オウム返しばかり…うちの子だけ?エコラリアに悩むママ・パパへ贈る対処ガイド
「ママ、ママ、ママ……」「ジュースって言ったね、ジュースって言ったね…」——
そんな風に子どもが同じ言葉を繰り返す“エコラリア(オウム返し)”に、不安を感じていませんか?
とくに、自閉スペクトラム症(ASD)や発達がゆっくりなお子さんに見られることが多いこのエコラリア。「うちの子、大丈夫かな…」「なんで会話にならないの?」と、戸惑うママ・パパの声はとても多いんです。
でも、ちょっと待ってください。
エコラリア=困ったクセ、ではないんです。
実は、子どもたちは「まねっこ」の言葉を通して、“伝える練習”をしている場合もあります。だからこそ、無理にやめさせようとする前に、その子なりの“伝えたい気持ち”をくみ取る視点がとても大切なんです。
この記事では、
- エコラリアの基本知識や種類
- 「やめさせる」よりも大切な関わり方
- 家庭でできる声かけや遊びアイデア10選
など、親ができることを“実践ベース”でたっぷりご紹介します。
また、「怒ってしまったけど大丈夫?」「何歳まで続くの?」といったママ・パパのよくある疑問にも丁寧にお答えしていきます。
発達支援や療育の専門的な視点も交えつつ、カジュアルで読みやすく、“今すぐできる工夫”がたっぷり詰まった内容になっていますので、最後までぜひ読んでみてくださいね。
子どもの“ことばの世界”を、あたたかく広げていくヒントがきっと見つかりますよ。
エコラリアってなに?特徴と知っておくべき基礎知識
「エコラリア」という言葉、最近よく耳にするけど、実際にどんなものなのかピンとこない方も多いかもしれません。
「子どもが同じ言葉ばかり繰り返して話す」「返事が全部オウム返し…」そんな様子を見て、「うちの子、会話できないのかな?」と不安になってしまうママ・パパも多いんです。
でも実はこの“まねっこ発話”、発達段階ではよく見られるものなんです。
ここでは、そんなエコラリアの基本をわかりやすく紹介していきます。
「エコラリア」ってどういうもの?即時型と遅延型の違い
まず、エコラリアとは「相手が言った言葉をそのまま繰り返すこと」を指します。
“エコー(echo)=こだま”のように、言葉が反響して返ってくるイメージですね。
このエコラリアには、大きく分けて2つのタイプがあります。
✔ 即時エコラリア
その場ですぐに言葉を繰り返すタイプ。
たとえば、大人が「ジュース飲む?」と聞くと、「ジュース飲む?」とそのまま返すケースです。
✔ 遅延エコラリア
過去に聞いた言葉やフレーズを、時間が経ってから突然繰り返すタイプ。
たとえば、以前見たアニメのセリフを急に何度も口にしたり、数日前に聞いたCMのフレーズを場面に関係なく言ったりする場合があります。
どちらも、「意味のないおしゃべり」と思われがちですが、実際は“ことばを練習している”“自分なりのコミュニケーションを取ろうとしている”というケースもあるんです。
発達障害の子によく見られる理由とは?
エコラリアは、とくに自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんによく見られる特性のひとつです。
でも、これは単なる“クセ”ではなく、本人なりの「ことばの使い方」のひとつとも言えるんです。
では、なぜASDの子どもに多いのでしょうか?
理由1:言葉の意味の理解がまだあいまいだから
ことばの“音”は覚えていても、その意味や使い方がまだはっきりわかっていない。だから、とりあえず聞いたままをまねする、という形になります。
理由2:相手の意図を読み取るのが苦手だから
相手が質問しているのか、ただ話しているだけなのか、状況や気持ちをくみ取るのが難しい子にとって、「とりあえず返す」手段としてエコラリアが使われることも。
理由3:自分の感情や欲求を表現する方法が限られているから
「こう言えばジュースが出てきた」「この言葉を言うと安心する」など、エコラリアが“手段”として機能していることも多いんです。
つまり、本人にとっては「意味がある行動」なんですね。
ここをしっかり理解しておくと、親としての対応もグッと変わってきますよ。
成長とともにどう変わる?将来の見通しもチェック!
