第2回こども家庭ソーシャルワーカー資格認定試験解答速報(非公式)

このブログの主な訪問者さんである、発達が気になるお子さんを育てている保護者様には、今回はあまり関係ない記事内容ですが、

普段お子さんを支援しておられる方々の中には、このような資格の取得を目指し勉強されている方もいますので、参考になればと思いアップさせていただきました。

目次

こども家庭福祉

【問題1】「国連総会採択決議『児童の代替的養護に関する指針』」について

国連総会採択決議「児童の代替的養護に関する指針」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 児童が遺棄された場合には、遺棄された児童が自らの出自に関する情報にアクセスできないような対策を実施すべきである。

2 児童の代替的養護は、児童の家族の居住地からできるだけ遠隔地で提供されるべきである。

3 児童の家庭での養護が困難な理由が金銭面及び物質面での貧困である場合には、原則として、速やかに児童を代替的養護下に置くべきである。

4 施設養護を提供する施設は、児童の権利とニーズが考慮された、小規模で可能な限り家庭や少人数グループに近い環境にあるべきである。

5 未成年者が妊娠した場合には、その者の学業の継続を断念させ、親としての責任を果たせるように必要な措置を採るべきである。

【解答】

1 ❌ 出自情報にアクセスできないようにする
→ 指針では児童が自らの出自に関する情報を知る権利を尊重するとされています。誤り。

2 ❌ できるだけ遠隔地で提供する
→ 原則は家庭や地域とのつながりを維持することです。遠隔地は適切ではありません。

3 貧困のみを理由に代替養護へ
→ 単なる経済的困窮は、原則として分離理由にはなりません。誤り。

4 小規模で家庭的環境に近い施設
→ 指針では、小規模で家庭的な環境での養護を推進しています。正しい。

5 ❌ 妊娠した未成年に学業中断を求める
→ 教育継続の権利が尊重されます。誤り。

正解:4

【問題2】子どもの権利に関する国内法について

子どもの権利に関する国内法についての次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」では、こどもを「小学校就学の始期に達するまでの者」と定義している。

2 「こども基本法」では、子どもの権利が実際に守られているかどうかを監視するコミッショナーの設置が規定されている。

3 「民法」では、親権者には自己監護する子に対して、監護及び教育に必要な範囲内で懲戒することが許容されている。

4 「児童虐待の防止等に関する法律」では、虐待が児童の人権を侵害するものであることが明記されている。

5 「児童福祉法」では、高校を中途退学した児童は児童養護施設等を措置解除となることが規定されている。

解答

1 ❌ 「こどもの貧困対策法」の子どもの定義
→ 法律では「18歳未満」などであり、「小学校就学前」ではありません。誤り。

2 ❌ 「こども基本法」にコミッショナー設置規定
→ 監視機関の明確な設置規定はありません。誤り。

3 ❌ 民法で懲戒権
→ 現在は懲戒権規定は削除されています。誤り。

4 「児童虐待防止法」で人権侵害を明記
→ 児童虐待が児童の人権侵害であることが明示されています。正しい。

5 ❌ 高校中退で措置解除規定
→ そのような規定はありません。

正解:4

【問題3】国連等で採択された子どもの権利に関する宣言等のうち、最も年代の古いもの

国連等で採択された子どもの権利に関する宣言等のうち、最も年代の古いものを1つ選びなさい。

1 世界人権宣言
2 児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)
3 児童の権利に関する宣言(児童権利宣言)
4 児童の代替的養護に関する指針
5 児童の権利に関するジュネーブ宣言

解答

  1. 世界人権宣言(1948年)
  2. 児童の権利に関する条約(1989年)
  3. 児童の権利に関する宣言(1959年)
  4. 児童の代替的養護に関する指針(2009年)
  5. 児童の権利に関するジュネーブ宣言(1924年)

最も古いのは 1924年の「児童の権利に関するジュネーブ宣言」

正解:⑤

【問題4】「児童虐待の防止等に関する法律」について(適切なものを2つ)

「児童虐待の防止等に関する法律」における児童虐待とその対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

1 「児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力」は、子どもに著しい心理的外傷を与える言動に該当する。

2 「児童にわいせつな行為をさせること」が疑われる事例は、家庭裁判所に通告をしなければならない。

3 児童虐待の通告義務は、児童福祉に関係する専門職に限定して課せられている。

4 「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない」と定められている。

5 「保護者以外の同居人が虐待を行っていることを放置すること」が疑われる事例は、警察に通告しなければならない。

解答

①児童が同居する家庭における配偶者への暴力は、子どもに著しい心理的外傷を与える言動に該当する。
→ 面前DVは心理的虐待に含まれます。
✔ 正しい

②児童にわいせつな行為をさせる疑いがある事例は家庭裁判所に通告する。
→ 通告先は 児童相談所または市町村。誤り。

③通告義務は児童福祉関係の専門職に限定される。
→ 通告義務は「何人も」。限定されません。誤り。

④「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない」と定められている。
→ 法第3条に規定あり。
✔ 正しい

⑤疑い事例は警察に通告しなければならない。
→ 原則は児童相談所等への通告。誤り。

正解:①④

【問題5】虐待等による子どもへの影響

虐待等による子どもへの影響に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 虐待を受けた子どもにみられる解離症状は、一時的なストレス反応にとどまり、継続的な治療対象にはならない。

2 慢性的な虐待を受けても、子どもの成長曲線に明確な影響が現れることはない。

3 反応性愛着障害(RAD)の診断は、子どもが思春期に達して初めて行うことができる。

4 子ども時代の逆境体験の体験数が多くなるほど、成人後の健康問題の発現率が上昇する。

5 虐待を受けた子どもにレジリエンスが認められるのは例外的である。

解答

1 ❌ 解離症状は一時的なものにとどまる
→ 解離は慢性化し、治療対象になることもあります。誤り。

2 ❌ 慢性的虐待でも成長曲線に影響は出ない
→ ネグレクト等では身体発育への影響が明確に出ることがあります。誤り。

3 ❌ RADは思春期になって初めて診断
→ 反応性愛着障害は幼少期に診断されるものです。誤り。

4 子ども時代の逆境体験(ACE)が多いほど成人後の健康問題が増加
→ ACE研究により明確に示されています。正しい。

5 ❌ レジリエンスは例外的
→ レジリエンスは比較的多くの子どもに認められます。誤り。

正解:④

【問題6】虐待を受けた子どもへの支援

虐待等を受けた子どもへの支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 虐待を受けた子どもは生きることへの欲求がきわめて大きくなるため、自殺のリスクはほとんどないものとして支援を検討する。

2 虐待を受ける中で、大人の欲求をすばやく感知して、大人の意向に沿った行動をとるようになった子どもには、その行動を強化するよう支援する。

3 トラウマインフォームドケアでは、虐待などを受けた子どもの問題行動をトラウマへの適応反応ととらえる。

4 虐待による喪失体験を経験した子どもでも、特に就学前は影響を受けにくいため、早期の支援は必要ないとされている。

5 トラウマインフォームドケアでは、トラウマの再体験を意図的に繰り返すことが不可欠である。

解答

1 ❌ 自殺リスクはほとんどない
→ 虐待歴のある子は自殺リスクが高い。誤り。

2 ❌ 大人の意向に沿う行動を強化する
→ いわゆる「過剰適応」。むしろ慎重な対応が必要。誤り。

3 トラウマインフォームドケアでは問題行動をトラウマへの適応反応ととらえる
→ 基本的考え方です。正しい。

4 ❌ 就学前は影響を受けにくい
→ むしろ乳幼児期は影響を受けやすい。誤り。

5 ❌ トラウマの再体験を意図的に繰り返すことが不可欠
→ 安全確保が前提であり、再体験を目的にはしません。誤り。

正解:③

【問題7】子どもや家庭(女性・若者を含む)への支援における組織・団体の役割

子どもや家庭(女性、若者を含む)への支援における組織・団体の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 都道府県は、女性相談支援センターを設置しなければならない。

2 都道府県は、こども家庭センターを設置しなければならない。

3 市町村は、児童家庭支援センターを設置しなければならない。

4 市町村は、子ども・若者総合相談センターを設置しなければならない。

5 市町村は、児童を一時保護する施設を設置しなければならない。

解答

1 都道府県は女性相談支援センターを設置しなければならない。
→ 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に基づき、都道府県に設置義務があります。
✔ 正しい

2 ❌ 都道府県がこども家庭センターを必ず設置
→ こども家庭センターは市町村設置が基本。

3 ❌ 市町村が児童家庭支援センターを設置義務
→ 児童家庭支援センターは社会福祉法人等が設置。

4 ❌ 市町村が子ども・若者総合相談センター設置義務
→ 義務ではありません。

5 ❌ 市町村が一時保護施設設置義務
→ 一時保護は児童相談所(都道府県)所管。

正解:①

【問題8】「災害時のこどもの居場所づくり」手引き

「災害時のこどもの居場所づくり」手引き(注)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 災害時に開設した居場所の閉鎖は、被災によって生じた子どもの喪失感を軽減する効果がある。

2 災害時であっても子どもの学びや遊びの場を確保し、子ども同士が交流できるような居場所づくりを行う。

3 災害時には子どものニーズは短期間で変化するため、アセスメントは行わず、その時々で支援を検討する。

4 被災時の子どもの居場所に設置するトイレは、男女の別なく、外部の人も利用できるようにする。

5 被災時においては子どもの主体性を考慮せず、居場所のルールや活動計画をおとなが考えて決定する。

(注)「『災害時のこどもの居場所づくり』手引き」は、「こどもの居場所づくりに関する指針」(2023年(令和5年)12月22日閣議決定)の中で災害時のこどもの居場所づくりの重要性が指摘されたことを受け、災害時に地方自治体職員や民間の支援団体等に具体的に求められる取組について明示することを目的に作成したものである。

解答

1 ❌ 居場所を閉鎖することが喪失感軽減に有効
→ 逆です。継続支援が重要。

2 災害時でも学びや遊びの場を確保し交流できる居場所づくりを行う
→ 手引きの基本方針。
✔ 正しい

3 ❌ アセスメントを行わない
→ 変化するからこそ継続的アセスメントが必要。

4 ❌ 男女別なく外部も利用可能なトイレ
→ プライバシーと安全配慮が必要。

5 ❌ 子どもの主体性を考慮しない
→ 主体性の尊重が基本。

正解:②

【問題9】家族システムにおけるバウンダリー(家族内の境界)

家族システムにおけるバウンダリー(家族内の境界)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 バウンダリーがはっきりしているほど、家族構成員同士が情緒的に影響されやすくなる。

