自身も実はすごく疲れているし不安定なんです。そんな時に無理に言葉で落ち着かせようとするよりも、体を使ってストレスを発散できるおもちゃが役立ちます。
例えば、ぷにぷに風船ボールやストレスボール(風船+小豆など)は、握ったりつぶしたりすることで感情を外に出せます。また、紙コップタワー崩しのように「崩す」「壊す」動きがあるおもちゃは、子どもにとって気持ちを整理するきっかけになります。
ポイントは、「安全に壊せる」遊びを用意しておくこと。癇癪のエネルギーを安心して出せる場があると、次に切り替わるのが早くなるんです。
【比較】市販の落ち着くグッズ vs 手作りおもちゃ
子どもの不安や癇癪を和らげるために、世の中にはたくさんの「落ち着くグッズ」がありますよね。ネットやお店で買えるものもあれば、身近な材料で手作りできるものもあります。どちらにもメリットとデメリットがあるので、シーンや子どもの特性に合わせて選んでいくのがおすすめです。
市販グッズの強み(安全性・耐久性)
市販されている落ち着くグッズは、やっぱり「安全性」や「耐久性」がしっかりしています。例えば、シリコン製のかむおもちゃ(チューイー)や、感覚遊び用のスライム風グッズなどは、専門的に作られている分、誤飲防止や壊れにくさが考えられています。
また、デザイン性や機能性も高いので、「子どもがすぐに気に入ってくれた」という声も多いです。特に外出先や学校に持っていく場合は、市販グッズの方が安心感が大きいですね。
手作りグッズの魅力(自由度・コスパ)
一方で、手作りおもちゃの良さは「自由度の高さ」と「コスパの良さ」です。100均や家にあるものを組み合わせれば、子どもの好みにぴったり合わせたグッズを作れます。
例えば「青い色が好きだから、ビーズも全部ブルーにする」とか、「手触り重視だから、ふわふわ布を使う」など、その子の特性にあわせてアレンジできるのが大きな強みです。
さらに、市販グッズをいくつも買うと費用がかさみますが、手作りなら材料費が数百円で済むことも多く、続けやすいのが魅力です。
両方を組み合わせる賢い使い分け方
実は「市販か手作りか、どちらかに決める」必要はありません。両方を組み合わせて使うのがいちばんおすすめなんです。
- 外出や学校 → 市販グッズで安全・耐久性を重視
- 家の中や就寝前 → 手作りグッズで自由に楽しむ
こんなふうにシーンごとに使い分けると、ママも「無理なく続けられる」し、子どもも「色んな安心アイテムがある」ことで気持ちの切り替えがしやすくなります。
大切なのは、「ママと子どもにとって安心できるかどうか」。その視点で選べば、どちらを使っても正解になりますよ。
先輩ママの体験談|手作りおもちゃで変わった日常
実際に「手作りおもちゃ」を取り入れてみたママたちからは、「生活がちょっとラクになった」という声がたくさん届いています。ここでは、その中から代表的な体験談を3つご紹介します。どれも身近な材料で作れるものなので、「うちでもやってみようかな」と思えるはずです。
「センサーボトルで外出の癇癪が減った」
あるママは、外出のたびに子どもが急に泣き出したり、パニックを起こしたりするのが大変な悩みでした。そこで、100均のペットボトルとビーズで「センサーボトル」を作ってみたそうです。
電車や病院の待ち時間に子どもに渡すと、ビーズやラメがゆっくり沈んでいくのをじーっと見て落ち着けるようになり、癇癪の回数がぐんと減ったとのこと。
この体験からもわかるように、センサーボトルは「視覚の刺激で心を落ち着ける効果」が期待できます。外出時の不安対策として、とても役立つアイテムです。
「寝る前のお手玉でぐっすり眠れるように」
別のママは、夜になると子どもがなかなか寝付けず、布団に入ってもゴロゴロと動き続けてしまうのが悩みだったそうです。そこで、布の端切れとお米で「自作お手玉」を作ってみました。
寝る前に軽く握ったり、投げたりすることで、手や体を動かして安心感を得られるようになり、自然と気持ちが落ち着いてきたとのこと。結果として、以前よりすんなり眠りにつけるようになったといいます。
手を動かすことは「脳と感情の整理」にもつながるので、寝る前のお手玉遊びはスムーズな入眠習慣をサポートしてくれるんですね。
「親子で作る時間が安心感につながった」
「手作りおもちゃ」の魅力は、遊ぶだけじゃありません。あるママは「子どもと一緒に作る時間が増えたことで、親子の安心感がぐっと深まった」と話してくれました。
例えば、風船に小豆を入れて一緒にストレスボールを作ったとき。風船の色を子どもが選んだり、小豆を入れるときにお手伝いしてくれたりと、「自分で作った!」という達成感を感じられたそうです。
その後も「これは自分の特別なおもちゃ」として大事に使うようになり、不安なときに自分から手に取って落ち着く習慣ができたのだとか。
親子で作る時間そのものが、「心をつなぐ安心のルーティン」になるのは素敵ですよね。
専門家アドバイス|作業療法士がすすめる落ち着く遊び
発達支援の現場で子どもと関わっている作業療法士さんによると、「落ち着く遊びはただ楽しいだけじゃなく、感覚のバランスを整える大切な役割がある」そうです。ここでは、専門家がすすめるおもちゃや遊び方のポイントをわかりやすくご紹介します。
感覚統合理論に基づいたおすすめおもちゃ
作業療法士さんがよく口にするのが「感覚統合」という考え方です。これは、目や耳、体の感覚をうまく整理していく力のこと。感覚がうまくまとまると、子どもは安心して行動できるようになります。
そのためにおすすめなのが、「視覚」「触覚」「前庭感覚(体のバランス感覚)」を刺激できるおもちゃ。