「いつになったらなくなるの?」「ずっとこのまま?」
これは、多くの親御さんが感じる不安だと思います。
結論から言うと、多くの子どもは成長とともにエコラリアの頻度が減っていく傾向があります。
とくに、語彙力や文の構成力、気持ちの表現力などが育ってくると、自然と“自分の言葉”で話せるようになるんです。
ただし、それには個人差が大きいという点も理解しておく必要があります。
発語が遅いタイプの子は長く残る傾向も
気持ちが高ぶったときや緊張時には、成長後も出ることがある
一見「無意味」に見えても、本人にとって“意味ある繰り返し”の場合がある
また、発語の少ない子がエコラリアを通して発信を始めたときは、「ことばの芽が出てきた!」と前向きにとらえることも大切です。
将来について心配になる気持ちはよくわかりますが、“その子なりのペース”を大事にして見守っていくことが、最も大切な支援になります。
本当に“やめさせる”べき?エコラリアとの上手な付き合い方
「エコラリアって困った行動だから、やめさせたほうがいいのかな…?」
そう思ってしまうのは、ごく自然なことです。
でも実は、やみくもに“やめさせよう”とすると、逆に子どもの成長を妨げてしまうことがあるんです。
この章では、エコラリアとどう向き合えばよいか、親としての心構えや関わり方のヒントをわかりやすく紹介していきます。
無理にやめさせると逆効果?その理由を解説
エコラリアが気になって、「その言い方やめようね」「ちゃんとお話しして」などとつい注意してしまうこと、ありますよね。
でも、ちょっと待ってください。それ、逆効果になっているかもしれません。
なぜなら、子どもにとってエコラリアは“安心材料”だったり、“気持ちを伝える手段”だったりするからです。
たとえば、
- 不安なときに繰り返すことで気持ちを落ち着かせている
- 相手と関わりたいけれど、自分の言葉がまだ出てこない
- 会話の型を学んでいる最中で、とりあえず真似している
など、一見ただの“オウム返し”に見えても、子どもなりの意味や意図があることが多いんです。
そんなときに「それやめなさい」と否定されると、子どもはどう感じるでしょう?
おそらく、「ぼくの話し方はダメなんだ」「どう伝えたらいいのかわからない」と混乱してしまうはず。
大人が“困った行動”と見えることも、子どもにとっては大事な発信。
だからこそ、まずは「今、この子は何を伝えようとしてるのかな?」という視点で関わってみることがとっても大事なんです。
「やめさせる」より「伝える力を育てる」がカギ!
エコラリアに対して大切なのは、“やめさせる”ことよりも“伝える力”をどう伸ばすかにフォーカスすることです。
たとえば、こんな関わり方が有効です。
子どもの発話を意味ある返答で受け止める
「ジュース飲む?」と返ってきたエコラリアに対して、「そうだね、ジュース飲みたいんだね」と気持ちを代弁してあげることで、“言葉が通じた”という実感が生まれます。
代わりの表現をさりげなくモデル提示する
「バス来るよ〜」と繰り返す子に、「バスが来たらワクワクするね!」と新しい表現を加えて返すことで、自然な会話のバリエーションを学べます。
“やりとり”の形を遊びの中で育てる
ごっこ遊びやカード遊びなどを通じて、「言葉を交わす楽しさ」や「順番で話す習慣」を身につけていくのもおすすめです。
こういった関わりは、子どもが“自分の言葉で伝える”第一歩をサポートするもの。
大切なのは、「エコラリア=ダメ」ではなく、「今はこれが精一杯の表現なんだね」と理解し、成長のきっかけに変えていく姿勢なんです。
専門家と家庭、それぞれの支援の役割とは?