2 バウンダリーとは、家族の成長過程において、次のステージへ変化していく段階を示すものである。

3 家族内に適度なバウンダリーがあることで、子どもは情緒的にも身体的にも守られている。

4 バウンダリーとは、家族の問題の原因がいつ頃発生したのかを示すものである。

5 バウンダリーとは、家族の問題をめぐる語り直しにより、新しい意味が生じる段階を表すものである。

解答

1 ❌ はっきりしすぎるほど情緒的影響を受けやすい
→ 逆。曖昧な境界の方が巻き込まれやすい。

2 ❌ 成長段階を示す概念
→ それは家族ライフサイクル。

3 適度なバウンダリーにより子どもは情緒的・身体的に守られる
→ 家族システム論の基本。
✔ 正しい

4 ❌ 問題発生時期を示すもの
→ 関係なし。

5 ❌ 語り直しによる新しい意味の段階
→ それはナラティヴアプローチ。

正解:③

【問題10】医療ソーシャルワーカーの対応

事例文を読み、この時点で医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)が行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】
一般内科病院に、アルコール性膵炎の治療のためにAさん(50歳)が入院することになり、入院日にAさんの付き添いとして息子のBさん(15歳)が来院した。入院の保証人がいないので、外来看護師から医療福祉相談室を勧められたBさんは、そこでMSWと面談をした。Bさんは母親を学童期に亡くしており、父子二人暮らしであること、父親が酒をやめられずに飲み続け、このままでは死んでしまうのではないかと心配だったことを話し、通帳などのお金の管理は自分がしているので、「なんとか自分が身元保証人になれないか」と尋ねた。

1 必要なのは入院保証金だけでよいと伝え、Bさんにそれ以上事情を聴くことは避ける。

2 父親の根本の問題は酒をやめられないことであると説明し、Bさんが説得して精神科病院に連れて行くように指示する。

3 父親の状態を説明できていることをほめ、退院後も家の中のことはBさんがひとりで頑張るよう励ます。

4 治療の説明についても大人の立ち会いが必要なので、母方の親戚に当たるよう伝える。

5 Bさんの気持ちを受け止め、父子の生活の様子や、Bさんが相談できる人の有無を尋ねる。

解答

事例のポイント:

  • 父(50歳)アルコール性膵炎で入院
  • 母は既に死亡
  • 同居の息子Bさんは15歳(未成年)
  • 保証人がいない
  • Bさんが家計管理を担い、「自分が保証人になれないか」と申し出
  • 父の飲酒問題を強く心配

この時点でMSWが行うべきことは、

✔ 未成年であるBさんの立場を守ること
✔ ヤングケアラーの可能性を踏まえアセスメントすること
✔ Bさんの孤立や生活状況を確認すること

1 ❌ 事務的対応のみで聴取を避ける → 不適切
2 ❌ Bさんに父を説得させる → 子どもに責任転嫁
3 ❌ 家庭の責任をBさんに担わせる → 不適切
4 ❌ 親族へ丸投げ的対応 → まずはアセスメントが優先
5 気持ちを受け止め、父子の生活状況や相談相手の有無を尋ねる → 最も適切

正解:⑤

【問題11】こども家庭福祉等に関連する法律

こども家庭福祉等に関連する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「こども基本法」は、少子化に対処するための施策を総合的に推進し、国民が豊かで安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的としている。

2 「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」は、とくにひとり親家庭の親に対し、自ら進んでその自立を図るよう努めるべきことを定めている。

3 「少子化社会対策基本法」は、子ども・子育て支援給付及びその他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援を行うことを規定している。

4 「子ども・若者育成支援推進法」は、国に対して「いじめ防止基本方針」を定めることを義務付けている。

5 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」は、困難な問題を抱える女性への支援のための施策を推進し、もって人権が尊重され、及び女性が安心して、かつ、自立して暮らせる社会の実現に寄与することを目的としている。

解答

1 ❌ 「こども基本法」は少子化対策法ではありません。
2 ❌ 貧困対策法は「ひとり親に自助努力を求める」内容ではありません。
3 ❌ 子ども・子育て支援給付を規定しているのは「子ども・子育て支援法」。
4 ❌ いじめ防止基本方針は「いじめ防止対策推進法」。
5 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の目的規定として正しい。

正解:⑤

【問題12】「子ども・子育て支援法」に基づく地域子ども・子育て支援事業

「子ども・子育て支援法」に基づく、地域子ども・子育て支援事業に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者支援事業は、保護者の疾病等の理由により家庭における養育が一時的に困難となった児童について、児童養護施設等において必要な養育・保護を行う事業である。

2 子育て短期支援事業は、支援が特に必要な家庭に対して、保健師や保育士等が居宅を訪問し、相談に応じ、指導や助言等により養育能力を向上させるための支援を行う事業である。

3 ファミリー・サポート・センター事業は、乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の保護者を会員として、児童の預かり等の援助を受けたい者と援助を行いたい者との相互援助活動に関する連絡及び調整等を行う事業である。

4 地域子育て支援拠点事業は、すべての乳児のいる家庭を訪問することにより、乳児及びその保護者の心身の状況を把握するための拠点を整備する事業である。

5 放課後等デイサービスは、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学生に対し、放課後に小学校の余裕教室、児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図る事業である。

解答

1 ❌ これは短期入所生活援助事業(ショートステイ)であり、「利用者支援事業」ではない。
2 ❌ これは養育支援訪問事業の内容。子育て短期支援事業ではない。
3 ファミリー・サポート・センター事業の正しい説明。
4 ❌ これは「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」の説明。
5 ❌ これは放課後児童健全育成事業(学童保育)。放課後等デイサービスではない。

正解:③

【問題13】児童福祉法等の一部改正

2022年(令和4年)の「児童福祉法等の一部改正」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 子どもの権利擁護の環境整備を行うことを市町村の業務とした。
2 障害児入所施設から成人としての生活への移行調整の責任主体を市町村に明確化した。
3 障害種別に応じた支援ができるよう、児童発達支援の類型を福祉型と医療型の2つに分けた。
4 一時保護施設の設備及び運営に関する基準を策定して、その環境の改善を図ることとした。
5 都道府県知事が必要に応じ、家庭支援事業の利用勧奨及び措置を実施できることとした。

解答

2022年(令和4年)児童福祉法等改正

改正の大きな柱は
✔ こども家庭センターの設置
✔ 子どもの権利擁護の環境整備

各選択肢:

1 子どもの権利擁護の環境整備を市町村の業務とした → 正しい
2 ❌ 移行支援の明確化はあるが、この表現は不正確
3 ❌ 児童発達支援の類型分けはこの改正の内容ではない
4 ❌ 一時保護所基準は以前から存在
5 ❌ 表現が不正確

正解:①

【問題14】1歳児の育児疲れを訴える母への支援(2つ選択)

事例文を読み、こども家庭センターに来所した保護者に対して、この時点で相談員が利用を提案する事業等として、適切なものを2つ選びなさい。

【事例文】
Cさん(26歳、女性)は、1歳になったばかりの子どもを連れて、初めてこども家庭センターへやってきた。Cさんは相談員に対して、「子どもの成長はうれしいが、おもちゃを散らかしたり、遊び食べをしたりして、片づけてもきりがない。最近子育てがしんどい。夜もなかなか眠れず、家事もままならない。掃除もできておらず、家がどんどん汚くなっていく」と疲れた様子で話した。

1 一時預かり事業
2 子育て世帯訪問支援事業
3 ふれあい心の友訪問援助事業
4 産後ケア事業
5 居宅訪問型児童発達支援

解答

事例のポイント:

  • 夜眠れない
  • 家事困難
  • 育児負担感強い
  • 1歳児

1 一時預かり事業 → あり得るが緊急性はやや弱い
2 子育て世帯訪問支援事業 → 支援必要家庭に訪問支援 ✔
3 ふれあい心の友訪問援助事業 → 高齢者等対象
4 産後ケア事業 → 出産後の心身不調支援 ✔(1歳でも自治体によって対象)
5 居宅訪問型児童発達支援 → 発達障害児対象

正解:②・④

【問題15】新しい社会的養育ビジョン(2017)

「新しい社会的養育ビジョン」(2017年(平成29年)厚生労働省)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 パーマネンシー保障のための第一義的な選択肢として、ファミリーホームへの委託を位置付けるべきである。
2 代替養育を提供するにあたり、施設への入所よりも里親委託を優先する。
3 すべての子どもは18歳で社会的養育を終了し、自立することを目標とすべきである。
4 12歳以上の子どもについては代替養育利用にかかる契約書を交わすようにすべきである。
5 民間団体による特別養子縁組のあっせんを禁止し、すべて都道府県の業務とすべきである。

解答

基本理念は
✔ 家庭養護優先
✔ 里親委託の推進

1 ❌ ファミリーホームを第一優先とはしていない
2 施設入所より里親委託を優先 → 正しい
3 ❌ 18歳で終了という単純な目標ではない
4 ❌ 契約書義務の規定なし
5 ❌ 民間あっせんは禁止していない

正解:②

【問題16】児童自立生活援助事業

「児童自立生活援助事業」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 児童自立生活援助事業は、18歳未満の障害児の自立支援を目的とした制度である。
2 児童自立生活援助事業所の支援は、無料で提供されなくてはならない。
3 児童自立生活援助事業所の運営主体は、都道府県及び政令指定都市に限られている。
4 児童自立生活援助Ⅰ型及びⅡ型の事業所は、利用者一人ひとりに個室を提供しなければならない。
5 児童自立生活援助事業所の援助内容には、入居者のために職場を開拓することが含まれている。

解答

1 ❌ 障害児限定ではない
2 ❌ 無料義務はない(利用者負担あり)
3 ❌ 運営主体は限定されない(社会福祉法人等も可)
4 ❌ I型・II型とも個室義務ではない
5 入所者の就労支援(職場開拓等)は支援内容に含まれる

正解:⑤

【問題17】児童養護施設運営指針(2012)

「児童養護施設運営指針」(2012年(平成24年)厚生労働省)に示された家族への支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入所児童と保護者との面会は児童養護施設内では行わないことが推奨されている。
2 家族等との交流の乏しい子どもには、週末里親やボランティア家庭等での家庭生活を体験させるなど配慮する。
3 退所児童の家族への支援は、児童が入所していた児童養護施設とは別の施設が行うようにする。
4 施設入所理由が家族による虐待である場合、すべての事例において、入所児童と家族の接触は完全に断たなければならない。
5 入所児童の家族への支援は、子どもの担当職員とは別の職員が行うようにしなければならない。