例えば:
- センサーボトル(視覚で落ち着く)
- ぷにぷにボール(触覚で安心感)
- ブランコやゆらゆら遊具(バランス感覚を整える)
こうした遊びは、子どもにとってただの「楽しい時間」ではなく、心を安定させるリハビリ的な効果も期待できるんです。
避けるべきNG素材と遊び方
一方で、作業療法士さんが注意を呼びかけるのが「安全性」です。特に発達障害のある子は感覚が敏感だったり、逆に強い刺激を求めたりすることがあるので、以下には気をつけたいところです。
- 誤飲の危険がある小さいビーズやパーツ
- 割れやすいガラス容器
- 強すぎる光や大きすぎる音が出るもの
また、遊び方にも注意が必要です。例えば「ストレスボールを強く噛む」「風船を思いきり引っ張る」などは破損や事故につながります。作業療法士さんいわく、「安心して繰り返し使えるものを選び、無理のない範囲で遊ぶこと」が何より大事だそうです。
おもちゃを支援の一部として活用する工夫
作業療法士さんは、手作りおもちゃを「支援の一部」として組み込むことをすすめています。たとえば:
- 外出前の不安対策としてセンサーボトルを持たせる
- 寝る前のルーティンにお手玉遊びを取り入れる
- 癇癪直後の気持ち切り替えにストレスボールを渡す
このように「どの場面で、どのおもちゃを使うか」をあらかじめ決めておくと、ママも子どもも安心できます。
さらに、遊びを通して「今は落ち着く時間だよ」と合図を送ることができるので、子ども自身が「自分で気持ちを整える力」を少しずつ身につけられるんです。

Q&A|よくある疑問にお答えします
手作りおもちゃに挑戦したいママからは、「本当に効果あるの?」「安全性は?」など、いろいろな疑問の声が聞こえてきます。ここでは、よくある質問をピックアップして、わかりやすくお答えします。
Q. 100均素材だけで効果はある?
A. はい、十分に効果はあります。実際、100均の素材は種類が豊富で工夫次第でいくらでもアレンジできるのが魅力です。例えば、ペットボトルにラメやビーズを入れるだけで「センサーボトル」が完成しますし、風船と片栗粉を組み合わせれば「ストレスボール」が作れます。
高価な市販グッズと比べるとシンプルですが、子どもにとって大切なのは「自分が安心できる感覚刺激」です。素材が安価でも、その子に合っていればしっかり効果が期待できます。
Q. 誤飲が心配な場合は?
A. これはママにとってとても大切なポイントです。小さなビーズや豆などは誤飲の危険があるため、年齢や発達段階に合わせて使い方を工夫することが必要です。
例えば:
- ビーズやラメはペットボトルにしっかり封をして接着剤で固定する
- 小豆やお米を使うときは、二重にした布や風船で包む
- 遊ぶときは必ずママの目が届く範囲で
安全対策をしっかりすれば、誤飲リスクはグッと下げられます。
Q. 効果が出ないときの工夫は?
A. 子どもによって合う刺激はさまざまなので、「この子には視覚刺激が合うのか、触覚刺激が落ち着くのか」を試しながら調整するのがおすすめです。
もし「効果が感じられないな」と思ったら:
- 素材を変えてみる(ビーズ → スパンコール、風船 → 布など)
- 色を工夫する(落ち着く色を選ぶと効果大)
- 遊ぶ時間を短く区切る(集中しやすくなる)
「効果がない=失敗」ではなく、「合う方法を探す途中」と考えると気がラクになります。
Q. 兄弟一緒に遊ばせても大丈夫?
A. 基本的にはOKですが、年齢差や発達の段階に合わせた工夫が必要です。小さい兄弟がいる場合は、誤飲しそうな素材を避けたり、壊れにくい丈夫なアイテムを用意したりすると安心です。
むしろ、兄弟で一緒に遊ぶことで「真似っこ遊び」や「順番を待つ練習」につながることもあります。ただし、取り合いになってストレスが増えることもあるので、場合によっては「一人ひとつずつ」作ってあげるのもおすすめです。
まとめ|不安・癇癪に効く!落ち着くおもちゃを手作りしてみよう
発達障害や自閉症のお子さんの「不安」や「癇癪(かんしゃく)」に向き合うのは、毎日の子育ての中でもとても大変なことですよね。つい「どうしたらいいの?」と途方に暮れる日もあると思います。そんなときに役立つのが、手作りの落ち着くおもちゃです。
大切なポイントは、たったの3つ。
- 安全を第一に考えること
- 子どもの特性や好みに合わせて工夫すること
- 遊びをルーティン化して「安心の流れ」を作ること
この3つを意識するだけで、手作りおもちゃは「ただの遊び道具」から「安心を届けるサポートアイテム」に変わります。
たとえば、簡単なセンサーボトルや風船ボールでも、子どもが自分で気持ちを切り替える練習のきっかけになりますし、親子で一緒に作る過程そのものが安心感につながります。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。今日からできる簡単なものを一つ作ってみることが、第一歩になります。100均の材料でチャレンジできるものもたくさんありますし、「これならうちの子も喜びそう!」と思ったら、気軽に試してみてください。
子どもに合うおもちゃを見つけていく過程は、ママにとっても「うちの子の特性を理解する」大切な時間になります。少しずつ工夫しながら、毎日の不安や癇癪をやわらげていけるといいですね。
以上【不安・癇癪がスーッと静まる!自閉症・発達障害に効く落ち着くおもちゃ手作り実例集】でした
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