とはいえ、家庭だけでがんばるのは正直しんどい…。
そんなときは、専門家の力を借りることも大事な選択肢です。
たとえば…
専門家(言語聴覚士・作業療法士・臨床心理士など)
- 言葉の理解や発信の力を段階的に評価してくれる
- エコラリアの背景を読み取り、適切な支援方法を提案してくれる
- 発語を引き出すための遊びやトレーニングを具体的に教えてくれる
家庭(ママ・パパの役割)
- 安心できる環境を作る
- 日常の中でことばを受け止める・くり返す・広げる関わりをする
- 遊びや生活の中で「伝えるって楽しい!」を体験させる
家庭と専門支援、それぞれの役割は違っていて、それでいいんです。
どちらも欠かせない“チーム”として、子どもを支えていくことができれば、それが何よりのサポートになります。
また、園や学校の先生との連携もとっておくと、日常の様子を客観的に把握するヒントになりますよ。
親のリアルな声から見えるエコラリアの困りごと
エコラリアが続くと、親としては「このままでいいのかな?」「ちゃんと育っていけるのかな?」と、どうしてもいろんな不安が出てきますよね。
SNSや育児掲示板でも、「まわりの子と比べて心配」「うまく会話が続かない」「お買い物中に変な目で見られる…」といった声がよく見られます。
ここでは、実際に多くの保護者が感じているリアルな困りごとを取り上げながら、その背景と捉え方を一緒に考えてみましょう。
会話がかみ合わない…親のモヤモヤはここから
まず多いのが、「会話がかみ合わない」「話しかけても全部オウム返しで返ってくる」というモヤモヤ。
たとえば、
親「今日は保育園でなにしたの?」
子「保育園でなにしたの?」
親「え、また聞き返してる…?」
このやりとり、毎日続くと正直つらいですよね。
「ちゃんと話してくれない」「自分の言葉が届いていない感じがする」と、孤独感やストレスを感じるママ・パパも多いです。
でも、ここで少し視点を変えてみましょう。
実はエコラリアには、“会話の型”を覚えようとしているサインが隠れていることもあるんです。
言葉の意味がまだつかめないけど、「こう返せば会話になるのかな?」と、子どもなりに頑張ってやりとりしようとしていることもあるんですね。
だから、ただの“会話拒否”と受け取るのではなく、「あ、今練習中なんだな」と思って見守ることがとても大切。
モヤモヤする気持ちも抱えつつ、「少しずつ変わっていける」という期待も、そっと持っていていいんです。
公園や買い物で…周囲の目が気になってつらい
次によく聞くのが、外出先での“視線”問題です。
たとえばスーパーで、「ママがママがママがママが…」と何度も繰り返す子。
「また始まった…」と焦る親。
そして、周囲からのチラチラした視線…。
これ、かなり精神的にしんどいです。
とくに発達障害の特性について理解が進んでいない場所だと、「うるさい子」「変わった子」と誤解されやすく、親としても肩身が狭く感じてしまいがちです。
でもここで知っておいてほしいのは、
✅ 子どもは「意味なくしゃべっている」わけではない
✅ 一定のリズムや言葉を繰り返すことで安心していることがある
✅ 外では緊張して、エコラリアが増えやすい子も多い
ということです。
つまり、その“繰り返しの言葉”には、ちゃんと理由があるんです。
もちろん、「まわりに迷惑をかけてはいけない」という思いも大事です。
でも同時に、「この子なりの落ち着き方なんだ」と理解して、できるだけ安心できる環境に戻してあげることも必要なんですね。
対処としては、
- 音の少ない時間帯に買い物に行く
- 落ち着くグッズ(お気に入りのタオルやおもちゃ)を持ち歩く
- 周囲に簡単な説明カードを使う(言葉で伝えるのが難しいときに便利)
など、環境調整やちょっとした工夫で、外出のハードルがグッと下がることもあります。
「育て方が悪いのかも…」と責める必要はありません
そして最後に、多くの保護者が心の奥でひそかに感じていること…。
「もしかして、私の育て方が悪かったのかな」
「ちゃんと話しかけてこなかったせいかも」
「他の子みたいに育てられなかった…」
そんなふうに、自分を責めてしまうこと、ありませんか?
でもどうか、声を大にして伝えさせてください。
それ、あなたのせいじゃありません。
エコラリアは、脳の発達のプロセスやその子の特性によって自然に起こるもの。
“育て方”ではなく“その子の個性”として捉えることが、支援のスタートラインなんです。
確かに、どう関わるかで子どもの成長は大きく変わるかもしれません。
でも、それは「あなたが間違っていた」わけじゃなく、「これからどう支えていくか」が大事ということ。
そして何より、ここまで悩んで、調べて、この記事を読んでいるあなたは、
すでに“立派な支援者”であり、子どもにとって最高の味方です。
【厳選10選】言葉のやりとりがぐんと楽しくなる!エコラリア対応アイデア集
エコラリアって「困ったクセ」ではなく、“ことばの練習中”や“気持ちの発信”として表れていることが多いんです。
だからこそ、無理にやめさせようとするのではなく、“やりとりって楽しい!”と感じられる関わりを増やしていくことが大事。
ここでは、家庭でも気軽にできて、ことばのキャッチボール力が育つ遊びや声かけアイデアを10個ご紹介します。
どれも特別な道具は不要!ちょっとした工夫で、エコラリアを「意味ある会話」につなげていくヒントになりますよ。
① まねっこごっこ遊び|“まね”をコミュニケーションに変える遊び
「まねばっかりするんです…」という子には、いっそのこと“まねっこ”を遊びにしちゃいましょう!