解答

1 ❌ 面会を施設内で行わない推奨はない
2 家族交流が乏しい子に週末里親等で家庭体験 → 適切
3 ❌ 退所後支援を別施設が行うとは限らない
4 ❌ 虐待理由でも一律断絶ではない
5 ❌ 家族支援は別職員に限定されない

正解:②

【問題18】支援方針

事例文を読み、こども家庭センターのWこども家庭ソーシャルワーカーが行う、この時点の支援方針として、最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】
Dさん(小学4年生)は、両親が1年前に離婚し、今は母親と妹(小学2年生)との3人暮らしである。離婚後、母親は2つのパート勤務をかけもちし、夜は夕飯の用意をしてから、姉妹を家に残し仕事に出かけて、夜中に帰宅する日が続いている。
最近、母は朝、姉妹が登校する時間に起きられないことが多くなってきた。また、時々ヒステリックになり、姉妹をどなりつけたり、執拗に責めたりすることが増えてきた。次第に家の中は散らかり、食事や入浴ができない日が続くようになった。
Dさんの話で、家庭の状況に気づいた小学校の担任が姉妹を心配し、こども家庭センターに連絡をした。
その後、こども家庭センターのWこども家庭ソーシャルワーカーが母親と面接した。そこで母親は「仕事と育児に疲れた」「とりあえず今は子どもと離れたい」「姉妹を児童養護施設に預けたい」と話した。

1 姉妹は母と暮らしたいと思っているに違いないため、母親を説得して、このまま3人で生活するように促す。
2 Dさんと妹と面談し、母が家事や育児に疲れているようなので、姉妹で協力して積極的に家事を担うよう指導する。
3 Dさんと妹に、今の生活や母親についてどう思うか等、話を聴いた上で、今後どうするかを母親と話し合う。
4 離婚した父親に、Dさんや母親への養育の支援をしてほしいと母親から連絡するよう指導する。
5 小学2年生の妹だけ施設入所させたいと児童相談所に相談するよう母親に促す。

解答

ケースはネグレクト傾向+母の疲弊。
最優先は子どもの意見聴取と母との協議。

1 ❌ 説得のみは不適切
2 ❌ 子に家事負担を増やすのは不適切
3 子ども達の意向を聴き、母と今後を協議 → 最適
4 ❌ 父への連絡を母に指示は単純すぎる
5 ❌ すぐ施設相談は飛躍

正解:③

関連知識

【問題19】特定妊婦

特定妊婦に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 「母子保健法」において特定妊婦とは,「出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦である」と定義されている。
2 特定妊婦は,要保護児童対策地域協議会において,要保護児童,要支援児童及びその保護者とともに支援検討の対象である。
3 特定妊婦を把握した場合は,妊娠中に要保護児童対策地域協議会に登録し,出産後に虐待の事実の有無を確認してから支援を開始する。
4 特定妊婦の支援について,要保護児童対策地域協議会の個別ケース検討会議にて関係機関と協議を行う際には,当該妊婦から同意を得ることは必須である。
5 妊娠後期の妊婦(17歳)の妊婦健診3か月未受診理由が,「出産費用の捻出のための就労」の場合,特定妊婦非該当となる。

解答

1 ❌ 定義が正確でない
2 ❌ 協議会での対象の説明が不正確
3 ❌ 出産後確認してから支援開始ではない
4 ❌ 同意は原則だが「必須」と断定は誤り(例外あり)
5 妊娠後期で健診未受診・経済問題 → 特定妊婦該当

正解:⑤

【問題20】成長の評価

成長の評価について,正しいものを1つ選びなさい。

1 横断的標準成長曲線は2020年(令和2年)の計測データに基づいて作成されている。
2 横断的標準成長曲線において-2SD(注)から+2SDの間には,その年齢の子どもの50%が含まれる。
3 横断的標準成長曲線において日本では平均値に対して標準偏差を用いて評価している。
4 成長は成長速度によって評価する。
5 肥満度は体脂肪率を評価する指標である。

(注)SD(Standard Deviation)とは,標準偏差を意味し,全体の平均値からどの程度離れているかを表す値である。

解答

1 ❌ 2020年ではない
2 ❌ ±2SDには約95%が含まれる
3 日本は平均値+標準偏差で評価(SDスコア)
4 ❌ 成長評価は速度だけではない
5 ❌ 肥満度は体脂肪率そのものではない

正解:③

【問題21】虐待を疑う皮下出血部位

3歳児の被虐待を強く疑う皮下出血の場所として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 額
2 耳
3 肩
4 肘
5 膝

解答

転倒でできにくい部位が重要。

  • 額・肘・膝 → 転倒で多い
  • 肩 → 不自然で疑わしい

正解:③(肩)

【問題22】小学校低学年の特徴

小学校低学年頃の子どもの特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 語彙爆発
2 分離-個体化
3 ギャング・グループ
4 チャムシップ
5 前操作的思考

解答

  • 言語爆発 → 幼児期
  • 分離個体化 → 乳幼児期
  • ギャング・グループ → 高学年
  • チャムシップ → 中学年
  • 前操作的思考 → 幼児期後半〜低学年初期

正解:⑤

【問題23】性問題行動への対応

子どもの性問題行動への対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 性問題行動が見られた際には,即時的に子どもへの矯正的な処遇を検討する。
2 性問題行動の背景を考える際には,養育者とどのようなアタッチメント関係にあるかを評価する。
3 性的虐待の可能性や子どものプライバシーを考慮して,養育者には事実の伝達を避ける。
4 性問題行動に至った子どもへの性教育は,時間をおいてから行う。
5 性問題行動を起こす子どもは,どのような場合であっても,まずは一定期間社会から隔離する。

解答

1 ❌ 即矯正的処遇は不適切
2 背景としてアタッチメント評価は重要
3 ❌ 養育者に伝えないのは不適切
4 ❌ 教育を先延ばしは不適切
5 ❌ 一律隔離は不適切

正解:②

【問題24】生活保護制度

生活保護制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 子どものいる世帯の高等学校の就学にかかわる通学費は,教育扶助によって給付される。
2 子どものいる世帯の最低生活費は,居住地に関係なく全国一律に定められている。
3 生活保護は,いずれの状況においても本人の申請において開始される。
4 生活保護法の目的は,最低限度の生活保障と自立助長の2つである。
5 原則として,医療扶助は,金銭給付によって行われる。

解答

1 ❌ 高校通学費は教育扶助ではなく生業扶助等で扱う。
2 ❌ 最低生活費は地域差がある(級地区分)。
3 ❌ 申請主義が原則だが職権保護もあるため「いずれの状況でも本人申請」は誤り。
4 生活保護法の目的は「最低限度の生活の保障」と「自立の助長」。
5 ❌ 医療扶助は原則現物給付。

正解:④

【問題25】2021年全国ひとり親世帯等調査

「2021年(令和3年)全国ひとり親世帯等調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 母子世帯の母親のうち,何らかの就業をしているのは70%未満である。
2 母子世帯の母親の就業者のうち,「パート・アルバイト等」の割合は20%未満である。
3 母子世帯の母自身の平均年間就労収入は,300万円以上である。
4 母子世帯の母の預貯金額は,「50万円未満」が30%以上である。
5 母子世帯の母のうち,離婚した父親から養育費を「現在も受けている」のは40%以上である。

解答

1 ❌ 就業率は70%未満ではない(もっと高い)。
2 ❌ パート等は20%未満ではない(もっと多い)。
3 ❌ 平均年間就労収入は300万円以上ではない。
4 預貯金額「50万円未満」が30%以上 → 正しい。
5 ❌ 養育費「現在受けている」は40%以上ではない(それ未満)。

正解:④

【問題26】少年非行に係る専門機関

少年非行に係る専門機関とその役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 児童相談所は,非行相談であっても,当該児童の入所先として児童養護施設を選択することができる。
2 児童相談所は,虞犯少年を少年院送致の保護処分にすることができる。
3 保護観察所では,児童福祉法にもとづき,保護観察官の監督のもと社会内処遇を行っている。
4 少年鑑別所では,「少年サポートセンター」が中心となって,修学などに課題を抱えた少年に対して支援を行っている。
5 少年刑務所では,「法務少年支援センター」の名称で,関係機関とネットワークを構築し,地域援助を展開している。

解答

1 児童相談所は非行相談でも児童養護施設入所措置を選択可能。
2 ❌ 少年院送致は家庭裁判所の決定。
3 ❌ 保護観察所は少年法に基づく機関。
4 ❌ 少年鑑別所の説明が不正確。
5 ❌ 少年刑務所の説明は誤り。

正解:①

【問題27】少年非行に係る専門職

少年非行に係る専門職とその役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 児童自立支援施設における児童自立支援専門員は,保育士の資格を有する必要がある。
2 児童生活支援員は,以前は「教母」と呼ばれていたように,女性に限定されている。
3 少年を指導する職員(少年指導員)は,非行少年等の更生を図るため,少年院に配置される。
4 保護司は,非行のある少年の再犯・再非行を防ぎ,改善更生を図るため,保護観察所に配置される。
5 少年院では,法務教官として社会福祉士や精神保健福祉士が採用されている。

解答

1 ❌ 児童自立支援専門員に保育士資格必須ではない。
2 ❌ 児童生活支援員は女性限定ではない。
3 ❌ 少年指導員は少年院配置ではない(家庭裁判所調査官等)。
4 ❌ 保護司は民間ボランティアで保護観察所職員ではない。
5 少年院の法務教官として社会福祉士・精神保健福祉士が採用されている。

正解:⑤

【問題28】メンタルヘルスリテラシーの定義

メンタルヘルスリテラシーの定義に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ストレス関連疾患の改善や予防を目的に,ストレスを軽減したり感じ方を変えたりするなどの対処法のことをいう。
2 医療従事専門職による薬物療法等に関する指示に対し,患者側が守り,指示に沿った行動のことをいう。
3 「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(2023年(令和5年)厚生労働省)に基づく心と体の健康づくりを目的とした運動のことをいう。
4 自らの精神的不調に気づいたり周囲に相談したりするなど,適切な判断と行動ができるスキルのことをいう。
5 薬物問題対策として,薬物の使用中止ではなく薬害の軽減や,生活課題の支援に重点を置く政策のことをいう。

解答

メンタルヘルスリテラシーとは
👉 精神的不調を認識し、適切に判断し、必要な支援につなげる力。

各選択肢:

1 ❌ ストレス対処法(コーピング)の説明
2 ❌ アドヒアランスの説明
3 ❌ 職場健康づくり運動の説明
4 自らの不調に気づき、相談等の適切な判断行動ができるスキル
5 ❌ ハームリダクション政策