たとえば、
- 「ママの声、まねできる?」とおどけて話す
- 「いっしょに“わんわん!”って言ってみよう!」と声を合わせる
- 「○○ちゃんの声、パパがまねしちゃおう〜」と逆に親がまねっこ
このやりとりの中で、「まね=会話のスタートなんだ」ということを、子ども自身が自然と感じられるようになります。
大人が“まねっこ”を楽しんで見せることで、子どもも安心して発語しやすくなりますよ。
② 絵カードクイズ|答える力を引き出す質問あそび
言葉の「やりとり感」を育てたいときにぴったりなのが、絵カードを使ったクイズ遊び。
- 動物カードを見せて「これはな〜んだ?」
- 食べ物カードを見せて「どっちが好き?」
- 2枚並べて「ジュースはどっちかな?」など、選択式にしてもOK!
ポイントは、“正解”を求めるのではなく、“反応する楽しさ”を大事にすること。
もし答えが返ってこなくても、「これはリンゴだよ~おいしそうだね♪」と自然に答えを返してあげるだけでもOK。
聞かれる → 考える → 答える、という流れが少しずつ身についていきます。
③ リズムことばあそび|音楽で自然に発語を促す
「ことばが出にくい子」や「発音があいまいな子」に特におすすめなのが、リズムに合わせてことばを言う遊び。
たとえば…
- 「パンダ♪パンダ♪たべるのな〜に♪(バナナ〜!)」
- 「いっぽんばしこ〜ちょこちょ」などの手遊び歌
- 太鼓やタンバリンなどでリズムを取りながら名前を言う
リズムがあると、言葉を引き出しやすくなるという研究報告もあるほど、実は理にかなった方法なんです。
音楽の力を借りて、エコラリアの“まねっこ発話”が“自分の声”に近づいていくことも多いですよ。
④ パペットとのおしゃべりごっこ|恥ずかしがり屋の子にも効果大!
「大人とはうまくしゃべれない…」という子にもぴったりなのが、パペットやぬいぐるみを使った“間接コミュニケーション”。
- 「くまさんが聞いてるよ〜今日は何食べたの?」
- 「わんちゃんが“おやつたべた?”って言ってるよ〜」
- 子どもにパペットを渡して「今度は○○ちゃんが聞いてみて!」
こうすることで、“人”ではなく“キャラクター”を相手にする感覚で安心して発語しやすくなるんです。
「まね=会話の入口」であることを、遊びの中で自然に体験できる方法としても効果的です。
⑤ 「これはなに?」クイズで楽しくやりとり力UP
エコラリアが出る子は、“ことばの意味を理解していく過程”にいる子が多いです。
そこでおすすめなのが、身の回りの物を使ったシンプルなクイズ。
- 「これはなに?」(おはし)
- 「何色かな?」(あか)
- 「どこにあるかな?」(テーブルの上)
“聞かれて→考えて→言葉にする”という経験が増えるほど、自発的な発語につながりやすくなります。
慣れてきたら、子どもからも「これはなに?」と聞かせてみるのも◎!
“質問する力”も一緒に育ちますよ。
⑥ 鏡を使って自己紹介|自分の言葉を意識づける遊び
自分の顔を見ながらことばを出すと、「自分が話してる」感覚が強まりやすくなるという効果があります。
- 鏡を見ながら「お名前は?」「○○です!」
- 「好きな食べ物は?」「いちごです!」
- 親子で交互に「こんにちは!○○です」とあいさつ
鏡の中の自分と“対話する感覚”が楽しい!という子も多く、発語に自信がない子の“気持ちのハードル”を下げてくれる遊びでもあります。
⑦ 読み聞かせ+やりとり|ストーリーを通して会話力を育てる
ただ読み聞かせるだけではなく、途中で会話をはさむのがポイント!