正解:④

【問題29】子どもの精神疾患

子どもの精神疾患に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 学童期のうつ病では,身体症状を呈することが多い。
2 子どものPTSDのトラウマ症状としては,注意力の低下などの不注意症状はみられない。
3 パーソナリティ障害は,子どもの頃にはその前兆となる特性はみられない。
4 多動性障害は,他の障害と並存することはない。
5 DSM-5の診断によると,反応性愛着障害は,見慣れない大人に対しても積極的な身体的接触を行う傾向を示す。

解答

1 学童期うつ病では身体症状(腹痛・頭痛など)を呈することが多い → 正しい
2 ❌ PTSDでは注意力低下などもみられる
3 ❌ パーソナリティ障害の前駆特性がみられることはある
4 ❌ 多動性障害(ADHD)は併存が多い
5 ❌ DSM-5で積極的接近は「脱抑制型対人交流障害」

正解:①

【問題30】児童生徒を取り巻く問題

児童生徒を取り巻く問題に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 不登校児童生徒数は,過去5年間はほぼ横ばいの状態で推移している。
2 いじめ事案は,担任教員が「いじめ」と判定し,教員個人の判断で対処する。
3 対教師暴力行為の件数は,小中高校生のなかで小学生が最も多い。
4 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者の通告は,努力義務とされている。
5 「児童福祉法(2024年(令和6年)4月1日施行)」において,支援対象にヤングケアラーが明記された。

1 ❌ 不登校は増加傾向
2 ❌ いじめは組織対応が原則
3 ❌ 対教師暴力は中学生が多い
4 ❌ 虐待通告は「通告義務」(努力義務ではない)
5 2024年改正児童福祉法でヤングケアラーが明記された

正解:⑤

【問題31】保育所の子育て支援

保育所の子育て支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 保育所において地域子育て支援拠点事業を実施する場合には,社会福祉士もしくは精神保健福祉士を1名以上配置しなければならない。
2 要保護児童対策地域協議会に出席する職員は,事前に自治体による研修を受講しなければならない。
3 入所児童の保護者に対する支援を担う職員は,保育士等キャリアアップ研修のうち「保護者支援・子育て支援」を修了する必要がある。
4 入所児童の保護者に対しては,育児不安に関する個別の支援は行わないとされている。
5 保育所は,保育に支障のない範囲で,地域住民に対して乳児・幼児等の保育に関する相談・助言を行う。

解答

1 ❌ 社会福祉士等の必置義務はない
2 ❌ 協議会出席に事前研修義務なし
3 ❌ 「必ず修了」は求められていない
4 ❌ 個別支援を行わないわけではない
5 保育に支障のない範囲で地域住民へ相談・助言を行う

正解:⑤

【問題32】保育所等が担う子育て支援事業

保育所等が担う子育て支援事業に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 小規模多機能・放課後児童支援事業は,小規模の放課後児童の預かり事業に,地域子ども・子育て会議において認められた事業などを組み合わせて実施される。
2 保育所等における要支援児童等対応推進事業は,保育所等にカウンセラーを配置するための事業である。
3 乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)は,利用時間の制限なく保育所等を利用できる事業である。
4 医療的ケア児等総合支援事業では,併行通園を行う保育所等と障害児通所支援事業所間の情報共有は,保護者を通じて行うこととされる。
5 広域的保育所等利用事業は,自宅から遠距離にある保育所等を利用する児童の通園の送迎に限り適用される。

解答

1 小規模機能・放課後児童支援事業は、地域子ども・子育て会議での認定事業等を組み合わせて実施される
→ 正しい説明。

2 ❌ 要支援児童等対応推進事業は、単なるカウンセラー配置事業ではない。

3 ❌ 「こども誰でも通園制度」には利用時間の上限がある。

4 ❌ 情報共有は保護者を通じるとは限らない(必要に応じて直接連携)。

5 ❌ 送迎のみ限定ではない。

正解:①

ソーシャルワーク

【問題33】ネットワーク理論

ネットワークに関わる次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 パットナム(Putnam, R.D.)は弱い紐帯の強さを提唱し,社会ネットワークにおいて,弱いつながりは,強いつながりよりも広い範囲の情報を得ることができるとした。
2 グラノヴェター(Granovetter, M.S.)はコンボイ・モデルを提唱し,個人を取り巻く最も周縁部のサークルにフォーマルなネットワークを位置づけ,ライフコースに応じて変化するとした。
3 ハートマン(Hartman, A.)は,ボンディング(結束)型のネットワークの動機は資源の維持であることを提唱した。
4 リップナック(Lipnack, J.)とスタンプス(Stamps, J.)は,ネットワーキングとは他人とのつながりを形成するプロセスであることを提唱した。
5 トレーシーとウィッタカー(Tracy & Whittaker)はエコマップを考案し,個人とその周囲の環境との関係性を円と線で図式化した。

解答

1 ❌ 「弱い紐帯の強さ」はグラノヴェッター。パットナムではない。
2 ❌ コンボイモデルはカーンら。
3 ❌ ハートマンはエコマップ。
4 リップナック&スタンプス
→ ネットワーキングを「他者とのつながりを形成するプロセス」と定義。

5 ❌ エコマップはハートマン。

正解:④

【問題34】ファシリテーション

チーム内会議においてソーシャルワーカーが行うファシリテーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 発言量に偏りがあっても,調整を図ることなく効率的に会議を進める。
2 意見の対立を避け,参加者間で異なる考えが出ないように進行する。
3 論点の整理は,各参加者の判断に任せて進行する。
4 参加者の感情的な反応には触れず,事実や意見のみを扱うようにする。
5 参加者の意見を整理し,論点を絞り込み,全体で合意形成を図る。

解答

1 ❌ 偏りを放置は不可
2 ❌ 対立回避は不適切
3 ❌ 論点整理を任せきりは不可
4 ❌ 感情を無視は不適切
5 意見整理・論点集約・合意形成

正解:⑤

【問題35】ラポール形成

事例文を読み,E児童養護施設に所属するFこども家庭ソーシャルワーカーの面接場面について,ラ・ポールの形成に向けたかかわりとして最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】

E児童養護施設に所属するFこども家庭ソーシャルワーカー(家庭支援専門相談員)は,入所したばかりのGさん(小学6年生)と,入所後の生活の説明と本人の支援計画を立てるために面接を行うこととなった。Gさんは母親ひとりに養育されていたが,母親が重篤な病にかかり,他に養育できる人がいない,という状況から入所に至った。FとGさんは初めての1対1の面接を設定した。Gさんは入所当初から,職員には反抗的な態度を取り,他の子どもとのコミュニケーションもほとんどない状態で過ごしている。

1 Gさんのネガティブな感情についてはあえて触れず,面接を進める。
2 児童相談所からの連絡内容で,Fが確認したいことを一方的に聞く。
3 Gさんの気持ちに寄り添い,本人の語りを促す。
4 Gさんが施設の生活になじむことが,現在の優先課題であると納得させる。
5 Gさんの施設生活で上手くいかないことは,Fが解決すると伝える。

解答

事例のポイント

  • 小6男児
  • 入所直後
  • 母の病気で分離
  • 職員に反抗的
  • 他児との交流も少ない
  • 初回1対1面接

ラポール形成では
✔ 感情の受容
✔ 傾聴
✔ 語りを促す
が最重要です。

各選択肢:

1 ❌ ネガティブ感情に触れない → 回避
2 ❌ 一方的質問 → ラポール形成にならない
3 気持ちに寄り添い、本人の語りを促す → 正しい
4 ❌ 納得させる → 指導的
5 ❌ 解決を約束 → 非現実的・依存促進

正解:③

【問題36】ナラティヴアプローチ

不登校支援におけるナラティヴアプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 不登校の経験を捉え直し,子どもが自分の経験を語ることにより,新しい意味を見いだせるよう支援する。
2 「学校に行くと怒られる」という認知の歪みを書き換えるようにかかわる。
3 学校での困りごとが全部解決されるという奇跡を想起させ,解決のイメージをもたせるようにかかわる。
4 不登校の状態にある子どもの力を再発見し,主体的に問題を乗り越える力を育むようにかかわる。
5 子どもの困りごとを整理したうえで解決可能な範囲で課題を設定し,小さな成功体験を重ねていくようにかかわる。

解答

ナラティヴの基本
✔ 経験の語り直し
✔ 外在化
✔ 新しい意味の再構成

各選択肢:

1 経験を語り直し、新しい意味を見出せるよう支援 → ナラティヴの中核
2 ❌ 認知再構成 → 認知行動療法
3 ❌ 奇跡を想起 → 解決志向
4 ❌ 力の再発見 → ストレングス
5 ❌ 小さな成功体験 → 行動療法的

正解:①

【問題37】グループ活動での初期介入

事例文を読み,不登校支援の団体(NPO)に所属するHこども家庭ソーシャルワーカーの,この時点におけるグループ活動によるIさんへのかかわりとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】

Hこども家庭ソーシャルワーカーは,不登校の生徒が集う居場所において,グループを活用した支援活動を行っている。Hは,半年前から1日も登校できていないIさん(13歳)の自宅を継続的に訪問し,上記の居場所の利用を勧めてきた。
Iさんは,友人関係のつまずきから不登校になったという経緯があり,人見知りの傾向がある。

ある時,Iさんは,「どんなメンバーで,どんなことをしているのか,一度,行ってみたい」と興味を示し,居場所に初めて顔をみせた。

1 Iさんが場に慣れるまで,既存メンバーの自主的な交流に任せ,介入を控える。
2 Iさんをグループには参加させず,窓越しで活動を観察させる。
3 Iさんの不登校の原因について,メンバーみんなで話し合う。
4 Iさんに家での過ごし方についてスピーチしてもらう。
5 Iさんと他のメンバーとの間に入り,話しやすい雰囲気をつくる。

解答

事例ポイント:

  • 不登校
  • 対人関係のつまずき
  • 人見知り傾向
  • 初参加
  • 「一度行ってみたい」と前向きサインあり

この段階は
✔ 安心感
✔ 橋渡し
✔ 安全な場づくり
が最優先です。

選択肢検討:

1 ❌ 既存メンバー任せ → 初参加者には負担が大きい
2 ❌ 観察のみ → 排除に近い
3 ❌ 原因を全体で話す → 侵襲的
4 ❌ スピーチ強要 → 不適切
5 ワーカーが間に入り、話しやすい雰囲気をつくる