たとえば、
- 「このあと、どうなると思う?」
- 「この動物、なんて鳴く?」
- 「○○ちゃんだったらどうする?」
こういったやりとりをはさむことで、“聞く→考える→伝える”の流れがスムーズに身につきやすくなります。
絵本を通じて、“ことばでつながる喜び”を味わえるチャンスにもなりますよ。
⑧ ラリーあそび|順番を守って会話のキャッチボール
エコラリアが多い子は、「会話=キャッチボール」だという感覚がまだ育ちきっていないことがあります。
そんなときは、ラリー形式の遊びがおすすめ!
- 「ママが“りんご”って言ったら、次は“バナナ”って返してね」
- ボール投げをしながら、言葉を交互に言い合う
- 「はい」「どうぞ」「ありがとう」などの交互ことばを使ってみる
順番でやりとりをするルールを、遊びを通じて楽しく学べます。
「交互に話す」ことを体で覚えることができるので、会話力UPにつながります。
⑨ ごっこ遊びで役になりきる!表現力がぐんと広がる
- 「お店屋さんごっこ」
- 「お医者さんごっこ」
- 「お弁当ピクニックごっこ」など
こういった“なりきり遊び”は、子どもが“ことばを状況に合わせて使う練習”ができる絶好のチャンス!
たとえば、
- 「いらっしゃいませ〜」
- 「どれにしますか?」
- 「はい、おくすりです」など
決まったフレーズを自然に使いながら、ことばの幅がどんどん広がっていきます。
“セリフのまね”からスタートしてもOK!
そこからだんだん“自分の言葉”が生まれてくる瞬間を見逃さないで♪
⑩ ちょっとしたリアクションがカギ!親の返し方アイデア
最後に大事なのが、親のリアクション!
エコラリアに対して、「またオウム返し…」とスルーせず、ちょっとした反応を返すだけで、子どもの反応がグッと変わります。
たとえば…
- 「そうなんだ〜!それ、大事だよね」
- 「おっ!その言い方かっこいいね〜」
- 「それって、○○のことかな?」と意図をくみ取って返す
否定せず、肯定的に返すだけで“伝わった感”が生まれます。
それが、「ことばでやりとりするのって楽しい!」という気持ちを育てる最大のポイントなんです。
毎日の中でできる!声かけ&関わりのコツ5つ
エコラリア(オウム返し)に悩んでいると、「何か特別な訓練をしなきゃいけないのかな?」と思いがちですが、実はそんなことありません。
毎日の中にちょっとした工夫を取り入れるだけでも、“やりとりの力”はぐんと育っていくんです。
ここでは、忙しいママ・パパでも取り入れやすい、シンプルで効果的な関わり方のコツを5つご紹介します。
どれも今日からすぐできる内容ばかりなので、気軽に試してみてくださいね。
意味のある“まね”に変えるひと工夫
子どもがオウム返しで「ジュース飲む?」と言ったとき、「また真似してる…」とスルーしてしまうこと、ありますよね。
でも、そこでちょっと立ち止まってみてください。
実はその“まね”の中には、「ジュースが飲みたい」「確認してほしい」といった気持ちが込められている可能性が大きいんです。
そんなときは、「ジュース飲みたいの?OK!冷たいのとあったかいの、どっちにする?」などと、子どもの言葉を“意味ある会話”として受け取って広げてみましょう。
“まね”を単なるくり返しではなく、コミュニケーションのきっかけに変えることが大切なんです。
安心して話せる空気を作ろう
子どもが言葉を発するタイミングって、じつは「安心できるとき」に多いんです。
逆に、イライラしていたり、急かされていたりすると、エコラリアが強まったり、口数が減ったりすることもあります。
だからこそ大事なのが、“ことばを出しやすい空気”を家庭の中につくっておくこと。
具体的には、
- 否定せずにどんな言葉も一度受けとめる
- 静かな環境でゆっくり話す時間を意識的にとる
- 「話してくれてありがとう」と声をかける
こうした小さな工夫が、子どもにとって「ここでは安心して話していいんだ」と思えるベースになります。
言葉は“安心”の上に育つ。それを意識するだけで、家庭の会話の空気がぐっとやさしくなりますよ。