正解:⑤

【問題38】1970年以降の地域福祉論

1970年代以降の地域福祉論の内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 岡村重夫は,地域福祉概念の構成要素として①コミュニティケア,②一般的な地域組織化活動と福祉組織化活動,③予防的社会福祉の3つを挙げている。
2 永田幹夫は,政策論的な視点から地域福祉概念の構成要素として①基本的要件,②サービス構成要件,③運営要件の3つを挙げ,「自治型地域福祉」を提唱している。
3 右田紀久恵は,地域福祉の構成要件として,①在宅福祉サービス,②環境改善サービス,③組織活動を挙げ,そのなかで①をその中心に位置づけている。
4 岡本栄一は1980年代に入り,それまでの地域福祉概念を比較して,①構造的概念と②機能的概念の2つに分けて捉える分析枠組みを示した。
5 牧里毎治は,それまでの地域福祉論を検討し,その志向軸を①コミュニティ重視,②政策制度,③在宅福祉,④住民の主体形成と参加の4つに分類している。

解答

理論家整理がカギ。

✔ 永田幹夫
✔ 基本的要件
✔ サービス構成要件
✔ 運営要件
✔ 「自治型地域福祉」

これは正確。

他は用語・分類の混在がある。

正解:②

【問題39】正しいものを2つ

社会福祉に関連する今日的な社会状況に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 「2021(令和3)年度全国ひとり親世帯等調査(厚生労働省)」によると,母子世帯の平均年間就労収入は父子世帯よりも少ない。
2 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると,2070年には高齢化率が低下し,現役世代の社会保障費の負担は軽減されると予測されている。
3 「2021年(令和3年)社会生活基本調査(総務省)」によると,ボランティア活動の行動者数は,5年前の調査と比較すると増加している。
4 「2023年(令和5年)厚生労働省人口動態調査」によると,日本の合計特殊出生率は,人口を維持できる水準を下回っている。
5 「2024年(令和6年)孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(内閣府)」によると,孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた割合が最も多かった年代は10代の若者である。

解答

1 母子世帯の平均就労収入は父子世帯より少ない
→ 正しい

2 ❌ 2070年に高齢化率が低下 → しない

3 ❌ ボランティアは増加していない(むしろ減少傾向)

4 合計特殊出生率は人口維持水準(約2.07)を下回っている
→ 大きく下回る

5 ❌ 最も孤独感が高いのは若年層とは限らない(単純に10代最多とは言えない)

正解:①と④

【問題40】社会福祉法107条(地域福祉計画)※2つ選択

社会福祉法第107条における市町村の地域福祉計画の策定・進行管理・評価を行う取り組みとして,適切なものを2つ選びなさい。

1 子ども・家庭の福祉に関する事項は別の部署の担当なので,地域福祉計画の内容に含めることを避ける。
2 地域福祉計画は行政内部で策定し,住民の意見は市社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画に反映する。
3 市町村は,地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備に関する事項を,計画内容に含める。
4 地域福祉計画の内容は,市町村の行政内部組織に関する情報が含まれているため,行政内部の共有にとどめる。
5 策定した地域福祉計画の実施状況について検証をするため,調査,分析を行う。

解答

条文のポイント
✔ 包括的支援体制
✔ 計画の策定・進行管理
✔ 評価・検証
✔ 住民参加

選択肢検討:

1 ❌ 子ども家庭分野を除外 → 包括性に反する
2 ❌ 住民意見を行政計画に反映しない → 誤り
3 地域生活課題解決のための包括的支援体制整備を計画に含める → 正しい
4 ❌ 行政内部共有のみ → 公表・住民参加が前提
5 実施状況の検証のために調査・分析を行う → 正しい

正解:③・⑤

【問題41】ソーシャルワーク専門職のグローバル定義(2014年)

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(注)の本文および注釈に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ソーシャルワークは,経済成長を社会開発の前提条件とする立場を支持している。
2 ソーシャルワークの実践は,個人の自由と市場原理を最優先することを目的としている。
3 ソーシャルワークは,特定の文化的価値を絶対的な基準ととらえ,それに基づいて人権を判断する。
4 ソーシャルワークは,社会変革・社会開発・社会的結束・人々のエンパワメントと解放を促進する実践に基づいた専門職であり,学問である。
5 ソーシャルワークの理論的基盤は,西洋近代的な合理主義的枠組みを重視している。

(注)「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは,2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。

解答

定義の核心:
✔ 社会変革
✔ 社会開発
✔ 社会的結束
✔ エンパワメント
✔ 解放
✔ 人権・社会正義

正しいのは:

4 「社会変革・社会開発・社会的結束・人々のエンパワメントと解放を促進する実践に基づいた専門職」

正解:④

他は

  • 経済成長前提 → ×
  • 市場原理優先 → ×
  • 特定文化の絶対視 → ×
  • 西洋合理主義偏重 → ×

【問題42】近代日本の児童福祉の先駆的取り組み

近代日本における児童福祉の先駆的な取り組みに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 石井十次は,キングスレー館を設立し,幼稚園や職工教育などを通じて地域の貧困層の住民の支援を行った。
2 留岡幸助は,家庭学校を設立し,非行児童の保護や教育を行い,感化事業の定着に尽力した。
3 石井亮一は,森島美根と二葉幼稚園を設立し,スラム地域における貧困児童の保育や地域の環境改善に尽力した。
4 野口幽香は,滝乃川学園を設立し,知的障害児に対する先駆的な実践や体系的な研究を行った。
5 片山潜は,岡山孤児院を設立し,現在でいう小舎制や里親委託など先駆的な実践を展開した。

解答

各人物整理:

1 ❌ 石井十次=岡山孤児院(キングスレー館ではない)
2 留岡幸助=家庭学校設立・感化事業
3 ❌ 二葉幼稚園は野口幽香+森島美根
4 ❌ 滝乃川学園は石井亮一
5 ❌ 岡山孤児院は石井十次

正解:②

【問題43】スクールソーシャルワーカーの初期対応

事例文を読み,Kスクールソーシャルワーカーの対応として,この段階における最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】

Jさん(中学1年生)は,同級生とトラブルがあり登校できていない。Jさんはこれまでの学校の対応に不信感を抱き,担任のかかわりも拒否しているが,養護教諭が電話をした際に,「クラスの数人の同級生や先生のことが怖いが,本当は学校に行きたい」と漏らしたことが度々あった。これらの状況を受けて,Kスクールソーシャルワーカーが支援に加わり,まずは家庭訪問を行うこととなった。母親に話を聴いたところ,父親は子育てに非協力的で,母親は仕事と子育てのストレスを抱え,家庭内では孤立しており,Jさんの養育にも課題を抱えているようであった。

1 Jさんへの支援目標を早期の教室復帰とし,担任が主導して支援計画を立案するよう求めた。
2 Jさんの話を丁寧に聴いてアセスメントを行い,本人の意思を尊重した選択肢を提示し,自己決定できるよう支援した。
3 Jさんの不登校は,母親の養育態度に原因があると判断し,母親に対して,その態度を改めるよう指導した。
4 Jさんの発言の真意を,Kの経験に基づいて推測し,それを踏まえて支援方針を決定した。
5 Jさんの対人関係不安への対応として,通級による指導の活用を本人と保護者の代理で申請した。

解答

ポイント整理:

  • 同級生とのトラブルで不登校
  • 「怖いけど本当は学校に行きたい」と本音あり
  • 学校への不信感
  • 母も家庭内で孤立・ストレスあり
  • 今は“家庭訪問の初期段階”

この段階で重要なのは:

✔ 本人の語りを丁寧に聴く
✔ 多面的アセスメント
✔ 本人の意思尊重
✔ 自己決定支援

選択肢検討:

1 ❌ 早期復帰ありき → 目標の押し付け
2 丁寧な傾聴+意思尊重+自己決定支援 → 最適
3 ❌ 母の養育態度に原因帰属 → 単純化
4 ❌ Kの経験で推測 → 本人中心でない
5 ❌ 代行申請 → 本人不在の決定

正解:②

【問題44】地域共生社会の考え方(2つ選択)

事例文を読み,「地域共生社会の考え方」に基づく,こども食堂の参加者に対するLこども家庭ソーシャルワーカーの支援として,適切なものを2つ選びなさい。

【事例文】
NPO法人に勤務するLこども家庭ソーシャルワーカーは,地域でこども食堂の立ち上げに協力し,それ以来,運営にもかかわっている。
ある日,こども食堂に小学3年生のMちゃん(8歳)が参加した。LがMちゃんから話を聞くと,Mちゃんはひとり親家庭で,母親がパート勤務のために帰りが遅く,夜は一人で過ごす時間が長いとのことであった。
Mちゃんは健康状態には問題はないが,十分な食事がとれておらず,大人とのかかわりが乏しいようである。Mちゃんはこども食堂で温かい食事を取るだけでなく,宿題を教えてもらったり,地域の高齢者と交流したりして,次第に笑顔を見せるようになった。
そこで,LはMちゃんに「今度,お母さんと一緒に食堂へ来ない?」と話をしたところ,母親が訪ねて来たので,普段の生活の様子などを聴くことができた。母親からは,パート勤務の収入だけで生活しており,経済的に厳しいとの話があった。

1 母親に「Mちゃんを夜,長時間にわたってひとりにしておくのは,虐待になる可能性がありますよ」と言って,母親としての養育のあり方について論す。
2 母親に「Mちゃんは食堂で地域の高齢者と交流することで笑顔を見せるようになったので,引き続き,この食堂に来てください」と利用を促す。
3 母親に「パート勤務で夜遅い生活は,Mちゃんのために良くないので,転職した方が良い」と言い,ハローワークへ行くことを勧める。
4 母親に「地域には生活困窮者自立支援事業などの窓口もあるので,もし良ければ一緒に相談に行きませんか」と提案する。
5 母親とMちゃんの日常生活の様子を知るため,二人の同意もなく,自宅の近隣の人たちの家を訪問し,話を聞く。

解答

事例ポイント:

  • ひとり親家庭
  • 食事不足
  • 夜間の孤立
  • 経済的困窮
  • 子ども食堂が居場所+交流機能
  • 母はパート収入のみ

地域共生の軸:

✔ つながりの継続
✔ 資源への橋渡し
✔ 包括的支援
✔ 伴走型支援
✔ 本人の同意・尊重

選択肢検討:

1 ❌ いきなり虐待可能性を強調 → 対立的
2 こども食堂という地域資源の継続利用促進 → OK
3 ❌ 転職を勧める → 押し付け
4 生活困窮者自立支援等への橋渡しを提案(同伴も) → 地域共生的支援
5 ❌ 同意なしの近隣訪問 → 倫理違反