同じ言葉に「意味の返答」を返すのがポイント
たとえば、子どもが「ごはん?ごはん?」と何度も繰り返していたら、
「うん、もうすぐできるよ」や「おなかすいたんだね」など、意味のある返答を返してあげるのがポイントです。
エコラリアのように聞こえても、そこには期待や要求、興味などの“意図”があることが多いんです。
その意図を読み取って、「ちゃんと気持ちが伝わってるよ」と返すだけでも、やりとりが成立する体験になります。
大人が反応を変えることで、子どもも少しずつ「伝わるって嬉しい!」を実感していきます。
“意味のある返し”は、ことばの橋渡し。エコラリアとの付き合い方が、ここで大きく変わってきます。
フレーズをちょっと変えて返してみるテク
「くるまくるまくるま…」と繰り返しているとき、同じ言葉をただ受け取るのもいいですが、少し変化をつけて返すことで、表現の幅を広げていくこともできます。
たとえば、
- 「くるまが走ってるね!」
- 「赤いくるまだね〜!」
- 「どこまで行くのかな?」
といったふうに、子どもの言葉に“ちょい足し”して返す感じです。
これを繰り返していると、子どもも「“くるま”って、いろんな言い方があるんだ」「言い方を変えても伝わるんだ」と、ことばの広がりを実感していくようになります。
ポイントは、「訂正」ではなく「展開」。
“正す”のではなく、“広げる”意識で返してみましょう。
きょうだいやお友だちの“会話”を見せる工夫
言葉のやりとりは、実際に見て覚えることも多いです。
だからこそ、きょうだいやお友だちとの会話を“モデル”にするのはとても有効。
たとえば、
- 家族同士の会話を子どもが聞いている前でしっかり“見せる”
- きょうだい同士でごっこ遊びをしてもらう
- 遊びの中で「○○くんがこう言ったら、△△ちゃんはこう返すよね」と順番を明確にする
また、「YouTubeなどでやりとりがわかりやすい動画を一緒に見る」なども効果的です(※視聴時間には配慮を)。
他者同士の会話を“観察”する経験が、やがて自分の中に蓄積されて“使えることば”に変わっていくんですね。
家の中で、“会話のお手本”を自然に見せることが、最初の一歩につながります。
どれも、「特別なこと」ではなく、日常の中でちょっと意識すればできることばかり。
でもこの「ちょっと」の積み重ねが、子どもの“伝える力”をぐんと育ててくれるんです。
次の章では、「エコラリアが減ってきたかも?」と感じたときのサインや、そのときの関わり方についてもご紹介しますね。
成長の変化を見逃さず、しっかりサポートしていきましょう!
「減ってきたかも?」と思ったら!エコラリア卒業のサイン
「最近、オウム返しが少なくなってきたかも…?」
「なんとなく会話っぽいやりとりが増えてきたような…」
そんな変化に気づいたら、それは“ことばの力が育ってきているサイン”かもしれません。
エコラリアは、ずっと続くわけではありません。
発達に合わせて少しずつ形が変わり、やがて自然な“会話”に近づいていく子が多いんです。
ここでは、そんな「卒業の予兆」をキャッチするためのポイントと、親としてどんなふうに受け止め、関わっていけばいいのかをお伝えします。
会話の中身に“変化”が出てきたらチャンス!
以前は「○○する?」と聞くとそのまま「○○する?」と返ってきたのに、
最近「うん」「ちがう」「それやだ」など、意味のある言葉で返ってくることが増えてきた…。
それ、まさにエコラリアからの“卒業予備軍”です!
他にも、
- よく使っていたフレーズを言わなくなった
- 場に合ったセリフを選べるようになった
- 質問に対して、自分なりに答えようとする姿がある
こういった“中身の変化”が見え始めたら、「やりとりの感覚」が育ってきている証拠。
エコラリアが完全になくなる前に、会話の質が少しずつ変化していくのがよくあるパターンなので、
「まだオウム返しは出てるけど、ちょっと違うかも?」という微細な変化にも注目してみてくださいね。
自分の言葉が増えてきたときは全力でほめて!