正解:②・④

こども家庭福祉とソーシャルワーク(総合)

【問題45】こども家庭センターの運営

こども家庭センターの運営に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 市区町村の母子保健機能と児童福祉機能がそれぞれの機能を維持した上で,一体的に相談支援を行う機関である。
2 母子保健機能と児童福祉機能の連携を深め,ハイリスク群の特定妊婦を支援することを主たる目的としている。
3 母子保健機能と児童福祉機能の一体的な運用のために,情報連絡を主務とする職員として「統括支援員」を配置することとされている。
4 子どもの安全安心を守るために,保護者が従うべき指導内容を伝達するため,書面にしたサポートプランを保護者に手交する。
5 定期的に合同ケース会議を実施し,母子保健機能と児童福祉機能がそれぞれ個別に担当するケースを決定する。

解答

ポイント:
こども家庭センターは

✔ 母子保健機能
✔ 児童福祉機能

維持しつつ一体的に相談支援を行う体制

選択肢検討:

1 「それぞれの機能を維持した上で、一体的に相談支援を行う機関」
→ 制度趣旨どおり。

2 ❌ ハイリスク妊婦支援が主目的ではない。

3 ❌ 統括支援員の説明が不正確。

4 ❌ 指導書面交付を主とする機関ではない。

5 ❌ 個別分担決定が主旨ではない(一体的運用が原則)。

正解:①

【問題46】こどもの居場所づくりに関する指針(2023)※2つ

「こどもの居場所づくりに関する指針」(注)に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 対象となるこども・若者の年齢の範囲は,18歳未満の学童期・思春期までである。
2 こどもの居場所を物理的な「場」に限定して捉えている。
3 地域住民には,こどもの居場所づくりの取り組みへの関心と理解を深め,自ら参加するとともに,こどもの見守りなど積極的な役割が期待されている。
4 こどもの居場所の主たる地域資源はこども食堂である。
5 こどもの居場所の特徴の1つに,立地や地域性,技術の進歩などの影響を受けるものであることをあげている。

(注)「こどもの居場所づくりに関する指針」(2023年(令和5年)12月22日閣議決定)とは,こども・若者の声を聴き,こども・若者の視点に立った居場所づくりを推進していくための,政策上の根拠となるものである。

解答

重要ポイント:

✔ 年齢は18歳未満に限定されない(若者も含む)
✔ 居場所は物理的場に限定されない
✔ 地域住民の理解・参加・見守りを重視
✔ 多様な地域資源
✔ 地域性や環境の影響を受ける

選択肢検討:

1 ❌ 18歳未満に限定 → 誤り
2 ❌ 物理的「場」に限定 → 誤り
3 地域住民に見守り等の役割が期待される → 正しい
4 ❌ こども食堂が主たる地域資源という限定はしていない
5 立地・地域性・社会変化の影響を受ける → 正しい

正解:③・⑤

【問題47】ソーシャルアクションの視点

事例文を読み,保育所におけるYこども家庭ソーシャルワーカーの対応として,ソーシャルアクションの視点から見て最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】
シングルファザーのNさんは仕事の帰りが遅く,週2回は夜8時になる。保育所では延長保育を利用していたので問題なかったが,長男が来年,小学生になるため,延長保育に替わるようなサービスがないかと保育所のYこども家庭ソーシャルワーカーに相談に来た。そこでYは,保育所にはNさんと同じような悩みを持っている父親があと2人いることをNさんに伝えた。

1 利用できるサービスは限られているため,転職することを提案する。
2 Nさんはじめそれぞれの父親に対して,個々に事情や条件が違うので,個別に役所に相談に行くことを勧める。
3 当事者にしか解決できないため,できるだけ発言は控える。
4 父親同士で情報交換し,「苦しいのは自分だけではない」と分かり合える仲間作りを行う。
5 保育所の保護者や地域の人たちと話して,現状では足りない放課後の子どもの支援を行うように行政に提案することを相談する。

解答

事例:

  • シングルファーザー
  • 放課後の支援不足
  • 同様の悩みを持つ父親が複数

ソーシャルアクションとは
✔ 構造的課題への働きかけ
✔ 制度改善
✔ 行政提言
✔ 当事者の声を集約し政策へ反映

選択肢検討:

1 ❌ 転職提案 → 個別適応
2 ❌ 個別相談へ誘導 → ケースワーク
3 ❌ 発言控える → 不適切
4 ❌ 仲間づくり → グループワーク
5 地域と協議し、行政へ提案を検討 → ソーシャルアクション

正解:⑤

【問題48】児童福祉司SV(指導教育担当)

児童相談所の指導教育担当児童福祉司(以下,児童福祉司SV)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 児童福祉司SVは,児童福祉司として少なくとも2年以上の経験を満たす者とされている。
2 児童福祉司SVは,児童福祉司だけでなくその他の相談担当職員に対しても指導及び教育を行うことが求められる。
3 児童福祉司SVは,任用後に内閣総理大臣が定める基準に適合する研修を受けなければならない。
4 1人の児童福祉司SVが担当するスーパーバイジーは,概ね3人を標準としている。
5 児童福祉司SVが児童相談所以外の職場に異動した後に再び任用された場合,児童福祉司SV研修の受講は不要である。

解答

ポイント:
✔ 児童福祉司だけでなく他の相談担当職員にも指導
✔ 法改正で専門性強化

選択肢検討:

1 ❌ 経験年数のみではない
2 他の相談担当職員にも指導・教育 → 正しい
3 ❌ 任命主体が誤り
4 ❌ 3人標準ではない
5 ❌ 再任用でも研修は必要

正解:②

【問題49】児童福祉法・虐待防止法の原理

「児童福祉法」及び「児童虐待の防止等に関する法律」に規定されている児童福祉の原理,関係機関の役割等に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 児童を心身ともに健やかに育成する上で,保護者には第一義的責任があり,国及び地方公共団体は,保護者に協力する義務がある。
2 国及び地方公共団体は,児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう,児童の保護者を支援しなければならない。
3 市町村は,児童及び妊産婦の福祉に関し,専門的な知識及び技術を必要とする相談に応ずることとされている。
4 児童の福祉を保障する原理として,「すべて児童は,ひとしくその生活を保障され,愛護されなければならない」と規定している。
5 児童相談所では,児童虐待を受けている児童の保護のため,独自の判断で臨検・捜索をすることができる。

解答

基本理念:

✔ 児童はひとしく保障
✔ 愛護される存在
✔ 保護者第一義的責任
✔ 国・地方公共団体の責務

選択肢検討:

1 ❌ 「協力義務」表現が不正確
2 ❌ 義務主体の規定が不十分
3 ❌ 市町村の役割規定が不正確
4 「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」
5 ❌ 児相が独自に臨検・捜索不可(裁判所の令状)

正解:④

【問題50】職業倫理・個人情報

児童福祉にかかる職業倫理や個人情報の扱いに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 医師が事実を誤認して児童虐待の通告をした場合,罪に問われることがある。
2 親を亡くした小学3年生を,担任教諭が卒業まで自宅で養育することとしたが,その旨を届けなくても罪に問われることはない。
3 保育士の登録を取り消された者が,保育士を名乗っても,罪に問われることはない。
4 要保護児童の保護者が,人には知られたくないと言って話した内容を,支援に不可欠な情報だとして相談員が要保護児童対策地域協議会で報告した場合,罪に問われることがある。
5 児童相談所において相談等の業務に従事した者が,保護者から相談を受け,その事実を当該保護者の知人に伝えた場合,罪に問われることがある。

解答

論点は
✔ 守秘義務
✔ 通告義務
✔ 資格名称の不正使用
✔ 正当業務行為

選択肢検討:

1 ❌ 医師の虐待通告は正当行為(罪に問われない)
2 ❌ 無届けで養育は問題になり得る
3 ❌ 登録取消後に名乗れば処罰対象
4 ❌ 要対協での報告は守秘義務違反ではない(法に基づく)
5 児童相談所職員が相談内容を第三者に漏らせば守秘義務違反で処罰対象

正解:⑤

【問題51】一時保護ガイドライン

こども家庭庁の「一時保護ガイドライン」(注)による,一時保護を行った場合の職員の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 夜間等の見回りの際,居室の中が廊下側から見えるよう,ドアについているカーテンは開けておくよう伝えている。
2 子どもたちと余暇時間を楽しく過ごす方法を話し合い,漫画本に加えてゲーム機を用意することとした。
3 意見箱は,子どもが投函したことに職員がすぐ気づけるよう,職員室内に置いている。
4 子どもから「毎日日記を書かされるのはつらい」と申し出があったが,学齢児は日課として定められているので,頑張って書くように指導した。
5 分離体験による環境の急激な変化に少しでも早く適応してもらうために,持参したぬいぐるみや家族写真等は見せないように保管している。

(注)「一時保護ガイドライン」とは,2025年(令和7年)5月30日付こども家庭庁支援局長通知「一時保護ガイドラインの一部改正について」で示されているものを指す。

解答

ポイント:
✔ プライバシー尊重
✔ 子どもの意見反映
✔ 分離不安への配慮
✔ 強制しない
✔ 見守りは適切に

選択肢検討:

1 ❌ 居室内が見えるようにするのは不適切
2 子どもと話し合い余暇活動を整える → 望ましい
3 ❌ 意見箱を職員室に置くのは配慮不足
4 ❌ 「頑張れ」と強制は不適切
5 ❌ ぬいぐるみ等を隠すのは不適切

正解:②

【問題52】虐待対応面接

虐待対応での児童相談所における子ども及び保護者の面接に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 虐待を受けた2歳児を乳児院に一時保護したが,言語力が不十分で,言葉による意見の表出が困難なため,意見聴取等の措置は見送る。
2 協同面接においては,児童相談所,警察及び検察が連携を強化し,3機関からそれぞれの代表者を選出し,同じ内容を繰り返して聴取する。
3 家族等のプライバシーにかかわる情報の把握を行う必要があるので,関係機関の情報は収集せず,子どもや保護者との直接面接を実施する。
4 緊急性が高いため,一時保護に先立って子どもから意見聴取等を実施できない場合は,一時保護をした後に意見聴取等を行う。
5 虐待を理由に一時保護する際の保護者面接において,保護者の不適切な養育には触れず,入所理由を子どもの問題行動や養育困難として説明する。

解答

ポイント:
✔ 意見表明権保障
✔ 協同面接は負担軽減
✔ 緊急時の例外あり
✔ 関係機関連携

選択肢検討:

1 ❌ 2歳でも意見聴取の配慮は必要
2 ❌ 同じ内容を繰り返し聴くのは二次被害
3 ❌ 関係機関情報を収集しないのは誤り
4 緊急時は保護後に意見聴取可能
5 ❌ 保護理由を子の問題と説明するのは不適切

正解:④

【問題53】一時保護の判断

事例文を読み,児童相談所の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】
Oちゃん(5歳)は,在宅で見守り中である。母親のPさん(25歳)は,自身が被虐待の環境で育ち,裏切られたり,非難されたりした経験があるが,B児童福祉司には素直に語るなど,相談を通しての関係は良かった。本日,Oちゃんの顔の受傷に関する新たな虐待通告が入り,Oちゃんを一時保護するかどうか,所内で議論した。C児童心理司は,「以前の個別ケース検討会議で,Q保育所からOちゃんの一時保護を求める意見も出ているため,保護の判断をすべきだ」と主張した。一方,Bは「Oちゃんは母と離れることを望んでおらず,またPさんとの対立を冒してまで一時保護を実施すべきではない」と述べた。両者の意見をふまえ,この時点における児童相談所としての方針を検討した。

1 Oちゃんの安全確保よりも,まずはPさんとの関係性に配慮することを最優先する。
2 Q保育所はOちゃんのことを過剰に心配しており,リスクの捉え方に温度差があるため,一時保護は想定しない。
3 裏切られる,非難されるなどを繰り返し経験したPさんは,頼る人が居ないので第三者の介入を受け入れやすいと判断して一時保護は見合わせる。
4 Q保育所と協議し,その了解が得られなければ,Pさんとの接触は避ける。
5 安全が守られない場合は,Oちゃんの意向を聴取した上でOちゃんの意向に反する場合があっても,一時保護の判断を行う。

解答

ポイント:
✔ 最優先は子どもの安全確保
✔ 子どもの意見聴取は重要
✔ ただし安全が脅かされる場合は保護優先
✔ 保護者との関係性配慮は二次的
✔ 組織判断

選択肢検討:

1 ❌ 保護者との関係優先 → 誤り
2 ❌ リスク温度差で判断回避 → 誤り
3 ❌ 母の生育歴で推測 → 不適切
4 ❌ 了解得られなければ接触回避 → 不適切
5 安全確保が優先。意向を聴取した上で、反してでも保護判断可

正解:⑤

【問題54】支援者支援の概念

支援者支援における諸概念について,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「二次的トラウマティックストレス」とは,支援者が共感疲労よりも,より深刻な影響を受けることを強調した概念である。
2 「レジリエンス」とは,クライエントが懸命に生きる真摯な姿に感銘を受けて,支援者がさらに実践を続けていくことである。
3 「共感満足」とは,支援者に傷つき体験があっても,そこから持ち直すことができる回復力のことである。
4 「心的外傷後成長」とは,支援者にとって非常に困難な出来事との奮闘の結果生じるポジティブな心理的変容のことである。
5 「代理トラウマ」とは,支援者の受けたトラウマによって,支援者の近親者もその影響を受けることである。

解答

用語整理:

● 二次的トラウマティックストレス
→ 他者のトラウマを扱うことで支援者が受ける心理的影響

● レジリエンス
→ 困難から回復する力

● 共感満足
→ 支援を通して得られる充実感

● 心的外傷後成長(PTG)
→ トラウマ体験後のポジティブ変容

● 代替トラウマ(vicarious trauma)
→ 他者の体験を通じ世界観が変容すること

選択肢検討:

1 ❌ 共感疲労との比較強調は不適切
2 ❌ レジリエンスの説明誤り
3 ❌ 共感満足の説明誤り
4 心的外傷後成長の定義として適切
5 ❌ 代替トラウマの説明誤り

正解:④

【問題55】バーンアウト

支援者のバーンアウトに関する説明について,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 バーンアウトを防ぐために,スタッフ同士でうまくいっている面だけを共有し合う。
2 バーンアウトの主たる症状の1つである「情緒的消耗」とは,支援場面で相手への気遣いがおろそかになり,機械的な対応になっている状態である。
3 バーンアウトの主たる症状の1つである「個人的達成感の低下」は,仕事から有能感を得られにくくなっている状態である。
4 バーンアウトの主たる症状の1つである「脱人格化」は,疲れ切って何もする気にならない状態である。
5 バーンアウトを防ぐためには,仕事をためないことが大事であり,プライベートモードでも仕事への取り組みを続けることが大切である。

解答

三大症状:

✔ 情緒的消耗
✔ 脱人格化
✔ 個人的達成感の低下

選択肢検討:

1 ❌ 良い面だけ共有は不十分
2 ❌ それは脱人格化の説明に近い
3 個人的達成感の低下は「無能感」
4 ❌ 脱人格化は機械的・冷笑的対応
5 ❌ 仕事継続万能論は誤り

正しいものは:

「個人的達成感の低下=有能感が得られにくくなる状態」

【問題56】スーパービジョンの主たる機能

事例文を読み,児童相談所における定期的な面談において,スーパーバイザーが行うスーパービジョンの主な機能について最も適切な組み合わせを1つ選びなさい。

【事例文】

スーパーバイザー:いつも大変なケースばかりお願いして申し訳ない。私から見ると,自分で主体的にケースを進めることができているように思うよ。課題の多い保護者とも粘り強く対応している感じはとてもいいと思います。頼りにしています。(A)困っているとか行き詰まっているケースとかはない?

スーパーバイジー:ありがとうございます。毎日なんとか乗り切っています。

スーパーバイザー:ところで,持ちケースは50ケースくらいだよね。

スーパーバイジー:はい。

スーパーバイザー:在宅指導中のケースで動いていないケースはどれくらいありそう?

スーパーバイジー:5,6ケースは動いていないかもです。

スーパーバイザー:緊急ケースが入ると,定期的な面接とかもキャンセルになったりするしね。状況が安定しているケースは,地域の関係機関にも相談して,関与を終わりにしてもいいと思う。ケースをしっかり終結させるのも大事な仕事になるので,もう一度持ちケースを見直してみてください。困ったら言ってください。(B)

スーパーバイジー:了解しました。もう一度持ちケースを見直してみます。

スーパーバイザー:よろしくお願いします。先日の事例検討でのあなたの報告で,保護者との対話方法について講師から助言がありましたね。子どもの安全を保障する養育計画を保護者とともに作成するポイントについて講師がうまく指摘してくれていたと思います。もう一度振り返って,実践に活かしてください。行き詰まったらいつでも相談してくださいね。(C)

スーパーバイジー:はい,ありがとうございます。

1 A:支持的機能 B:管理的機能 C:教育的機能
2 A:支持的機能 B:仲介的機能 C:教育的機能
3 A:教育的機能 B:仲介的機能 C:支持的機能
4 A:教育的機能 B:管理的機能 C:支持的機能
5 A:教育的機能 B:支持的機能 C:管理的機能

解答

スーパービジョンの三機能:

  1. 支持的機能
    → 労い・安心感・困り感の共有
  2. 管理的機能
    → ケース量、進行管理、終結判断
  3. 教育的機能
    → 技術向上・振り返り・学習

(A)

自分で主体的に進められている
粘り強く対応している
困っているケースない?

→ 労い+安心感確認
支持的機能

(B)

ケース見直し
終結の提案
持ちケース数確認

→ ケース管理・調整
管理的機能

(C)

保護者との対話法の助言
養育計画作成のポイント
実践に活かして

→ 技術指導
教育的機能

正解の組み合わせ


A:支持的機能
B:管理的機能
C:教育的機能

【問題57】特定妊婦への支援

特定妊婦への支援に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 特定妊婦はすべて,助産制度の利用が可能となる。
2 特定妊婦が夫から長期間にわたる暴力の被害を受けている場合,裁判所は3年間の接近禁止命令を発令できる。
3 特定妊婦は,出産前から母子生活支援施設に入所することが可能である。
4 要保護児童対策調整機関は,特定妊婦が出産した後であれば,関係機関に対して情報提供を依頼できる。
5 特定妊婦に関する相談は児童相談所では受け付けず,市町村が対応する。

解答

特定妊婦とは
→ 出産後に養育困難が予測される妊婦

選択肢検討:

1 ❌ 全員が助産制度利用可能ではない
2 ❌ 接近禁止命令は原則6か月(3年ではない)
3 出産前から母子生活支援施設への入所可能
4 ❌ 出産後限定ではない(妊娠期から支援)
5 ❌ 児童相談所も関与可能

正解:③

【問題58】虐待通告後の初期対応

事例文を読み,Aさん(30歳)に対するS市役所のRこども家庭ソーシャルワーカーの虐待通告後の対応について,最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】

Rこども家庭ソーシャルワーカーは,虐待通告を受理し,Aさん宅へ家庭訪問を行うが,接触できなかったため,その都度,手紙を投函していた。事前調査では,Aさんはこれまでに転居と離婚・再婚を繰り返しており,住民票では,3か月前にS市に3人の子どもと転入している。転居前のT市の情報によると,T市にいた期間は短く,担当者に対して不信感を抱いていた様子で,支援の受け入れに消極的であった。また,T市の担当者がAさん自身もかつて被虐待児童であったことを面談から聞き取っている。後日,Aさんから電話があり「以前に住んでいたT市の担当者から嫌な思いをさせられた。行政の人間は信じられない。来るな!」との発言があったが,なんとか約束を取り付け,通告受理後に初めて訪問した。

1 転居歴を聞き出して,支援の受け入れが不可欠であることを強調する。
2 通告内容を伝え,Aさんの養育の不適切な面を指摘して注意をする。
3 Aさんからこれまでの話を聞かせてもらい,養育について一緒に考えていきたいと伝える。
4 被虐待歴を聴取して,世代間連鎖のリスクについて助言する。
5 今後,訪問を拒否されることがないように,書面で約束を交す。

解答

事例のポイント:

  • Aさんは行政への不信感が強い
  • 転居・離婚を繰り返している
  • 被虐待歴あり
  • 通告後、ようやく初回訪問に至った

この段階で大切なのは:

✔ まず関係形成
✔ 不信感の緩和
✔ 防衛を強めない
✔ 責めない関わり
✔ 協働姿勢を示す

選択肢検討:

1 ❌ 強調すると対立強化
2 ❌ いきなり注意は不適切
3 話を聴き、一緒に考える姿勢 → 最適
4 ❌ 被虐待歴を軸に助言は時期尚早
5 ❌ 書面約束は強制的

正解:③

【問題59】新しい社会的養育ビジョン(2017)