子どもが「自分の言葉」で表現しようとしたとき、
たとえそれが単語一語だったとしても、それはとても大きな一歩。
たとえば、
- 「おみず」って言った
- 「いらない」って言えた
- 「たべたい」「つかれた」「こわい」など、感情を表すことばが出た
そんなときは、できるだけ大げさなくらいにほめてあげてください!
「わ〜、教えてくれてありがとう!」
「自分のことばで言えたね、すごいね〜!」
「ちゃんと気持ち伝わったよ!」
こうした反応は、子どもにとって「ことばを使ってよかった!」という自信と成功体験になります。
自分の気持ちをことばで伝えること=楽しい、心地いい、嬉しいと感じることが、さらなる言葉の発達を後押しします。
まだ出ていても大丈夫。焦らず見守ろう
エコラリアが減ってきたとしても、まったく出なくなるわけではないこともあります。
とくに、
- 疲れているとき
- 緊張しているとき
- 気持ちが高ぶっているとき
など、環境や心理状態によって一時的に“再発”することもごく普通のことなんです。
そんなときに「また戻っちゃった…」「やっぱりダメなのかな」と落ち込まなくて大丈夫。
波があって当然。それが子どもの発達の自然な流れです。
むしろ、エコラリアが出たときこそ、
「この場面はちょっとストレスだったのかも」「今、安心できてないのかも」と、
子どもの気持ちや環境を見直すチャンスにもなります。
大切なのは、“ゼロを目指す”のではなく、“本人らしいことばの使い方が少しずつ増えていく”ことを温かく見守る姿勢。
親が焦らず、変化に気づいて受け止めてあげることが、何よりのサポートになります。
少しずつでも「伝えたい気持ち」をことばにしようとする姿が見えてきたなら、
それはまさに“ことばの芽”が育ってきている証拠。
焦らず、比べず、あたたかく寄り添っていきましょう。
よくあるQ&A|ママ・パパのギモンにプロが答えます!
エコラリアについて調べていくと、どこかで不安になったり、
「これってうちだけ?」「こんなときどうすればいいの?」という疑問が次から次へと湧いてくるもの。
ここでは、実際にママ・パパたちからよく寄せられるエコラリアに関する4つの疑問について、支援の現場視点と家庭のリアルをバランスよく交えて解説していきます。
Q1. 何歳までに消えるのが普通?
「〇歳までにはなくなるはず!」という明確な基準は、実はありません。
とはいえ、一般的には、
- 発達に特に問題がないお子さんでも、2~3歳頃までは“まねっこ発話”が自然な段階
- その後、語彙や文法力が伸びるにつれて、自然とエコラリアは減っていくケースが多いとされています
ただし、自閉スペクトラム症(ASD)や発達の遅れがあるお子さんの場合は、小学生以降まで残ることも珍しくありません。
でもだからといって、「遅れてる」「異常」などと決めつける必要は全くありません。
大切なのは、“その子なりの発達のリズム”を知り、それに合った関わり方をしていくこと。
焦らず、比べず、少しずつ「やりとりの力」が育っていけばOKです◎
Q2. 怒ってしまった…どうフォローしたらいい?
「またオウム返し!?」「ちゃんと答えて!」と、ついイライラして怒ってしまった…。
そんなふうに自己嫌悪になってしまうママ・パパも少なくありません。
でも安心してください。
完璧な対応なんて、親でもプロでもできません。
怒ってしまったときは、まず自分を責めすぎないことが大切。
そのうえで、こんなふうにフォローしてみましょう。
- 「さっき怒ってごめんね。ママも疲れてたみたい」
- 「○○ちゃんの話、ちゃんと聞きたいな」
- 「教えてくれてありがとう。うれしかったよ」
大切なのは、“怒ったあとにどう関係を修復するか”です。
こうした声かけは、子どもにとっても「大人だって間違える。でもまた仲直りできる」という学びになります。
親が感情を立て直す姿を見せること自体が、実はとても良いコミュニケーションモデルにもなるんです。
Q3. 療育に通えばエコラリアはなくなる?
療育=魔法の解決策、というわけではありませんが、「ことばの使い方」「伝え方」「やりとりのコツ」を段階的に学べる場として、非常に有効です。
とくに、
- 言語聴覚士(ST)による発語支援
- 作業療法士(OT)による感覚統合アプローチ
- 小集団でのソーシャルスキルトレーニング(SST)
などを通して、エコラリアが“自分の言葉”に置き換わっていくお子さんも多くいます。
ただし、「通えば確実にエコラリアがなくなる」とは限らず、
その子の発達段階や特性によって、アプローチの期間や変化のスピードは異なります。
また、家庭との連携があるとより効果的なので、「療育まかせ」にせず、家庭での関わりもセットで取り組むのがベスト。
“ことばの力”は、家庭×療育のチームワークで育っていきます。
Q4. きょうだいや友だちにどう説明する?
エコラリアが続いていると、きょうだいやお友だちが「なんで同じことばかり言うの?」「ちゃんと答えてくれない!」と戸惑う場面も出てきますよね。
そんなときは、わかりやすく・正直に・でもやさしく説明してあげるのがポイントです。
<説明の一例>
- 「○○ちゃんは、いまことばの練習中なんだよ」
- 「まねしてるみたいだけど、本当は“お話したい”って気持ちがあるんだよ」
- 「少しずつ、いろんな言い方を覚えていってるところだよ」
また、「こんなふうに話してくれるとわかりやすいよ」など、相手の子への“お願い”もセットで伝えるとスムーズ。
子どもたちは、驚くほど素直に受け止めてくれることも多く、説明することで理解や思いやりが育つきっかけにもなります。
エコラリアは“違い”ではあっても、“間違い”ではない。
そう伝えることが、子どもたちの中に“多様性を認める心”を育てていく第一歩になるはずです。
さらに知りたい疑問がある場合は、地域の療育センターや相談支援専門員、児童発達支援のスタッフなどに聞いてみるのもおすすめです。
「困ったときに頼れる場所がある」ことが、親にとっても子どもにとっても、安心につながっていきますよ。
【まとめ】やめさせるより、“伝わる関係”を育てよう
ここまで、エコラリアについてたっぷり見てきましたが、改めて一番伝えたいのはこのこと。
エコラリアは「困ったクセ」ではなく、子どもなりの「伝え方のひとつ」かもしれない。
たとえ、意味が通じないように見えても、
たとえ、ずっとオウム返しが続いていたとしても、
その奥には、「伝えたい」「つながりたい」という気持ちがちゃんとあるんです。
だからこそ、やみくもに「やめさせよう」とするのではなく、
“どうしたら気持ちを受け取れるか?”という視点で関わっていくことが大切。
エコラリア=ことばの練習段階。悪いものではない!
大人の感覚では「変わった話し方だな」と思うかもしれません。
でもそれは、“言葉を覚えている途中”だったり、“安心するリズムをくり返している”という背景があるだけのこと。
決して「わざと」や「ふざけている」わけではありません。
まずは、子どもが安心して話せる土台をつくること。
そして、「伝わった!」「わかってもらえた!」という成功体験を少しずつ増やしていくこと。
それが、ことばの世界をぐんと広げていくカギになります。
大切なのは、“意味のあるやりとり”を楽しく育てること
この記事でご紹介したような、まねっこあそび・リズムことば・ごっこ遊びなどを通じて、
子どもたちは自然と「ことばって楽しい!」「やりとりってうれしい!」を感じていきます。
楽しさがあるところに、発語の芽が出てきます。
そして、その芽を育てていくのは、何より日々そばにいるママ・パパの存在です。
完璧じゃなくていいんです。
うまくできなくても大丈夫。
「伝わる関係を育てよう」という気持ちが、子どもにちゃんと届きます。
親の関わりが、子どもの“ことば”を育てていく
専門家の支援や療育ももちろん大切ですが、子どもにとって一番安心できる存在は、いつだって親です。
- 「またオウム返ししちゃったな…」と思う日も、
- 「今日はちょっとことばが出た!」と喜べた日も、
その積み重ねの中に、子どもの成長の芽がたくさん詰まっています。
親の関わりひとつで、子どもの“伝える力”は大きく育っていきます。
焦らず、比べず、寄り添いながら、
その子らしい“ことばの花”が咲く日を、楽しみに見守っていきましょう。
🔸この記事が少しでもあなたの不安を和らげ、子どもとの会話がちょっと楽しくなるヒントになれば嬉しいです。
🔸「できることから少しずつ」——それが一番の近道です。
以上【エコラリアをやめさせる方法!親ができる声かけ&遊びアイデア10選】でした。
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