「新しい社会的養育ビジョン」(2017年(平成29年)厚生労働省)に関する記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 すべての子ども家庭を支援するため,まずは広域を管轄する児童相談所の機能強化を図らねばならないとされた。
2 虐待の危険が高いなどで集中的な在宅支援が必要な家庭は,司法管理下で市区町村が委託を受けて担当し,支援を行うことを求めた。
3 施設における高度に専門的な治療的ケアが必要な場合には,長期の入所が必要とした。
4 里親の増加やその質の高い養育を実現するため,民間団体も担えるようなフォスタリング機関事業を創設することとした。
5 家庭復帰やそれが不適当な場合には養子縁組を選択するなど,永続的解決を目指すソーシャルワークを市区町村が担うこととした。

解答

重要ポイント:

✔ 里親委託推進
✔ フォスタリング機関創設
✔ パーマネンシー重視
✔ 民間活用
✔ 施設小規模化

選択肢検討:

1 ❌ 児相強化が中心という文脈ではない
2 ❌ 司法管理下委託ではない
3 ❌ 長期施設入所推進ではない
4 フォスタリング機関事業創設 → 正しい
5 ❌ 市町村が担うとはされていない

正解:④

【問題60】子ども家庭福祉のソーシャルワーク

子ども家庭福祉におけるソーシャルワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「ケースマネジメント」とは,家庭が抱える課題を子どもや家族の個々の病理や問題点として捉え,積極的な介入を行うことである。
2 「インテーク」とは,困っている状況の改善や,課題を解決するための支援計画を作成することである。
3 「アセスメント」とは,子どもとその家族に出会った最初の面接時に行うものであり,子どもと家族の状況を把握することである。
4 「モニタリング」とは,支援を開始してから定期的に,あるいは必要に応じて,子どもと家庭の変化について情報を収集し,支援の進捗状況を確認することである。
5 「アウトリーチ」とは,子どもが安定した生活を継続できるよう,終結後も必要に応じて,子どもと家族に対する相談や定期的な訪問等による支援を行うことである。

解答

定義確認:

● インテーク
→ 相談受理、初期対応

● アセスメント
→ 継続的評価

● ケースマネジメント
→ 全体支援の統括

● モニタリング
→ 進行確認

● アウトリーチ
→ 出向いて支援

選択肢検討:

1 ❌ 病理中心は誤り
2 ❌ 計画作成はアセスメント・プランニング
3 ❌ アセスメントは継続的
4 モニタリングの正しい定義
5 ❌ それはフォローアップ寄り

正解:④

【問題61】V保健師の対応

事例文を読み,V保健師の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】

U市のV保健師は,母子健康手帳の申請にやってきたWさん(32歳)から,子育てに関する心配について相談を受けた。Wさんには,母親から身体的・心理的な虐待を受けた過去があり,今は絶縁状態であるとのこと。Wさんは,「自分も母親のように子どもを虐待してしまうのではないかと心配になる。誰かがひどく怒られていたりすると自分のことではないのに過呼吸になったり,時には記憶がとんでいることがある。結婚もせず,子どももいらないと思っていたが,夫と知り合って,私の事情をよく理解してくれ,結婚した。しかし夫が,どうしても子どもが欲しいというので妊娠した。ただ,正直なところ,子育てが不安でたまらない」と話した。

1 オープンに話すことのできる人なので,困りごとができたら,相談に来るだろうと考えて,来談を待つ。
2 「自らの被虐待経験を振り返れているので大丈夫だから,自分の体験を反面教師にして頑張りましょう」と励ます。
3 「過呼吸になったり,記憶がとぶことがあるのは問題だ」と伝え,すぐに医療機関での入院治療に専念するように勧める。
4 「将来のリスクを避けるため,子どもの社会的養護が必要だ」と伝えて,児童相談所に相談に行くように助言する。
5 相談継続の提案をした上で,要保護児童対策地域協議会での支援対象とするように調整する。

解答

事例の核心:

  • Wさんは被虐待経験あり(トラウマ背景)
  • 妊娠しているが、子育てへの不安が強い
  • 過呼吸や記憶が飛ぶことあり(心理的不安定)
  • 支援拒否ではなく「不安」を語れている

大切なのは:

✔ 早期からの継続支援
✔ 妊娠期支援(特定妊婦の視点)
✔ トラウマインフォームドな関わり
✔ 予防的介入
✔ 要対協の活用

選択肢検討:

1 ❌ 来るまで待つのは予防にならない
2 ❌ 「大丈夫」と励ますのは軽視
3 ❌ いきなり入院勧奨は過剰
4 ❌ いきなり社会的養護提案は不適切
5 継続相談+要対協で支援体制構築

正解:⑤

【問題62】重層的支援体制整備事業

社会福祉法第106条に規定される「重層的支援体制整備事業」(以下,重層事業)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 重層事業の実施に当たっては,個別支援と地域に対する支援の両面を通じて,人と人のつながりを基盤としたセーフティネットを強化することが必要である。
2 重層事業における相談支援とは,本人や世帯の状態に寄り添い,社会とのつながりを段階的に回復する支援を実施することである。
3 重層事業における参加支援とは,地域における多世代の交流や多様な活躍の場を確保する環境整備を実施することである。
4 重層事業における地域支援とは,本人や世帯の属性を問わず包括的に受け止め,支援関係機関全体で支援を進めることである。
5 重層事業とは多機関・多職種が包括的に連携・協働することによって,既存事業における業務総量を効率的に減らすための仕組みである。

解答

三つの柱:

  1. 相談支援
  2. 参加支援
  3. 地域づくり支援

基本理念:
✔ 包括的
✔ 属性を問わない
✔ つながりを基盤
✔ 個別+地域の両面

選択肢検討:

1 個別と地域両面でセーフティネット強化 → 正しい総論
2 ❌ 「段階的に回復」が定義ではない
3 ❌ それは参加支援の一部だが定義として不十分
4 ❌ それは相談支援の説明
5 ❌ 業務量削減が目的ではない

正解:①

【問題63】多職種・多機関連携(2つ)

多職種・多機関の連携・協働による支援において支援者が持つべき態度とスキルに関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 自らの限界を認識する内省的態度により,支援が可能な多職種・多機関とのつながりが生まれ,連携・協働が始まる。
2 当事者の望む生活を実現するための支援を提供しようとすると,多職種・多機関の対立が生じ,連携・協働の妨げとなるため控える。
3 支援の調整は,多職種・多機関の連携・協働を呼びかけた者が行うことで,他のメンバーは慎むべきである。
4 多職種・多機関の連携・協働においては,自らの領域・職種から見た当事者のニーズを主張する姿勢を持ち続ける。
5 多職種・多機関の連携・協働において生じる対立や葛藤を明確にし,支援における共通点を互いに見つけ出し,考えられる解決方法を柔軟に検討する。

解答

連携の本質:

✔ 内省性
✔ 相互尊重
✔ 利益調整
✔ 対立の可視化
✔ 柔軟な協議

選択肢検討:

1 内省的態度が連携の土台 → 正しい
2 ❌ 対立を避けるのは誤り
3 ❌ 呼びかけた者だけが調整するのではない
4 ❌ 自領域中心は不適切
5 対立を明確化し共通点を探る → 正しい

正解:① と ⑤

【問題64】こども家庭センターの対応

事例文を読み,この時点におけるこども家庭センターの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

【事例文】

金曜日の朝,保育所からこども家庭センターに電話があり,「昨日のお迎えのとき,6か月の子どもの母親から,最近子どもが泣いたときにイライラして子どもの頭を強く叩いてしまい,自分で自分が何をするのかわからなくて怖い,という相談を初めて受けた。子どものこめかみに痣があり,心配なので報告しておく。これから支援をしていくので,介入はしないでほしい」と言われた。

1 保育所に対し,母親の悩みを聞く中で,こども家庭センターを紹介してもらうよう要請した。
2 保育所と児童相談所にすぐに連絡し,週明けの個別ケース検討会議を設定した。
3 保育所に対して児童相談所に連絡するように促した。
4 児童相談所に連絡し,夕方までにともに保育所を訪問し,今後の対応について速やかに協議することを要請した。
5 保育所に対し,初めて母親が信頼して相談したことを受け止め,保育所での見守りと個別的支援を要請した。

解答

事例の核心:

  • 6か月児
  • 母が「強く叩いてしまった」と自ら相談
  • 子どもにあざあり
  • 「介入しないでほしい」と言われている
  • 保育所からセンターへ連絡

ここで最重要なのは:

✔ 子どもの安全確認は最優先
✔ ただし即通告レベルかどうかの見極め
✔ 母は自らヘルプを出している
✔ 初回相談で信頼関係が生まれている
✔ こども家庭センターは予防・伴走支援の機能

1 ❌ 保育所任せにするのは弱い
2 ❌ すぐ児相+週明け会議はやや過剰
3 ❌ 保育所に児相通告を促すのは責任放棄
4 ❌ 夕方までに児相と訪問は緊急性の判断が不足
5 母の相談行動を尊重し、保育所での見守り+個別支援を要請

正解:⑤

※本記事の内容は試験問題をもとに筆者が独自に作成した解答例です。正式な解答ではありません。最終的な正答は必ず公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

約30年の間に培った障害福祉分野での知識や経験を、このブログで余すことなくお伝えしていきます。
所持資格:社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員等

コメント

コメント一覧 (6件)

  • 64問目は4ではないでしょうか?
    こどもの安全>保育所との信頼関係
    と見ています

    27問目、4かな?とも思います。ボランティアでも配置に入るのかと、5の法務教官については社会福祉士と精神保健福祉士は採用されてますが。(必須ではなく積極的に採用されている)なため

    • ご指摘ありがとうございます。
      公式の正答が公開され次第、改めて確認し必要に応じて修正させていただきます。
      今後ともよろしくお願いいたします。

  • 13問目の選択肢1は市町村の業務ではなく、都道府県の業務だと思われます。

    選択肢4の一時保護施設の環境改善が正解かと。

    • ご指摘いただきありがとうございます。
      後日、日本ソーシャルワークセンターより公開される正答を確認のうえ、必要に応じて修正させていただきます。
      どうぞよろしくお願いいたします。

  • 19問目
    選択肢5は「特定妊婦非該当となる。」と記載されております。
    「 妊娠後期で健診未受診・経済問題 → 特定妊婦該当」だと思われるため
    正答は5ではなく、2ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

    • ご指摘いただき誠にありがとうございます。
      後日、日本ソーシャルワークセンターより公開される正答を確認のうえ、必要に応じて修正させていただきます。
      どうぞよろしくお願いいたします。

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